2021年2月19日発行 【ニューズレター Vol.83】
外商投資産業奨励リスト(2020年版)の公布(他4本)

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日頃は格別のご高配にあずかり厚く御礼申し上げます。

香港・中国は旧正月休みが明け、通常営業を開始させていただいております。寒さだけではなくコロナ禍の厳しい状況が続いておりますので、どうぞご自愛くだい。

さて、青葉ビジネスコンサルティングが独自で作成しておりますニューズレターをお届けさせていただきます。

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成しております。

もしよろしければ、ご一読いただけますと幸いです。

 

外商投資産業奨励リスト(2020年版)の公布

【背景】

国家発展改革委員会、商務部は2020年12月28日に「外商投資産業奨励リスト(2020年版)」(以下「2020年版奨励リスト」という)を公開し、2020年版奨励リストは2021年1月27日から施行され、「外商投資産業奨励リスト(2019年版)」は同時に廃止される。

 

【影響】

「外商投資産業奨励リスト」は中国外商投資促進政策の重要な構成部分であり、外国投資家、外資企業が優遇政策を享受する主要な根拠の1つになる。2020年版はリストに基づく実施を奨励しており、外資企業がより多くの分野に投資できるだけでなく、より多くの優遇政策を享受できるようになる。これは外資企業により多くの発展機会をもたらすことを意味する。外資企業は、奨励と優遇政策を十分に活用できるように、自社の業務が奨励産業に属するかどうか、また政策の実施にも継続的に関心を寄せる必要がある。

 

【主要内容】

2020年版における奨励総項目数は1,235件で、2019年版より127件増加し、そのうち対象範囲が全国のものは65件増加、中西部地域対象のものは62件増加、全体の増加率は10%を超えた。また88件に対して改正を行ったが、主に従来の項目のカバー範囲を拡張する形となっている。

 

 

分野

追加・修正内容

サプライチェーンの強化

AI、集積回路などのハイエンド製造分野

集積回路パッケージ及びテスト設備の製造、レーザー投影装置、超高画素テレビ、呼吸器、ECMO、AI補助医療設備などの項目

新材料分野

高純電子級フッ化水素、フッ化水素、特殊ガラス繊維、偏光フィルム、拡散膜、フォトマスク、ポリビニルアミン、高性能繊維などの項目

環境保護分野

船舶汚染物質ポートの受け入れ処理施設の建設及び設備製造、ポート危険化学品、オイル応急施設建設及び設備製造などの項目

外資現代サービス業

研究開発設計分野

第5世代移動通信技術の研究開発、ブロックチェーン技術の開発、汚水処理施設の設計などの項目を追加または修正する。

ビジネスサービス分野

ハイエンド装備の修理、デジタル化生産ラインの改造と集積、工業サービスネットワークプラットフォームなどの項目を追加する。

現代物流分野

大口商品の輸出入分配センター、コミュニティチェーン配送などの項目を追加または修正する。

情報サービス分野

オンライン教育、オンライン医療、オンライン事務などの項目が追加される。

中西部地区の優勢産業

黒竜江、雲南などの省

農産物加工、観光開発などの項目を新たに追加する。

河南、陝西、広西などの省

医療器械、防疫防護用品、原料薬の生産などの項目を新たに追加する。

湖北、四川、重慶などの省

半導体材料、工業陶磁器などの項目を新たに追加する。

安徽、陝西などの省

職業学院の項目を新たに追加する。

海南

商業貿易、航運、金融、旅行などの関連項目を追加し、海南自由貿易港の建設をサポートする。

 

【法規リンク】

「外商投資産業奨励リスト(2020年版)」(中華人民共和国国家発展改革委員会 中華人民共和国商務部第38号令)

 

 

「外国投資安全審査弁法」解読

 

【背景】

2020年12月19日に国家発展改革委、商務部は「外商投資安全審査弁法」 (以下「安審弁方」と略称する) を発布し、発布日から30日後に施行される。

 

