NEWS

ニュース

第12回コミックエキスポが東莞で開幕、大湾区の文化産業の代表に成長【大湾区情報レター Vol.26】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

 11月18日、「第12回中国国際映画・テレビ・アニメーション著作権保護貿易博覧会」(以下、コミックエキスポ)が広東省現代国際展覧センターで開幕しました。 今年のコミックエキスポは、「新時代・新アニメーション」をテーマに、知的財産(IP)イノベーションを重視することによる広東省の産業アップグレードの後押しをし、また、ハイブリッド形式でのイベント開催により、中国内外から1,000以上の著名なアニメーションIP関係者がこの東莞の「若者の街」に集結しました。

 

国内外の著名IP業者が出展

 

 第12回コミックエキスポの会場に入ると、まず目に飛び込んでくるのが「100周年記念アニメ100選」の漫画展です。 「1921年を起点に、歴史を振り返り、未来を見据える意味で、中国共産党創立100周年以降の代表的な漫画100点を選びました。」 と本展のキュレーターであり、広州美術学院の准教授である葉正華氏が紹介しました。 その中でも「中国抗疫図鑑」が注目を集めた作品で 、「この作品はスマホを横にして見て、全長10メートルもある作品です。今回はその一部分だけが展示されています。」葉氏は、インターネット上で延べ10億回もアクセスがあった「中国抗疫図鑑」を紹介し、「この作品は、芸術はテクノロジーとぴったりと結びつくべきであることを証明しています。」 と述べています。

 

 今年のコミックエキスポのオフライン展示会の総面積は20,800平方メートルで、3つの公開テーマゾーンと7つの専門ゾーン、3つの専門フォーラム、10の産業別マッチングイベントが企画され、中国のアニメ・コミック産業の新コンテンツ、新製品、新モデル、新技術がまとめて展示されています。

 

 会場には、深圳のFantawild Animation(華強方得)、広州の Alpha(奥飛)などの主要なアニメーション企業や「ポケットモンスター」「ガーフィールド」「鉄腕アトム」などの国際的に有名なIPも展示会に参加しました。

 

 また特筆すべきは、東莞が「若者の街」であり、若者指数が中国で5位であることです。 今年のコミックエキスポは、若者の年齢特性、関心や興味のポイントをつかみ、特別に「イノベーションの時代、テクノロジーが色を添える」というアニメーションとアミューズメントのインタラクティブ展示エリア、「クリエイティブ・アニメーション、トレンディ・アート」というアニメーションの展示エリアを配置し、中国内、特に東莞市の優れたローカルのコンテンツや付随するデザイナーズトイブランドが紹介されました。

 

 

アニメーションIPが伝統的な企業の転換を助ける

 

 中国玩具協会によると、東莞は輸出、製造の大きなマーケットであり、世界のアニメーション派生商品の80%が中国で生産、そしてそのうち3分の1以上が東莞で生産されています。

 

 コミックエキスポをきっかけに、東莞市は、著作権保護の意識を高め、「IP+産業」の統合を促進し、製造業の転換とアップグレードを支援する道筋に沿って、コンテンツ制作と派生商品の品質開発を多角度的に進めています。

 

 展示コーナーでは、「ポケットモンスター」「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」「マーベル」など、大ヒット商品のブラインドボックスがずらりと並んでいました。広東狼博旺実業有限公司(以下、「狼博旺」)は、世界の代表的なIPイメージに合わせた今時の若者が好む流行の最先端の商品を生み出し、若い消費者に人気を博しています。 2010年の設立以来、初めてコミックエキスポに参加した同社の畢錦銘董事長は、設立当初は主に海外ブランドからの発注に依存しており、生産の自主性が弱かったと振り返っています。 2019年以降、狼博旺は中国と日本の多くのトップ版権者との緊密な協力のもと、派生商品を多く開発するようになりました。 「現在、当社は生産・供給・販売の一貫モデルを形成しており、派生商品の開発・販売によって生み出される売上は全体の60~70%にも達しています」と畢董事長は述べています。

 

 

注目のローカルブランド

 

 東莞市東城区の「八仙九猫」スタジオも、オリジナルのデザイナーズトイを出展しました。「八仙九猫」は、中国古代の神話や伝説をベースにしたIPを擁するスタジオです。 「私たちがデザインしたイラストやフィギュアは東莞で生産・販売します。また、多くのブランドとのコラボ商品を作り、「国潮*」系のデザインブランドの協力発展を進めていきます。」スタジオの責任者韋経暁氏は述べました。

*中国の伝統的要素を取り入れたファッション、デザイン

 

 東莞市には、完全な玩具製造チェーンが確立されており、現在、流行のブランド企業が続々と集まってきています。 これらのブランドがこの古くからの製造拠点に新たな命を吹き込んでいる一方、豊富な製造経験を活かして玩具デザイナーに新たなインスピレーションを与えています。

 コミックエキスポは2009年12月に東莞市で初めて開催されて以来、11年間にわたり開催されており、中国内外のアニメーション業界の4,000社以上の優れた企業を集め、IPライセンス取引額は200億人民元以上に達し、大湾区の文化産業の代表、そして非常に影響力のある著作権取引専門プラットフォームに成長しました。

 

 

【参考資料】

・第12回コミックエキスポが東莞で開幕、大湾区の文化産業の代表に成長

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

..

.

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら