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大湾区広東省9都市の2026年上半期GDPは5.95兆元!前年同期比で約3,500億元の増加【大湾区情報レター Vol.106】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

2026年上半期の広東省珠江デルタ9都市のGDPは、合計5.95兆人民元までに達し、これは前年同期比で約3,500億人民元も増加したため、広東省全体に占める割合が、前年同期の81.9%から82.3%に上昇しました。

 

広東経済の「安定基盤」としての地位がより鮮明となった、大湾区に含まれるこの広東省9都市ですが、その成長率の明暗が分かれているようです。広州、深圳はいずれも5.8%の成長率で一線都市として安定した成長率を誇り、中山は6%で珠江デルタ地域のトップに立ち、東莞は5.1%の成長で堅調な推移を続けています。その一方で、仏山と肇慶の成長率は1%も満たさず、都市ごとの産業転換のペースに違いがあることがうかがえます。

 

 

 

また今回成長率以上に注目すべきなのは、成長エンジンとなる産業が、人工知能(AI)により根本的に変化している点です。人工知能(AI)は産業の「コンセプト」から計測可能な成長の原動力へと変貌を遂げつつあります。

 

深圳のAI関連製品の輸出入額は1兆人民元を突破し、珠海の「AI+」企業の付加価値額は83.2%増加しました。対外貿易面では、珠江デルタ9市の輸出入総額が全国の対外貿易の成長に対する貢献度の4分の1を占めています。成長率を通じて構造を観察すると、珠江デルタ経済は「規模拡大」から「構造的飛躍」への深い転換を遂げており、経済構造は新しくより優れた方向へと進み、質の高い発展の歩みはより確かなものとなっています。

 

 

 

現代サービス業とハイエンド製造業が相乗効果を発揮

2026年上半期、広州と深圳のGDPは合計で約3.6兆人民元近くに達し、広東省全体のほぼ半分を占めました。両都市はともに5.8%という同じ成長率で一線都市のトップに並び、外部環境の不確実性が依然として存在する中でのこの実績は、産業構造の早期調整と新たな成長エンジンの整備を迅速に進めたことによる先行者利益ともいえる優位性を裏付けています。

 

その取り組みにおいて、製造業分野ではそれぞれ特徴があるようです。

 

 

深圳のアプローチは「深掘り型の突破」

長年にわたり蓄積された電子情報産業の優位性を、AI時代の先行競争力へと転換し、ハードウェア製造、チップ設計、アルゴリズム開発が完全な循環システムを形成しています。

 

上半期の一定規模以上工業の付加価値額は8.7%増加し、コンピュータ・通信・その他の電子機器製造業は12.3%増加、3Dプリンターは58.1%、産業用ロボットは43.9%と生産量が増加しました。

 

AI関連製品の輸出入額が1兆人民元を突破し、5割超の伸びを示したのは、この全チェーンエコシステムがもたらす波及効果を如実に裏づけるものです。

 

 

広州のアプローチはより「多方面からの突破」に重点を

新エネルギー自動車、半導体製造、スマート機器など複数の新興分野で同時に力を発揮しています。

 

新エネルギー自動車の生産量は53.2%増加し、自動車用リチウムイオン駆動電池の生産量は53.9%、スマート車載機器製造業の付加価値額は40.6%となりました。

 

集積回路製造業の付加価値額は73.9%増加し、サービスロボット、アナログチップ、ディスプレイなどの製品生産量はすべて2ケタの成長を達成しました。

 

 

 

現代サービス業への相乗効果も

製造業以外にも、現代サービス業の相乗効果も無視できません。広州の1〜5月の一定規模以上サービス業の売上高は12.3%増加し、ソフトウェア開発は13.8%、インターネット情報サービスは20%増加し、また深圳の情報伝送・ソフトウェア・情報技術サービス業も7.8%増加しています。

 

 

暨南大学教授で華南都市研究会創設会長の胡剛氏は、

 

広州は深みのある歴史と充実した商業サービス業の基盤を有し、今年はハイテク産業の弱点補強に力を入れています。

 

