深圳前海、グローバル研究開発拠点開発推進 特別政策で企業への最大支援額600万元【大湾区情報レター Vol.96】
- 公開日 2025.12.5 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
9月22日、深圳市前海管理局より
「条件を満たす研究開発センターは最高200万人民元の研究開発準備金を、多国籍企業のグローバル研究開発センターはさらに追加で合計最大600万人民元の支援を受けることができ、資金は3年間にわたり40%、30%、30%の割合で交付される」
という「深圳市前海深港現代サービス業協力区管理局による研究開発センター支援に関する若干の措置(試行)」(以下「措置」)が正式に発表されました。
これは、前海がフォーチュン・グローバル500や中国企業500クラスの企業の研究開発センターの集積地となることを支援するものとなります。
研究開発センター支援の「措置」とは
「措置」は、研究開発センターの発展における核心的なニーズに焦点を当て、資金支援に加え、空間やサービスを組み合わせた支援を提供します。
資金面では、前述の支援に加え、研究開発センターの前年度の要件を満たす直接投入費用、減価償却費および長期前払費用、無形資産償却費などに対し、総額の20%を上限に最高300万人民元の支援を受けることができます。
空間面では、多国籍企業のグローバル研究開発センターは2年間賃貸料免除、3年目は70%オフの賃貸料優遇を受けられ、企業の研究開発センターは1年間賃貸料免除、2年目は50%オフの賃貸料優遇を受けることができます。研究開発センターは一人当たり20平方メートルのオフィス空間を申請可能です。
税制とサービス保障面では、海外の高度人材および不足人材に対し、個人所得税負担額が15%を超える部分に対して補助金を支給し、当該補助金収入に対しては個人所得税を免除します。
前海協力区で働く香港居民については、個人所得税の香港での税負担を超える部分を免除します。条件を満たす研究開発センターについては、企業所得税を15%の軽減税率で課税します。
付帯のサービス面では、研究開発センターが国内外の大学、研究機関、産業チェーン上の関連組織等と連携し、イノベーション連合体を形成することを奨励します。
企業が「区内登録、国内外での経営」などの新たなビジネスモデルを模索し、前海でハイテク技術輸出を主とする海外展開事業を行う研究開発センターを展開し、「深圳・前海 海外展開eステーション」を活用し国際業務を拡大し、資金、人材、データなどの要素の越境における利便性を享受できるように支援します。
「措置」の支援対象とは
「措置」が支援対象とする「企業研究開発センター」と「多国籍企業グローバル研究開発センター」は、前海において実質的に研究開発および実験開発に従事し、深圳市における累積研究開発総投入が200万米ドル(または1,500万元人民元)以上、専任研究開発人員が20名以上であることなどの条件を満たす必要があり、そのうち「多国籍企業グローバル研究開発センター」にはさらに高い投資額と資格要件が設定されています。
「措置」発表後、各研究開発センターの関心を大きく集めています。前海で既に1年間運営を行っている中煤深圳研究院は、新素材、バイオ製造、デジタルエネルギーの3つの産業分野に注力しており、科学技術イノベーション部副主任である李暁氏は、前海がグローバルな競争力を持つ研究開発・革新プラットフォームを構築する見通しに対して非常に楽観的な見方を示し、現在、政策研究や台帳の整備を進め、積極的に申請準備を進めているところであると述べました。
前海にグローバルな研究開発・イノベーションプラットフォームの構築支援するための「措置」
「措置」は、広東省の「広東省外資系研究開発センター設立奨励金交付実施細則」発表後、深圳市で初めて導入された地域レベルの研究開発センター向けの特別支援政策であり、前海がグローバルな競争力を持つ研究開発・イノベーションプラットフォームを構築することを支援します。
現在、2025年度の申請受付を開始しており、常時申請を受け付けています。企業は前海企業サービス一体化プラットフォームにログインし、オンラインで書類を提出でき、審査通過後、5営業日間の公示を経て資金が交付されます。
【参考資料】
深圳前海发布专项政策打造全球研发集聚高地 企业最高可获600万元支持
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
.
本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
免責事項:
- 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
- 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
- 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
-
本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。
-
文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。