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【中国】外国人向けデジタル人民元アプリ「e-CNY」による支払い

  • 公開日 2024.04.26 | 中国

 

 

2024年3月18日、中国人民銀行は、外国人向けデジタル人民元[1]を利用したアプリ「e-CNY」での支払いガイドラインを発表いたしました。

 

これにより、中国でよく知られている電子決済アプリの「Alipay」と「WeChatPay」に加え、もう1つの決済方法が誕生したことになると思います。

 

今回は、そんなデジタル人民元のアプリ「e-CNY」の使い方及びその利便性について、ご紹介させていただきます。

 

 

[1] デジタル人民元(英語:e-CNY)とは、別名デジタル通貨電子決済(英語: Digital Currency Electronic Payment、略号:DC/EP)で、中国人民銀行が発行する中央銀行デジタル通貨。

 

 

 

一、アカウントの作成方法について

1.スマートフォンへ専用アプリをインストール

「App Store」や「Google play」などのアプリストアで、そのままアプリ名「e-CNY」で検索すると、デジタル人民元の専用アプリ「e-CNY」が表示されますので、それをダウンロードします。

 

 

 

 

2. 新規アカウントの作成およびデジタル人民元ウォレットの開設

ダウンロードが完了しましたら、デジタル人民元のアプリを開き、携帯番号を入力して、新規アカウントを作成します。

 

アカウントを作成できたら、画面に出てくる「Open/Add e-CNY Wallets」をクリックし、次の画面の「Software Wallets」のタブの中に表示されている運営機関の銀行の中から、デジタル人民元ウォレットを開設する銀行を選択します。

 

その後表記されるパスワードの設定等が完了すると、デジタル人民元ウォレットの開設完了です。

 

 

 

利便性ポイント:

(1)現在、このデジタル人民元アプリでのアカウント登録とウォレット開設は、210余りの国や地域の携帯電話番号をサポートしており、日本の携帯電話番号でも開設することができます。

 

(2)デジタル人民元ウォレットを開設する銀行に実際の銀行口座を持っていなくても、ウォレットの開設は可能です。

 

(3)ウォレットの開設には窓口での手続きは必要なく、上記の手続きのみで完了するため、パスポートなどの身分情報の提供や中国国内の銀行に口座を開設しておく必要もありません。ただし、身分認証していない状態の「匿名ウォレット」での支払いは、1回当たりの支払い額の上限が2000元(約4万円)、1日当たりの累計が5000元(約10万円)に制限されます。

 

 

 

二、アプリでの支払い方法

1.こちらからQRコードをスキャンするパターン

相手のQRコード(e-CNY専用コード)をスキャンして、金額及びパスワードを入力して支払います。

 

 

 

2.相手に自分のQRコードをスキャンしてもらうパターン

自分のアプリのQRコードを表示させ、相手にスキャンしてもらうことで支払います。(※支払い額が500元以下の場合はパスワード無しで直接支払と設定することも可能です。)

 

 

 

 

利便性ポイント:

デジタル人民元ウォレットを使用する際は、事前のチャージは必要なく、アプリに直接中国国外のクレジットカードとリンクして支払うことができます。現時点ではVisa、Mastercardのクレジットカードをサポートしており、さらに多くの国際カード発行機関がアクセスできるよう準備中です。

 

 

 

3.他の支払い方法について

デジタル人民元のアプリでの設定を完了後、下記の支払い方法も利用できます。

 

1. SIMカード支払い

スマートフォンをPOS機と接触することで支払いができます。(※この方法は、専門のSIMカードが必要となります。一部の機種は、電源がオフの場合でも支払いできます。)

 

 

 

2. 電子取引の支払い

DiDi(タクシー配車アプリ)、Meituan(デリバリーサービス提供などの生活総合アプリ)、Ctrip(ホテルの予約、列車のチケット手配に便利なアプリ)などで発生した電子取引に対し、デジタル人民元ウォレットを選択して支払うことが可能です。

 

 

 

 

 

最近AlipayやWeChatなどでも中国国外で発行されたクレジットカードと紐づけすることが出来るようになりましたが、今回のこのe-CNYは開設がとても簡単なため、日本にお住まいの方で突然の中国短期出張などで利用できるかもしれません。ただ、仕事などで既に中国で暮らしている方であれば、中国国内の銀行口座を持っている方がほとんどかと思いますので、今回のアプリはあまり必要ではないかもしれません。

 

 

今回は、中国での新たな電子決済に関するお知らせでしたが、弊社Aobaグループには経験豊富な弁護士、税理士などの専門家が多数在籍していますので、もしも中国滞在中に居留許可や就労関連の手続きや所得税の納付手続きだったりと、何かお困り事がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考リンク:

境外来华人士数字人民币支付指南

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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