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香港の居住者証明書取得について

今回は香港税務局により発行される居住者証明書(英語名“Certificate of Residence Status”、中国語名“居民身分証明書”)の申請条件や、昨今の発行状況についてお話しいたします。

 

 

居住者証明書とは

居住者証明書とは、香港特区政府が租税協定を結んでいる各国・地域との間での二重課税の回避や優遇税制の適用を申請するため、税務上香港居住者であることの証明が必要とされる法人・個人の香港居住者に対し、香港の管轄当局(香港税務局)が発行する文書を指します。

 

当証書の申請者が、「租税協定における優遇措置を受けることができないことが明らかである。」つまり香港居住者としての取得条件を満たさないと判断される場合、当証書の発行が拒否されるケースもございます。

 

 

 

申請条件

当局がインターネットで公開している証書の申請対象者としての条件は以下の通りとなっております。

 

  1. (申請者が個人の場合)香港に通常居住している。
  2. (申請者が個人の場合)申請する年度中に180日以上香港に滞在している、もしくは連続する2ヵ年度中に300日以上香港に滞在している。
  3. (申請者が個人以外の場合)香港内で法人化または設立された会社/パートナーシップ/信託/個人団体である。
  4. (申請者が個人以外の場合)香港外で法人化または設立された会社/パートナーシップ/信託/個人団体であるが、香港内で経営または管理されている。

 

 

 

厳格化する審査過程

申請者が法人である場合、以前は香港で設立された法人であれば、比較的容易に申請が認められ、証書が発行されておりました。ところが、数年前から審査過程がより厳格化しており、申請資料において、さまざまな質問対して回答形式で申請を行うものとなっております。

 

質問には、申請企業の香港での事業運営状況、従業員の状況、取締役の所在地とその役割などが含まれており、これらの質問の背景には、当該申請企業が香港内で事業を行っており、取締役による管理、経営が香港内で行われていることを確認することが目的と考えられます。

 

 

 

中国本土の出資先からの配当収入 

居住者証明書が申請される多くのケースでは、中国本土の法人に出資している香港法人が、中国から得られる配当収入に対する源泉税率の優遇税制を享受するためのものが多いと言えます。

 

どういう事かと言いますと、中国からの配当において、日本など中国との間で租税条約がある場合、中国国内で支払配当に対して通常10%の源泉税率が課せられますが、中国本土と香港と間で結ばれている全面的二重課税回避協定を利用すると、香港で配当を受け取る場合の源泉税率が5%に軽減されてまいります。その際に、中国当局により香港当局が発行する居住者証明書が求められるのです。

 

なお、現状、中国本土と香港の間で取り交わされた取り決めによると、特定の申請取得年度に対して発行された居住証明書は、一般的に、当該年度及びおよびその後の2年度に渡り(計3ヵ年度)、申請者の香港居住証明として有効なものとなります。そのため、申請者は、その状況に変更があり、適用条件を満たさなくなった場合を除き、その後の2ヵ年度は証明書を申請する必要はありません。

 

 

 

 

支店による居住証明書の申請

一方、海外法人からの出先機関であり、香港では法律上海外法人としてみなされる”香港支店”の居住証明書を申請する場合、申請自体は受け付けられるものの、香港内で経営または管理されているという条件において、一般的に海外法人の役員が香港に常駐していない場合が多く、経営または管理がなされているということの証明付けが難しいため、申請の難度が高くなる傾向があります。

 

 

 

 

 

居住者証明書の取得におきましては、弊社でも代行サービスをご提供させていただいておりますので、取得に関してのご不明な点やサポートが必要な際は、お気軽にお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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