【影響】

今後、外国投資企業が重要な、エネルギー・資源、設備製造、文化製品・サービス、IT・インターネット製品、サービスなどの領域に投資し、且つ投資した企業の実際支配権を取得するには、安全審査を経る必要となり、外国投資企業の投資行為の審査にある程度の影響が予想される。

 

【主要内容】

一、外商投資安全審査機構の設立

外商投資安全審査業務体制を構築し、そのオフィスは、国家発展改革委員会に設置される。外商投資安全審査の申告は、国家発展改革委員会政務サービスホールで受付を行う。

二、外商投資安全審査範囲の明確化

以下の範囲内の外国投資企業の投資活動に対して安全審査を行う。

  • 軍事工事、軍事工事付随品などの国防安全にかかわる分野、及び軍事施設と軍事施設周辺地域への投資。
  • 国家安全に関わる重要な農産物、エネルギーと資源、設備製造、インフラ、輸送サービス、文化製品・サービス、IT・インターネット製品・そのサービス、金融サービス、テクノロジー及びその他の重要分野への投資で、且つ投資企業の実際支配権を取得する場合。

三、外商投資安全審査申告メカニズムの策定

外国投資者又は国内関連当事者は、投資を実施する前に審査範囲に属する投資を自主的に申告しなければならない。

四、外商投資安全審査プロセスと期限

安全審査は3段階に分けられる。第1段階は予備審査であり、申告要求に応じた材料を受け取った日から15営業日以内に安全審査を開始するか否かを決定する。第2段階は一般審査で、審査開始日から30営業日以内に審査通過の決定を行う。或いは、プロセスに従って、次の段階の審査に進む。第3段階は60営業日以内に完了する特別審査であり、一般審査を通過しなかった項目のみ特別審査に入る。

五、外商投資安全審査決定の執行

安全審査を通過したものは、投資を実施することができる。条件を課されて安全審査を通過したものは、その附加条件に従って投資を実施しなければならない。 投資禁止決定が為された場合、投資は実施してはならない。

 

【法規リンク】

「外国投資安全審査弁法」2020年第37号令

 

 

 

2020年版の市場参入におけるネガティブリストの正式公布

 

【背景】

2018年12月全国統一の市場参入におけるネガティブリストが正式に公布されて以来、市場参入段階におけるネガティブリスト管理モデルを全国範囲で確立化し、リストに記載されていない業界、分野、業務などの市場主体が法により平等に参入できるようになり、「非禁即入」[1]を実現したと言える。近日、国家発展改革委員会、商務部が共同で改訂した「市場参入ネガティブリスト(2020年版)」は、2020年12月16日から正式に施行される。

 

【影響】

「市場参入ネガティブリスト(2020年版)」の改訂は、参入制限をさらに緩和し、平等な参入の実現に助力し、有効市場[2]と政府のより良い関係を促進し、効率よく、また規範的で、競争公平な国内統一市場の形成を加速し、全社会市場主体への期待とその行動が積極的な誘導作用を引き起こし、企業エネルギーをより一層刺激する。また、政府の行動もより規範化され、有効市場と政府の関係性はよりよくなると思われる。

 

【主要内容】

「市場参入におけるネガティブリスト(2020年版)」には合計で123項の事項が組み入れられている。「市場参入ネガティブリスト(2019年版)」と比較すると、主に以下の改訂を行っている。

 

