2021年10月12日発行:初の年次多国籍企業投資広東会議、広州市で開催【大湾区情報レター Vol.22】

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初の年次多国籍企業投資広東会議、広州市で開催


 
 9月27日から29日に初の年次多国籍企業投資広東会議が広州市で開催されました。会議では「世界フォーチュン・グローバル500企業の広東省投資に関する調査報告書」、「多国籍企業地域本部設置を奨励するための広東省の措置(改訂版)」、「20の戦略的産業クラスタの投資促進マップ」が正式に発表され、広東省のグローバル投資誘致アドバイザー第一陣に対し任命書が授与されました。

 

 広東省商務局のデータによると、2020年12月時点で、350の世界フォーチュン・グローバル500企業が広東省に投資し、事業を行っています。広東省に投資している企業数は2,416社に達し、登録資本金金額の累計は1,807億米ドルを超えています(2019年と2020年のフォーチュン500企業のリストに基づく)。

 

多国籍企業統括本部の識別基準を最適化

 

 会議は3日間にわたって開催され、オンラインとオフラインのハイブリッド方式にて、合計24のネットワーキングイベントが行われました。 これまでに、シーメンス、パナソニック、ゼネラル・エレクトリック、エクソンモービル、プロクター・アンド・ギャンブル、現代自動車、ジョンソン・エンド・ジョンソン、三菱商事、サノフィなどフォーチュン500企業を含む日本、韓国、米国、英国、ドイツなど16の国と地域から200以上の多国籍企業・団体、300人以上の参加者が参加し、中国からは副社長クラス以上の企業代表者が70人以上参加しました。

 

 広東省は、フォーチュン500企業が中国に進出する際の主要な投資先となっています。 また、今回の年次会議では、「世界フォーチュン・グローバル500企業の広東省投資に関する調査報告書」を発表し、世界フォーチュン500企業の広東省への投資の特徴や発展傾向、広東省の経済・社会発展への貢献度などを詳しく分析しています。

 

 「北京、上海などの地域では、多国籍企業による地域統括本部の設立をサポートする政策が次々と発行、改訂されています。新たな対外開放の状況に対応し、国際基準に沿った認定基準と強力な支援策を策定することにより、多くの多国籍企業を引き付け地域統括本部が設置されていきました。統括本部の数は急速に増加し、統括本部産業の推進効果は徐々にあらわれてきました。」と広東省商務局の党指導グループメンバーであり、副局長である陳越華氏は、記者会見でこう述べました。

 

 広東省商務局は、関係者への広範な意見募集に基づき「多国籍企業地域本部設置を奨励するための広東省の措置(改訂版)」(以下「新措置」)を改訂・発行し、今回の年次会議で正式に発表しました。

 

 陳越華氏によると、新措置では多国籍企業地域本部の認定基準最適化を第一に考え、参入基準のさらなる緩和を進めていきます。 例えば、地域本部の親会社の総資産要件の2億米ドルへの緩和、本部型機関の親会社の総資産要件の1億米ドルへの設定、実際払込登録資本金金額と管理下におく企業数の要件は廃止され、統括本部が独資企業でなければならないという制限もなくなりました。

 

 それと同時に、政策によりインセンティブ支援を強化しており、 多国籍企業地域統括本部の機能集中とその能力向上のために、政府特別資金によるインセンティブ、科学技術の研究開発方面により実質的なサポートを提供することに重点をおきます。

 例えば、認定された多国籍企業地域統括本部の年間の実際外資投資額が1,000万米ドルを超える場合、広東省財務部はその年の実際外資国投資額の2%、最大1億人民元の奨励金を与えます。

 

 省への財政年度における貢献額が初めて1億人民元を超えた場合、その年度の年間貢献額の30%を、財務部が一回限りの奨励金として支給します。

 

 また、今回の新措置は、広東省の特徴をよく表しています。 例えば、統括本部機能を持つ法人の認定という点においては「サプライチェーン」が統括本部型法人の機能として含まれており、ここに当地の製造業の発展が強調されています。

 

 多国籍企業地域統括本部を、手順に従い省長が多国籍企業と連絡するためのスルートレイン(直通車)のしくみに含めること、及び多国籍企業地域統括本部の上級管理職やその他の人材を「優粤カード」のサービス対象に含めることによりカード所有者とその配偶者、未成年の子女は地元住民と同等の待遇を受けることができるなど、広東省独自の優遇・支援策が用意されています。

 

 今年の1月から8月まで、広東省の外資利用実績は約1,180億人民元で、前年同期比14.3%増、2年間の平均成長率は7.1%であり、そのうちサービス業への外資導入実績は前年同期比18.1%増の961.5億人民元、ハイテク産業への外資導入実績は前年同期比62.2%増の328.1億人民元、外資導入額が1億米ドル以上の大型プロジェクトは41件で、実際導入額は前年同期比32.3%増の104.8億米ドルとなった、と陳越華氏は紹介しました。

 

 次に、産業チェーン投資プロジェクトのさらなる実施、投資誘致メカニズムのさらなる革新、先進国向け産業クラスタへの投資誘致の強化のために、広東省商務局は、国内外の経済・ビジネス界の著名人22名を「広東省グローバル投資誘致アドバイザー」として招聘し、今回の 年次会議においてライセンスの授与式が行われ、任命書が発行されました。

 広東省では、製造業、特に「雙十」*と呼ばれる産業クラスタの発展を促進することに重点を置き、投資環境を促進する手段の革新により「一業界一マップ」「産業政策一マップ」「投資要素一マップ」の要件に基づいて、3つのカテゴリーのビジュアル投資誘致マップを設計・作成し 、企業が広東省に投資する際の明確なガイドラインを提供します。

 

*新素材産業や生物医学および健康産業などを含む広東省政府が重点を置いている 10の戦略的柱産業クラスタと10の戦略的新興産業クラスタのことを指す。

【参考資料】

・初の年次多国籍企業投資広東会議、広州市で開催 

 

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*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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