一方、深圳はハイテク産業への取り組みを継続し、中核となる科学技術イノベーションとハイエンド製造の優位性を確固たるものにしています。

 

両都市がそれぞれの特色を生かした発展を遂げ、それぞれが成長の余地を広げると同時に、大湾区のデュアルコアによる強力な相乗効果を生み出しています。

 

と述べています。

 

 

中山大学嶺南学院経済学教授の林江教授は

 

サービス業は製造業のサプライチェーン補完、強化、高度化を支援しています」と述べ、広州と深圳の5.8%という成長率は単なる数値上の増加ではなく、より重要な傾向を示しています。すなわち、一線都市間の競争が、土地・人口・資本主導型から、先進的な製造能力・デジタルサービス能力・産業エコシステムの協調能力へと移行しつつあるということです。

 

広州と深圳の発展が市場平均レベルを上回る成長を遂げることができたのは、まさにこの構造的優位性が集約された結果です。

 

と述べています。

 

 

 

 

大湾区9都市の対外貿易が、中国全土の成長度の約4分の1を占める

大湾区中国本土9都市の輸出入総額は5.3兆人民元と前年同期比20.9%増となり、全国の輸出入成長率(4%)を大きく上回っており、これは中国全国輸出入総額の20.8%を占め、中国全土の経済成長への貢献度は24.9%に達しました。また6月の単月輸出入規模では、1.02兆人民元(前年同月比31.1%増)となり、初めて1兆人民元を突破し過去最高を記録しています。

 

 

民間企業が主な原動力に

この成長は民間企業が中核的な原動力となっており、その輸出入額は3.57兆人民元(27.1%増)で、輸出入総額に占める割合は前年同期比3.2ポイント上昇の67.5%となり、全体の成長に対する貢献度が83.1%となっています。民間企業の活力が旺盛で、対外貿易の粘り強さを最も如実にあらわしてます。

 

 

機械・電気製品、特にスマート製品が好調

輸出構造を見ると、機械・電気製品の輸出額は2.23兆人民元(16%増)で、輸出総額の71.7%を占めました。スマート製品の好調が際立ち、ドローン、3Dプリンター、デジタルカメラの輸出はそれぞれ24.5%、122.6%、64.4%増加しました。

 

また電気自動車、リチウム電池、太陽光発電製品などの「新三種」製品の輸出額は、合計1,191.9億元で37.2%も増加しています。

 

輸出構造の変化は、本質的に産業構造高度化を反映しています。すなわち、製造段階の技術高度化が進めば、貿易段階における高付加価値製品の割合は自然と上昇することを表しています。

 

 

新興市場の開拓が顕著な成果を上げている

市場別に見ると、新興市場の開拓が顕著な成果を上げています。2026年上半期、大湾区の中国本土9都市の5大貿易相手国/地域(ASEAN、香港、EU、米国、台湾)との輸出入はいずれも増加し、それぞれ12.9%、48%、6.6%、3.3%、7.1%の成長を示しました。

 

新興市場向け輸出入額はさらに高い伸びを示し、そのうち対アフリカは1,582.1億人民元(17.7%増)、対インドは1,186.7億人民元(18.7%増)、対中央アジア5ヶ国は188.1億人民元(19.2%増)となりました。

 

 

 

9都市の輸出入額上位3位は、深圳、東莞、広州

都市別では、深圳、東莞、広州が9都市の輸出入額上位3位を占めています。

 

深圳は完備されたAI産業チェーンを武器に、上半期の輸出入総額が28,790.95億人民元(前年同期比33%増)に達し、中国全国貿易首位の座を確固たるものにしました。

 

東莞の輸出入総額は8,152億人民元(同8.8%増)で中国第5位の貿易都市の座を堅守しました。

 

広州の対外貿易も過去最高を更新し、上半期の輸出入総額は6,371.9億元(同5.5%増)となり、特に自社ブランド製品の輸出が大幅に伸び、輸出額は1,011.6億元(同45.6%増)で、輸出全体に占める割合は約4分の1に達し、前年同期比で6.7%上昇しました。

