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中国本土と香港特別行政区との間の仲裁裁決の相互執行に関する最高人民裁判所の補足取り決め 【ニューズレター Vol.85】

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。

 

 

【背景】

1996年6月21日に、中国本土の最高人民裁判所(以下は「最高裁」と略称)と香港特別行政区(以下は「香港特区」と略称)の代表は、「中国本土と香港特別行政区との間の仲裁裁決の相互執行に関する最高人民裁判所の取り決め」(以下は、「執行取り決め」と略称)に署名した。2020年11月27日に、最高裁と香港特区は、「執行取り決め」の修正に関し、「中国本土と香港特別行政区との間の仲裁裁決の相互執行に関する補足取り決め」を締結し(以下は、「補足取り決め」と略称)、 「補足取り決め」の第一条と第四条は2020年11月27日より、第二条と第三条は2021年5月19日より執行された。

 

 

【影響】

「補足取り決め」は、司法分野における「一国二制度」方針を充実させ、改善させるための重大な取り組みであり、法治方式により香港の長期的な繁栄と安定を維持するための具体的な表現でもある。 同時に、「補足取り決め」は、相互に協議し、構築し、共有するための多元的な紛争解決メカニズムの構築に有益な探索であり、両地の人々の幸福を高める重要な成果でもある。 また、「補足取り決め」は、広東省、香港、マカオから構成されるグレーターベイエリア(大湾区)の建設に向けて、司法サービスと保障を提供するとの積極的な役割を果たすものであり、香港が大湾区の全体的な発展に加入することを促進するための現実的な取り組みでもある。

 

 

【主要内容】

(一)「執行取り決め」において、仲裁裁決の承認と執行の両方を含むことを明確にすること:元の「執行取り決め」においては、「承認」プロセスが明記されずに、実務上では、香港の仲裁裁決が承認されてから初めて執行力をもつかどうかについて、各人民裁判所の見解は異なっていた。

 

(二)「認可された中国本土の仲裁機関」のリスト制度を廃止し、すべての中国本土の仲裁機関の仲裁裁決を「執行取り決め」の適用範囲に入れることができるようにすること。

 

(三)仲裁裁決に対する「並行執行制限」を撤廃し、申請者が仲裁裁決の執行を同時に、中国本土と香港特区両方の裁判所に申請できるようにすること。及び、

 

(四)仲裁プロセスの当事者が、仲裁裁決の執行前または執行後に保全措置を裁判所に申請できるようにすること。

 

 

 

【法規リンク】

中国本土と香港特別行政区との間の仲裁裁決の相互執行に関する補足取り決め

 

 

 

 

 

 

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