香港永久居民カード外国人保有者が中国本土で90日滞在できる「港澳居民来往内地通行証(回郷証)」の申請、取得方法
いわば中国本土へ渡航するためのパスポート兼ビザ、といった役割を果たしている、「港澳居民来往内地通行証(Mainland Travel Permit for Hong Kong and Macau Residents)」が、一昨年(2024年)7月10日より我々外国籍の永久居民IDカード保持者も申請が可能となりました。
【関連記事】7月10日から香港・マカオの永住権を持つ外国人が中国本土への通行証(回郷証)の申請が可能に!(2024年記事)
昨年の発表間もなくは、ちょうどコロナ後のビザなし渡航が一部国、地域に対して認められていない時期であったためか、一時的に申請が殺到し、なかなか予約がとれない状態でしたが、1年ちょっと経って落ち着いてきたようでしたので、申請にチャレンジしてみました。
今回の記事は、申請から取得までの実際の体験談をシェアさせていただきたいと思います。皆様の参考になれば幸いです。
Contents
「回郷証 = 港澳居民来往内地通行証」とは?
「回郷証」の正式名称は、「港澳居民来往内地通行証(非中国籍)」(英文名称:Mainland Travel Permit for Hong Kong and Macao Permanent Residents (Non-Chinese Citizens), 通称MTP card)といい、、俗称として「回郷証」、「回郷卡(カード)」、「Home Return Permit」などと呼ばれています。
従来は中国籍(中国、香港、マカオで出生)の香港居民(居留権所有者)に対して発行され、冒頭の通り中国本土へ渡航するためのパスポート兼ビザ、といった機能を持ったカードのことです。
少し昔まで(1979年~)はパスポートと同様の冊子形式でしたが、1999年からは順次カード形式に切り替えられ有効期間は成人の場合10年となっています。
香港の永久居民のIDカードを持っているというと、
「三粒星!(さーむらっぷせん=IDカードに「***」の表示がある)回郷証が申請できるね!」
などと言われたものですが、実は日本人を含む中国に「故郷」のない外国籍の永久居民IDカード保持者には、この「***」はなく、回郷証の申請はできませんでした。
ところが、昨年(2024年)7月10日より「***」のない我々外国籍の永久居民IDカード保持者でも、回郷証の申請が可能となったというわけなのです。
有効期限と中国本土の滞在期間
この外国籍の永久居民IDカード保持者が申請できる「回郷証」の有効期限は、(中国籍)香港人の「回郷証」の半分となる5年で、そして中国本土の1回の滞在期間は90日までに限定されています。
申請日予約と申込書の電子記入
香港内6ヶ所に中国旅行社(CTS)運営の申請センター(香港中旅證件服務有限公司)があり、28日前から予約が可能となっています。現在回郷証の申請はすべてインターネットでの事前予約が必要となっており、飛び込みでの申請はできません。
予約の状況は、申請ページの「籌號查詢(Quota Enquiry)」で事前に確認できますが、特に香港島(上環)は常にいっぱいになっているようで、急ぎの場合には他のセンターを当たってみる必要がありそうです。
そして予約をする際に、Web上で申請書を記入します。
その内容は、申請者本人の身分証、パスポート、ビザ情報の他、職業、勤務先及び住所、香港での緊急連絡先(個人)氏名、住所、電話、生年月日、国籍、申請者との関係、身分証番号が必要となります。他に中国国内の連絡先を記入する欄がありますが、必須ではないようです。
※当申請書は、申請当日に、窓口で印刷されたものに署名をすることになります。(以下、【申請センターでの正式申請】を参照。)
上記申請書記入後、最後に申請センターと予約日時の選択が可能となります。日曜日及び公共の祝日は休みのため、私は土曜日に狙いを定め、予約申請した日から4週間後の土曜日の朝に予約を取ることができました。
事前準備
事前に準備しておく必要のある書類リストは以下の通りです。
- <索取資料申請 / Application for Access to General Information>通知書(発行日より6ヶ月有効)
- 証明写真1枚(半年以内に撮影のもの)と「レシート」
- 香港永久居民IDカード
- パスポート(期限が6ヶ月以上あるもの)
- 申請費用:260香港ドル
①<索取資料申請 >通知書(発行日より6ヶ月有効)の取得について
香港政府のホームページから香港移民局へ国籍、永久居民ステータス情報を含む「<索取資料申請/ Application for Access to General Information>通知書」を発行してもらうよう申請します。
申請フォームは電子申請となり、必要記入情報は、姓名、香港ID番号、住所、電話、Eメールアドレスで、費用についは無料となります。
申請後、問題がなければ数日内にEメールにて通知があり、通知書がPDFダウンロードできるようになります。(1年前は1週間~10日で居住住所に郵送されていましたが、いつからかPDFダウンロードに変更された模様)
そして、このPDFの通知書をA4用紙へ事前にプリントアウトしておきましょう。
②証明写真1枚(半年以内に撮影のもの)と「レシート」の注意事項
サイズ、背景、「耳を必ず出す」など、細かい規定があり、写真店で撮影する場合、必ず「回郷証」用の写真、と明確に依頼する必要があります。
規格に合った写真であることを証明するレシート(中国語で「合格検測回執」)が写真と一緒に渡され、それを写真と一緒に申請時に提出する必要があることにご注意を。