 

 

また、中山と肇慶は重要拠点として、中核都市からの産業波及効果を十分に受けています。上半期、中山市の輸出入額は1,620.2億元(同13.1%増)で、ハイテク製品の輸出は前年同期比51.8%の大幅増加となり、輸出全体に占める割合は23.2%に上昇し「深圳の研究開発+中山の実用化」という地域連携の効果が引き続き発揮されています。

 

肇慶市の貿易輸出入総額は284.4億元(同36.5%増)で、そのうち輸出は32.1%増と広東省全体で最も高い成長率を記録しました。

 

 

 

新たな生産力が形成され、新たな持続的成長エンジンとして発揮

広東省全体のコンピュータ・通信・その他の電子機器製造業の付加価値額は11.6%増加し、一定規模以上工業に対する貢献度は56.9%に達しています。これは、仮に工業生産の全体として100人民元増加したとすると、そのうち約57人民元が、この電子情報産業から生み出されていることを意味します。

 

AIはもはや資本市場の投機材料にとどまらず、広東省製造業の成長を支える確固たる原動力となっているのです。

 

 

珠江デルタの各都市別の新たな成長エンジンとなる産業とは

珠江デルタの各都市に目を向けると、新たな成長エンジンの輝きが随所に見られます。

 

東莞は世界有数の電子情報製造拠点として、今回のAIブームの中で生産能力の恩恵を最大限に受けています。上半期の一定規模以上工業付加価値は6.9%増加し、電子情報製造業は8.4%増加、集積回路と産業用ロボットの生産量はそれぞれ37.0%、35.0%増加しました。

 

珠海の一定規模以上工業の成長率は珠江デルタトップの8.9%となり、集積回路産業の付加価値が123.6%という急成長を遂げています。「光聯通訊」など30社の「AI+」企業の付加価値は83.2%増加し、一定規模以上工業を約3%押し上げたことが要因となっています。

 

仏山は伝統産業の抜本的調整の中で、一定規模以上ハイテク製造業は依然として11.6%の成長を達成し、リチウムイオン電池と産業用ロボットの生産量はそれぞれ41.0%、27.6%増加しました。

 

恵州の先進製造業とハイテク製造業の付加価値はそれぞれ7.9%、7.1%増加し、一定規模以上工業付加価値に占める割合はそれぞれ62.7%、40.6%に達しました。また、恵州のAI関連一定規模以上企業は約270社に上り、上半期の生産額は約1,800億人民元(約10%増)を達成しています。

 

 

 

新たな生産分野への投資も加速

投資面では、資金が新たな生産力分野へと加速的に流入しています。

 

広州のハイテク製造業投資は29.5%増加し、深圳の情報サービス業投資は160.9%増加しました。東莞のハイテク製造業投資は26%増加し、コンピュータ・オフィス機器製造業投資は35%増加しています。資本は常に産業に先駆けて動くものであり、現在の大規模投資は、今後3〜5年の産業成長への先見的な布石になります。

 

AIを基盤に、珠江デルタにおける産業チェーン全体のアップグレードの道筋は一層明確になってきています。

 

現在の珠江デルタにおける新たな生産力の発展は、投資方向の刷新、産業構造の最適化、地域協力の強化、成長の強靭性向上という様相を呈しています。

 

これは単に新興産業プロジェクトをいくつか追加するという話ではなく、珠江デルタの既存の製造業システムを再構築するものです。つまり、従来優位性があった「加工製造+輸出指向型産業」という構造を、「先進製造+デジタル技術+産業サービス+グローバルサプライチェーン」という総合的な競争力へとアップグレードさせるものです。

 

新たな生産力を発展させる鍵は、技術を研究室から実践の場へ持ち出し「製品‐市場‐改善」のサイクルを完結させることにあります。

 

と、林江教授は提言しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

合计5.95万亿元!大湾区内地九市GDP半年报出炉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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