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国務院による広東省・香港・マカオ間の全面協力に関する広州南沙の総体方案の公布【ニューズレター Vol.91】

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成しております。

 

 

背景

広州南沙における広東省・香港・マカオ(グレーターベイエリア)重要な協力プラットフォームの建設を加速させ、「広東省・香港・マカオグレーターベイエリアの発展計画要綱」の戦略的配置を貫徹、実行するため、国務院は2022年6月14日に「世界に向けた広東省・香港・マカオ間全面協力の深化に関する広州南沙の総体方案」(以下「南沙方案」と略称する)を公布した。

 

 

影響

「南沙方案」は、昨年公布された横琴連携エリア(「横琴・広東省・マカオ深度連携エリア建設総体方案」)、前海合作区(「前海深セン・香港現代サービス業合作区の改革開放の全面進化に関する方案)の方案に続いて、国務院によるグレーターベイエリアに対する重要な戦略的配置となり、南沙の建設開発を推進するための指導的役割を担う文書である。その中では、南沙の建設開発をめぐって5つの任務が提示された。

 

 

 

主要内容

 

任務1:科学技術イノベーション産業協力基地を建設

当任務には、4つの方面が含まれている:広東省・香港・マカオ間の科学技術共同イノベーションの強化、重大な科学技術イノベーションプラットフォームの建設、ハイテック産業の育成・発展、国際ハイエンド人材集約の推進の4つがある。その中で、よりよく産業投資を誘致し、香港・澳門人材の集約を推進するために、「南沙方案」では、以下の税収優遇政策を打ち出した:

  • 南沙におけるハイテック重点業界の企業に税務上欠損の繰越可能年限をさらに延長する。
  • プロセスに従って奨励産業リストを制定し、先行エリア(現時点は、南沙湾、慶盛中枢、南沙中枢3つのエリアがある)における奨励類産業に属する企業は15%の企業所得税優遇税率(一般企業は25%)を適用できる。
  • 南沙で勤務する香港・マカオ住民に対して、個人所得税の香港・マカオの個人所得税負担額を上回る部分を免除する。

任務2:青年の起業・就業プラットフォームを構築

当任務では、青年のイノベーション・起業の協同推進、実習及び就業に対する保障レベルの向上、青少年の人文交流の強化という3つの方面から、香港・マカオ青年の南沙での学習、仕事、居留、生活、起業、就業などに利便を提供することが要求されている。

 

任務3:ハイレベル対外開放ポータルを目指し共同で構築

当任務には、中国企業の「走出去[1]」総合サービス基地の建設、国際航空物流ハブとしての機能強化、国際経済協力の強化、新しい国際交流のプラットフォームの構築という4つの方面が含まれている。

 

そして、任務では、広州、特に南沙の優位産業と市場基盤に依拠し、香港・マカオと連携して対外経済貿易協力を絶えず深化させ、機能の相互補完、転位発展の原則に基づき香港国際海運センターの役割と海事専門サービスの優位性を十分に発揮し、香港・マカオ商工会・協会が南沙に代表処を設立するよう誘導し、日本、韓国、ASEAN、RCEP、一帯一路に関与する諸国などの国との国際経済協力を強化するよう要求している。

 

任務4:規則・メカニズムの接続・結び付けの先進地の構築

この任務には、国際的な一流ビジネス環境の構築、金融市場の相互接続の秩序よく推進、公共サービスと社会管理の相互接続レベルの向上という3つの方面が含まれている。

 

その中、まずは、「放管服」改革を深化させ、市場化・法治化・国際化のビジネス環境を持続的に構築することを要求している。そして、条件に合致する香港・マカオの投資家が法に基づいて証券会社、先物会社、基金会社などのライセンスが必要な金融機関の設立を申請することを支持し、広東省・香港・マカオの3つの地域で社会保障の連携を強化し、南沙で勤務・生活をしている香港・澳門住民の市民としての待遇享受を推進し、香港・澳門住民の社会保障措置の国境を越えた可搬性を高めることを求めている。

 

任務5:質の高い都市開発のベンチマークとして確立

この任務には、都市計画・建設分野での協力強化、スマートシティ[2]建設の着実な推進、広東省・香港・マカオ間の教育分野での協力の着実な推進、香港・マカオ住民の医療・養老の利便性の提供、生態環境の共同建設・予防・整備の強化の5方面が含まれている。

 

「南沙計画」は、関連部門は主要政策の実施、主要プロジェクトの手配、制度メカニズムの革新において指導と支援を行い、広東省・香港・マカオグレーターベイエリア建設指導グループはそれに対して統一的な計画策定・調整を強化し、サービスを追跡し、実施監督を強化し、広東省政府は香港、マカオとコミュニケーション・調整を強化し、広州市政府は主な責任を果たし、各任務の実施を確実に推進するように要求している。

 

[1] 「走出去(=走出去戦略)」とは、中国の、対外開放政策における従来の外資導入(引進来)だけではなく、2000年ごろから対外投資に対しても積極的に推進されてきた、対外投資を促進するための国家戦略。

[2] 「スマートシティ」とは、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術や、人の流れや消費動向、土地や施設の利用状況といったビッグデータを活用し、エネルギーや交通、行政サービスなどのインフラ(社会基盤)を効率的に管理・運用する都市の概念。



【法規リンク】

・国務院「世界に向けた広東省・香港・マカオ間全面協力の深化に関する広州南沙の総体方案」

 

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