市内の写真店であらかじめ撮影しておけば安心。(申請日当日に申請センター内の撮影機でも撮影可能でその方が安価だが、使用できる現金紙幣が限られており不便)
その他注意事項:
①索取資料申請 通知書、③香港永久居民IDカード、④パスポートについては、事前にコピーも用意しておく必要があることにご注意。複数枚に及ぶものはA4両面印刷、過去に中国ビザを取得して有効なパスポートにビザがある場合は、ビザページのコピーも必要となります。
申請センターでの正式申請
予約した申請センター香港中旅證件服務港島中心
14/F Low Block, Grand Millennium Plaza, 181 Queen’s Road Central, HK
本人確認や指紋採取等があるため、必ず申請者本人が出向く必要があります。
まずセンターに指定時間までに到着後、機械で整理番号を取ります。回郷証の申請が初めての場合には、香港IDカードを使う機械で整理番号の紙を取ります。
座って待っていると、番号が順番に呼ばれていきます。
10分ほど経つと番号が呼ばれ(画面パネルにも表示される)、指定の番号の受付窓口に行って、各書類の原本及びコピーなど一式を提出しチェックしてもらいます。何と香港IDカードのコピーを取ることを失念しており、その場で取ってもらい3ドル徴収されました(泣)。
窓口の左側から出ているカメラから顔写真(顔情報?)及び指紋採取機で指紋を採取され、申請内容の確認、申請書へのパスポート上と同じ署名の後、HKD260の申請費用(とコピー代3ドル、、、)を徴収され手続きは完了。
コピー書類と写真のみが回収され、原本はすべて返されました。
尚、現時点で有効な中国のビザ(Mビザ)を持っていたため、回郷証取得後、ビザは無効となる旨の説明を受けました。
また審査の過程で追加の要求事項やその他連絡事項がある場合には、Eメール宛連絡がある旨の説明も受けました。手続きにかかる期間は稼働日で20日とのことだったので、1ヶ月ちょっと先の1月上旬の日付が記載された受付兼引換証を渡されました。
ここまでで約30分で手続き終了。朝早めの時間だったからか、あまり待たずに比較的スムーズに終わることができたかと思います。
1月9日以降にカードを引換えることができると記載された受付兼引換証
回郷証(カード)取得
回郷証カードは、引換証に記載の日付以降、営業時間内での受け取りが可能で、予約は特に必要ありません。申請から受け取り可能日の間において、メール連絡もなかったため、引換証と香港IDカードを持参し申請センターに向かいました。
引換証に記載の指示通り、「非中国籍」カードの発券機(銀行のATMのような。。。)で発券手続きをしようとしたところ、そのまま発券できず、総合案内所にビザの取消手続きをしてもらうように言われました。
そのため、「中国のMビザの取消の手続きをしてほしい」と告げると、その場で手続きをしてもらえました。(ここでパスポートやビザを見せる必要はなく、システム上で手続きが行われました)
気を取り直して、再度発券機へ。
引換証の左上についているバーコードを読み取り、所定の場所に香港IDカードをおくと、あーら不思議!差込口のようなところからカードが飛び出てきました。
写真や記載内容に間違いないことを自分で確認して、問題なければこれで完了。
中国本土入出国の自動ゲートのアクティベート
回郷証(カード)を利用して自動ゲートを使用し中国を出入りするには、もうひとつ手間が必要です。
ボーダーに設置されている自動ゲート登録機にて登録(指紋登録)する必要があるため、まず初めて使用して中国に入る際には、有人のカウンターを通らねばなりません。初めての入境後、もしくは香港に戻る際に、指紋登録を行えば、晴れて自動ゲートで香港人の皆さんと一緒に出入境ができるようになります。
渡航目的に関する注意事項
この外国人用の「回郷証」は、香港人の方たちと異なり、投資、親族・友人訪問、観光、ビジネス、セミナー、交流目的であれば問題ありませんが、留学、就業の際には適用されず、その際には目的にあったビザを申請する必要があります。
従い、中国の就業ビザ/留学ビザとこの「回郷証」の両方を所持することはできない点にもご留意ください。
また、パスポート番号、連絡先、緊急連絡先などの登録情報が変わった場合、30日以内に届けをする必要がある点にも注意が必要です。
「大湾区発展計画」等に伴い、中国-香港間のヒト・モノ・カネの流れは大きく変わってきています。中国本土と香港は「一国二制度」のもと法制は全く異なっていながらも、市民の利便性を高める様々な施策を打ち出しています。
弊社では、中国本土-香港をまたいで事業に日々従事される皆様の、法務、税務、ビザ、会計などを含む各種サービスを提供しております。各国、地域の法令遵守も強化されてきておりますので、これらにおいてご不安がある場合には、ぜひ弊社へお問い合わせ下さい。
参考リンク先:
- 港澳居民来往内地通行证(非中国籍)Application for Mainland Travel Permit for Hong Kong and Macau Permanent Residents (Non-Chinese Citizens)
- Application for Access to Information of Immigration Department under the Code on Access to Information
本記事の目的:
本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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