改訂種類

内容

緩和

· 「森林資源資産評価プロジェクトの承認」

· 「鉱業権評価機関の資質認定」

· 「炭素排出権取引審査機関の資格認定」

以上3項の緩和

削除

「放管服」[3] の改革進展により、

·   「輸出入商品検査鑑定業務の検査許可」

·   「通関企業の登録登記許可」

  •  「資産評価機関が証券サービスに従事することに関わる業務資格の審査」、

·   「証券会社の取締役、監事、高級管理職の就職資格審査」

などの管理措置14項の削除

縮小

行政審査認可制度の改革要求に基づき、20条の措置管理範囲の縮小

規範化

7条の届出類措置管理措置の規範化

暫定的

組入れ

5条を新規暫定組み入れ

修正

72条の措置表現の修正

新規追加

·    「国務院の金融持株会社の参入管理の実施に関する決定」に基づき、「金融持株会社の設立に関する管理措置」を新規追加。

·    新規追加項目として、「許可または資格を得ていない場合、規模超過の土地経営権を転用してはならない」という事項を追加。

·    個別にリストの位置づけに関する条件に適合し、且つ合法的で、有効な措置については追加する。

また、上記以外にも、参入許可事項の定義を補完する。例えば、自然保護の体制改革の進展と産業構造調整制度における目次の改訂状況に合わせ、該当条項の説明と修正をリストに加える。

 

【法規リンク】

市場参入におけるネガティブリスト(2020年版)

[1]   「非禁即入」とは、法律、行政法規で禁止されていない全ての企業または個人経営の業界とプロジェクトの経営は許可される。

[2] 有効市場とは、資産の現有市場価格で関連、利用可能な情報の全てを十分に反映できる資本市場を指す。

[3] 「放管服」とは、政府機構を簡潔にし、権利を開放する、管理結合を開放し、サービスを改善することの略称。「放」は政府機構、権利の開放、門戸を下げることを意味する。「管」は新しい監督管理を作り上げ、公平な競争を促進する。「服」は高効率なサービスによって、便利な環境を作り出すことを指す。

 

 

粤港澳大湾区における関連増値税政策の実施に関する通知

 

【背景】

粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、下記「大湾区」と呼ぶ)建設支援のために、財政部、税関総署及び税務総局が、2020年10月23日、合同で「大湾区における関連増値税政策の実施に関する通知」を発表した。主要内容としては、大湾区における海上運輸に対する保険業務、輸出業務の発展を奨励するものである。

 

【影響】

当政策の実施は、広州市の保険企業が輸出入企業及び海上運輸企業に、国際海上運輸保険業務を提供及び改善の奨励に助力するものである。また、輸出企業にとってはさらなる税収優遇を提供するものでもあり、政策条件に合致した企業により迅速かつ簡易な税金還付申請方法を提供するものとなる。同時に、政策を適用する港区の発展を加速・完備させるものとなる。

 

【主要内容】

  • 増値税免税

2020年10月1日~2023年12月31日までの期間において、広州市に登記のある保険企業が、南沙自由貿易区に登記のある企業へ国際海上運輸保険業務を提供することによって得た収入に対して、増値税を免除する。

  • 出荷港税還付政策

2020年10月1日から、条件に合致した輸出企業が、出荷港(以下「集荷港」という)から出荷、通関、輸出した場合、条件に合致する運輸企業が輸送を引き受け、水路を使って直接広州南沙保税港区、深セン前海保税港区(以下「出発港」)へ運び、そこから出国したコンテナ貨物に対し、集荷港税還付政策を実施する。

 

政策を適用できる主体

政策適用条件

輸出企業

輸出税還付(免除)分類管理類別の一類、二類に属し、

且つ

税関の信用レベルが「一般信用企業」もしくは「認証企業」の輸出企業

運輸企業

輸送企業の税関信用レベルが「一般信用企業」もしくは「認証企業」であり、

且つ

納税信用レベルが「B」以上の海運企業

運輸ツール

ナビゲーション位置測定、全過程動画監視コントロール設備を装備し、

且つ

税関が輸送を引き受ける税関に対して運送ツールを監督できる条件を満たす船舶

出荷港

広州

滘心港、旧港、烏沖港、嘉利港、集司港、東江口港、新沙港

深セン

塩田港、大鏟湾港

 

【法規リンク】

財政部 税関総署 税務総局による粤港澳大湾区における関連増値税政策の実施に関する通知

 

 

集積回路産業とソフトウェア産業の企業所得税優遇政策 

 

【背景】

集積回路産業とソフトウェア産業の発展を促進するために、集積回路企業の税収減免政策をさらに細分化し、明確にする。財政部、国家税務総局、国家発展改革委員会、工業・IT部は共同で「集積回路産業とソフトウェア産業の発展を促進する企業所得税政策に関する公告」を発表し、遡って2020年1月1日から実行されることになる。

