未来スマート物流加速計画、3方案が採択【大湾区情報レター Vol.107】
- 公開日 2026.10.9 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
香港政府が物流業界のデジタル化を促進し、国際的なスマート物流ハブとしての地位を強化するために2026年6月1日に開始した支援プログラム「未来スマート物流加速計画」(Future Smart Logistics Acceleration Plan / FILAS)ですが、香港政府は3つの事前承認済IT導入ソリューションを公表しました。
計画の目的と背景
この計画の主な目的は、物流企業、特に中小企業のデジタル化の遅れを解消することにあります。デジタル化が進んでいないため、政府や公的機関が運営する物流データプラットフォームを十分に活用できていない企業が多いという課題がありました。
計画を通じて、革新的なITソリューションの導入を促し、企業がデジタルギャップを乗り越え、物流データプラットフォームを広く利用できるように支援することで、物流業界全体の競争力向上と香港の国際スマート物流ハブとしての発展を目指しています。
支援の枠組みと対象者
この計画の支援内容の主なポイントは以下の通りです。
-
対象企業: 香港で事業登記を行い、実質的な業務運営を行う、上場していない第三者物流サービス提供者*が対象です。
-
支援対象: 後述する「ホワイトリスト」に掲載された事前承認済みのITソリューションを定期契約または採用するための費用が支援の対象となります。
-
補助率と上限: 政府が2、企業が1の割合で費用を負担します。1社あたりの支援額は、先導計画と合わせて最大200万香港ドルです。
-
目標: 100社の物流企業の支援を目標としています。
*第三者物流サービス提供者とは:
荷主(貨物の持ち主)から物流業務を委託され、荷主に代わって輸送・保管・配送などを請け負う独立した物流事業者
計画の仕組みと評価プロセス
この計画は、単に資金を提供するだけでなく、質の高い技術ソリューションを選定・認定する仕組みを整えることで、物流業界のデジタル化を効率的かつ効果的に進めることを狙いとしており、大きな特徴として、対象となる物流サービス事業者に対して提案される技術ソリューション提供者のITソリューションを事前に審査・承認し、「ホワイトリスト」として公開するという仕組みです。
そのため、ITによる知見が無かったとしても、物流企業はこのリストからソリューションを選ぶことで、安心して導入を進められます。
ホワイトリストへの掲載は、以下の3層の厳格な評価プロセスを経て決定されます。
-
一次審査: 計画事務局である香港生産力促進局が、申請企業の資格を審査します。
-
技術審査: 物流データプラットフォームの運営機関が、ソリューションの技術的な互換性、機能性、使いやすさ、安全性などを評価します。
-
最終承認: 先導計画の管理委員会が、政策目標への適合性や物流業界全体への利益を考慮して最終的な承認を行います。
現在ホワイトリストへの申請の公募が行われ、合計26件の申請があり、その中で最高得点を得た3つのITソリューションが最初の事前承認ソリューションとして承認され、ホワイトリストに掲載されました。2026年9月1日より、これらの事前承認済ソリューションの定期契約または導入について助成金を申請することが可能となっています。
香港政府の運輸及び物流局は、
デジタル化は物流業界が競争力を維持するための最優先課題の一つであり、加速計画における事前承認ソリューションは、いずれも厳格な技術審査を経た上で、第三者物流サービス事業者が物流データプラットフォームを活用し、デジタル格差を克服する上で有効であると認められたものです。
と述べました。
当局は、業界に対しこのチャンスを捉えることで業務のデジタル化を進め、物流データプラットフォームがもたらす、物流の透明性向上、サプライチェーン管理効率の向上、貿易金融チャンスの開拓等のメリットを最大限に活用することを期待しています。
【参考資料】
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
.
本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
免責事項:
- 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
- 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
- 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
-
本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。
-
文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。