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香港サイドの香港・深圳イノベーション&テクノロジーパーク(河套香港園区)が正式に開園【大湾区情報レター Vol.99】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

2025年12月22日、河套深圳香港科学技術イノベーション協力区の香港園区「香港深圳イノベーション&テクノロジーパーク」が正式に開園しました。

 

これにより、重要な香港と深圳による協力プラットフォームが実質的な運営段階に入ったことになります。香港特区政府イノベーション科学技術工業局の孫東局長は、

現在既に、香港、中国本土、および海外からの60社以上の企業・機関と契約が締結され入居済みであり、それら企業の分野は、ライフヘルスケア・テクノロジー、マイクロエレクトロニクス、新エネルギー、人工知能(AI)などであり、先端分野をカバーしている。

と述べました。

 

 

また、「深圳経済特区河套深圳香港科学技術イノベーション協力区深圳園区条例」(以下「条例」)が2025年12月26日に深圳市人民代表大会常務委員会で採択され、2026年3月1日から正式に施行される予定です。当条例により、深圳園区におけるクロスボーダー監督管理、科学技術研究体制、人材流動などの分野での制度的イノベーションに対して法による保障を提供することで、香港園区との相互連携、双方向推進による発展構造の形成を後押しします。

 

 

 

施設は第1期第1陣の3棟が完工、香港・深圳間の越境に「四つの流れ」

2025年11月に公表された「河套深圳香港科学技術イノベーション協力区香港園区発展概要」によると、香港園区の第1期計画では、2棟のウェットラボ棟と1棟の人材アパートメントが既に完工し、残る5棟についても全速力で建設が進められています。これらについては2027年から順次運用開始することが予定され「建設と入居を並行する」というモデルにより、企業の入居と産業集積の加速が図られています。

 

また深圳、香港の両園区間における人の流れ、物の流れ(生物サンプル等)、資金の流れ、データの流れという「四つの流れ」を含むイノベーション要素の越境の円滑化を促進するため、孫東局長は、香港特区政府が中国本土の関連機関と緊密に協議を重ね、国の関連法規を遵守しつつリスク管理可能な範囲内で、画期的な政策措置を模索していると明らかにしました。

 

これまでに、渡河歩道橋(人の流れの流動化)、生物サンプルの越境移動(物の流れ)、機微データの越境伝送(データの流れ)について、具体的な実行計画が策定されています。

 

 

 

 

園区内は特殊な監督管理方法の「高度開放型」を実施

条例では、深圳園区が段階的閉鎖管理を実施することが明確にされています。

 

園区内の税関監督管理区域と香港とのボーダーを「第一ボーダー」、

園区内の税関監督管理区域と深圳側にある中国本土区域との間を「第二ボーダー」とし、

園区内貨物の出入境に対し「第一ボーダー(香港側)開放、第二ボーダー(深圳側)管理、区域内は自由」という監督管理モデルを実施します。

 

条件を満たす科学研究用貨物及びその研究開発製品については、専任者による携行などの方法で深圳園区への円滑な出入が認められ、輸入自用研究貨物は関連規定に基づき関税、輸入段階増値税及び消費税が免除されます。

 

 

深圳園区の税関監督管理区域では、人員の登録管理を実施し、登録管理対象者に対して効率的かつ利便性の高い出入境政策が適用されます。また、規定条件を満たす外国籍の研究員については、中国本土ビザなしで深圳園区に入り、科学研究活動を行うことを支援します。

 

 

 

 

深圳・香港協同による科学技術イノベーション体制およびシステムの最適化

深圳香港間の科学技術イノベーション協力の活性化をさらに推進するため、本条例は深圳園区の研究主体と香港の研究主体が共同で科学研究を実施し、共同研究センターや共同実験室を設置することを支援します。

 

また、中国の国家レベルの科学技術重要プロジェクトや国家重点研究開発計画を、深圳・香港の高等教育機関、研究機関、企業及び香港の公営研究機関が共同で担うことができ、国際的な大規模科学研究計画や大型サイエンスプロジェクトに共同参画できることを明確に規定しています。

 

 

研究資金の面では、深圳市の財政資金による香港園区の科学研究プロジェクトへの越境支援を認めています。

 

また、香港園区科学技術産業発展特別資金の助成を受けて実施される科学研究計画については、香港・マカオおよび国際的な科学研究管理規則を適用し、香港・マカオの監査規則に基づいた監査報告書の提出を認めることについても明確に規定しています。さらに、社会組織が深圳園区に科学基金を設立すること、香港のベンチャーキャピタルと共同でベンチャー投資基金を設立することを支援します。

 

 

深圳園区においては、イノベーションに関するフォールトトレランス(耐障害性)システムを確立し、条件を満たす関連組織および個人に対して免責または責任軽減措置を適用します。また、深圳園区科学技術産業発展特別資金の助成を受けて実施された科学研究プロジェクトについて、評価検証の結果、研究主体が誠実に義務を履行したにもかかわらず完了に至らなかった場合には、関連規定に基づきプロジェクトを完了扱いとすることを認めています。

 

 

 

 

簡便なビザ審査や法的インフラ整備における人材発展システムの体制改革の試行を実施

本条例は、深圳園区における人材発展システムの体制改革の試行を支援し、より柔軟な方法で海外のハイレベル科学技術人材及び不足人材を導入することを定めています。これにより、外国人の中国就労許可及び出入国手続きの利便性向上を図り、就労許可、査証(ビザ)、在留許可の一括審査・一括手続きを推進します。

 

また、深圳園区において条件を満たす人材が、長期間有効な香港・マカオ往来用の人材マルチビザを申請する場合、申請時の人材証明書の提出を免除します。

 

そして、深圳園区の研究機関や企業が招聘する外国人研究者及び香港園区で勤務する外国人材については、アライバルビザによる中国本土入境申請が可能であり、入境後に長期有効のマルチビザまたは在留許可を申請することもできます。

 

 

それから、データの安全な流通を促進するため、本条例は深圳園区における越境データ流通のネガティブリストの策定と実施、国際データ専用回線の建設、運営、並びに国際情報通信インフラ及び保障プラットフォームの構築を支援しています。

 

また、本条例は国際的な法治環境の整備にも全力で取り組んでおり、契約当事者の一方が深圳園区に登録された香港・マカオ資本企業である場合、契約紛争の解決において当事者間の合意によって定めることを前提とし、香港・マカオの法律法規を適用すること及び仲裁地として香港・マカオを選択することを認めるものとしています。

 

 

 

 

市場の力を活用し、深圳・香港の連携により「北創科」計画を加速!

孫東局長は、河套香港園区が「特区の中の特区」として「一国二制度」の制度的優位性と「ボーダーを越えた特別地域」という独特の条件を併せ持ち、政策革新と試験的改革に最適な場所であると強調しました。

 

香港特区政府は、香港の国際的接続性を最大限に活用し、世界のイノベーション・テクノロジー資源と人材を集積する施策を推進、最適化することで、同園区の国際的競争力と発展の活力を高めていくと述べています。同時に、河套香港園区と新田科技城(テクノロジーシティ)のイノベーション・テクノロジー産業が連携して発展することで、香港に「南金融、北創科*」という新たな産業レイアウトが形成され、香港のイノベーション・テクノロジー発展を推進し、国家発展の大局へよりよく統合されるとの見解を示しました。

 

 

*南金融、北創科とは:

香港政府が推進する産業、地理レイアウトを指す方針。香港島や九龍エリアを金融サービス地域、新界北部の「北部都会区」エリアをイノベーションテクノロジー産業の拠点として発展させる。

 

 

本条例は、河套発展署が深圳市政府が設立した深圳園区の管理機構ではありますが、園区の規範的文書を制定し組織的に実施する権限を有しており、柔軟な雇用体制と報酬体系の適用が認められているため、条件を満たす香港居民を職員として採用できることを明確に定めています。

 

また、深圳・香港両地の各分野の専門家で構成される専門家諮問委員会も設置し、深圳園区の重要課題に対する助言を提供します。さらに、条件を満たす香港・マカオ・台湾および外国籍者が、深圳園区の事業者等の機構の責任者を務めることについても支援しています。

 

 

改革開放政策措置に関して、現行法令を一時的調整または適用停止する必要がある場合は、関係機関は法定手続きに従い、全国人民代表大会またはその常務委員会に関連議案を提出し、授権または決定を得た上で実施されます。また、現行の行政法規について一時的調整または適用停止する必要がある場合は、関係機関が法定手続きに従い、国務院の授権または決定を経て実施するものとします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

河套深圳园区放大招!打造接轨国际的科创生态

助力深港创科发展!河套香港园区开园

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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