 

【影響】

減税・費用削減は、産業の発展方式を転換させ、企業の主体的な活力を引き出す重要な手段と言える。企業所得税の減免は、中国集積回路企業自身の能力を高め、企業の生産経営コストを低減することで、企業の自主的創造イノベーションの積極性を高め、国の産業のグレードアップと発展を促進することに重要な意義を持つ。

 

【主要内容】

一、国が奨励する集積電気路線の条件と優遇内容

条件

優遇内容

幅28nm(ナノメートル)以下、且つ経営期間が15年以上の集積回路生産企業またはプロジェクト

初年度から10年目まで企業所得税が免除

幅65 nm以下、且つ経営期間が15年以上のの集積回路生産企業またはプロジェクト

初年度から5年目まで企業所得税が免除。6年目から10年目までは企業所得税が半減

幅130 nm以下、且つ経営期間が10年以上のの集積回路生産企業またはプロジェクト

初年度から2年目までは企業所得税が免除。3年目から5年目までは企業所得税が半減

 

二、国が奨励する幅130nm以下の集積回路生産企業は、国が奨励する集積回路生産企業リスト年度前の5ヶ納税年度に発生した未完の損失を補填し、以後の年度に繰越し、最長の繰越し年限は総じて10年まで許可される。

 

三、国が奨励する集積回路の設計・設備・材料・パッケージ・検査企業とソフトウェア企業は、利益年度初年度から2年目までは企業所得税が免除され、3年目から5年目までは企業所得税が半減される。

 

四、国が奨励する重点集積回路設計企業とソフトウェア企業は、利益年度初年度から5年目まで企業所得税が免除され、以後年度は10%の税率で企業所得税が徴収される。

 

【法規リンク】

集積回路産業とソフトウェア産業の企業所得税優遇政策

 

 

一部納税者の個人所得税の源泉徴収事前納税方法の更なる簡便化に関する公告

 

【背景】

新税制の実施からすでに一納税周期が終わり、納税者も新税制実施後の年収における納税データを所持していると言える。安定した仕事があり、且つ年収6万元以下の対象者に対し、本来の税制改正によるメリットを享受した上で、その個人所得税の源泉徴収、事前納付方法を改善し、納税者の税務手続負担を更に軽くする。

 

【影響】

「中華人民共和国個人所得税法」及びその実施条例の関連規定に則り、納税者の源泉徴収、事前納付の段階的税収負担及び財政収入の安定性を総合考慮した上で、「公告」を公布した。これも、就業を安定、就業の保護、消費の促進、新たな発展構造の構築に助力する。

 

【主要内容】

一部納税者の個人所得税源泉徴収、事前納付の簡便化に係る事項を以下の通り、公告する。

 

一、前納税年度内に毎月同じ勤務先で源泉徴収、給与所得の個人所得税を事前納税し、且つ通年給与、賃金収入が6万元を超えない個人の住民に対して、源泉徴収義務者は事前控除で本年度賃金、給与所得の個人所得税を事前納付する場合、累計控除費用は1月から直接通年分の6万元で計算して控除する。つまり、納税者の累計収入が6万元を超えない月には、個人所得税の事前納付は暫定的に保留される。その累計収入が6万元を超える当月及び年内後続月において個人所得税を事前納付する。

  

源泉徴収義務者は規定に従って全員の全額源泉徴収申告を行い、且つ「個人所得税控除申告表」の該当納税者の備考欄に「前年度の各月において申告を行い、且つ通年の収入は6万元を超えていない」と明記しなければならない。

 

二、累計予定徴収法に従い、労務報酬所得に係る個人所得税を源泉徴収、事前納付する個人の住民に対し、徴収義務者は、前述の規定に基づき、執行する。

 

本公告は、2021年1月1日から施行となっている。

 

【法規リンク】

一部納税者の個人所得税の源泉徴収事前納税方法の更なる簡便化に関する公告

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免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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