2020年12月28日発行 【大湾区情報レター Vol.1】
大湾区とは・日系企業の大湾区活用における方向性

香港でのみならず、最近では日本のニュースや新聞でもよく耳にするようになった「大湾区」とは、一体どこにあり、そして今、何が起こっているのでしょうか?今回から始まる当コラムにて、日系企業の皆様に有用な大湾区最新情報をお届けできればと思います。

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【大湾区(グレーターベイエリア)とは】

 中華人民共和国国務院によって制定された、香港(港)・マカオ(澳)・広東省(粤)珠江デルタの9都市(広州、深圳、東莞、恵州、仏山、江門、中山、珠海、肇慶を含む)を統合したグレーターベイエリアを目指す地域発展計画。この9都市2特区を擁する大湾区は全中国面積の1%に満たないながらも、GDP(国民総生産)は全国の10%をも占めるエリアで、中国で最も強い経済力を持つ地域の1つです。  

 ビジネスだけではなく、生活、旅行にも適した国際的な一流のベイエリアになることを目指しています。

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【日系企業の大湾区活用における方向性】

中国における大湾区の位置づけと最新政策を併せて、日系企業の優位性を発揮できる可能性から考慮すると、下記3つの方向性が浮かび上がります。

①  スマートシティ「群」関連事業

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 「スマートシティ」とは、各種のイノベーションモデルと科学技術を利用して資源配分と運用の効率化(都市の交通渋滞緩和等)、都市管理とサービスの最適化(都市計画、インフラ等)、市民生活の質の改善(医療衛生、公園等)を行う都市を指します。スマートシティ化においては、ハイテクノロジーを広範囲において採用し、Eコマース、環境保護、新エネルギー、イノベーション交通及び道路使用モデル、経済、ビッグデータ、ブロックチェーンなどもそれに含まれます。

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 スマートシティは、世界中の多くの国ですでに発展のきざしがみえてはいますが、はっきりとした構想や事例が未だ多くはないのが実情です。またスマートシティ「群」となると更に事例が少なくなります。中国では理想的なスマートシティの模索・発展に力を入れており、そのなかでも大湾区の各都市は比較的発達しているため、スマートシティ化に対するニーズはより大きく、まさに発展のチャンスと言えます。

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 また、政府は、企業のイノベーションを奨励し、支援するために、製品開発に資金支援、ローン利息及び研究開発費用の税務控除などの一連の財政補助政策を打ち出しています。「広東省新型研究開発機構」として認定された場合、各企業が享受できる資金援助額は最高で1,000万元に達します。「ハイテク企業」と認定された場合、各都市において20~30万元のサポート政策、補助金があります。日系企業も大湾区内各政府の補助金やサポート政策を活用し、スマートシティに関する業界の発展に重点を置くことも可能です。

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② 富裕層高齢者向けサービス関連事業

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 中国の人口高齢化がますます深刻になることを考慮すると、大湾区も同様な問題に直面することが予測できます。一方で、大湾区内における生活コストが比較的低い都市は、他の大湾区都市住民のリタイアメント後の移住、老後生活居住地を誘致することができ、中国全国にも目を向ければ、富裕層の高齢者の長期的或いは季節的な居住を誘致することもできます。大湾区内の肇慶、中山、珠海などの居住環境は非常に理想的で生活コストも比較的低いため、富裕層向けサービス業界の発展に適していると考えられます。 

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 また、日系企業も日本での高齢者向けサービス管理ノウハウを生かし、大湾区の異なる地域の特徴とニーズに合わせ、オーダーメイド型の高齢者向けサービス機関の設立を検討し、大湾区市場を共同開発することも可能です。

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③  医療、ヘルスケア関連事業

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 大湾区は全国の医薬産業の重要区域であり、ここ数年来急速に発展してきています。地域内の産業集積における優位性は明らかで、川上・川下の産業チェーンが完備されています。特に漢方薬、化学薬品とバイオ医薬品の研究開発、生産と流通の分野で独自の優位性を備えています。広東省は漢方薬の重要な産地であり、全国最大の漢方薬マーケットでもあります。

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 また香港は世界一流の医薬研究開発レベルと高水準の病院と医者チームを擁していることから、大湾区企業はこの優位性を最大限に活用して、例えば、研究開発センターを香港に設置し、さらなる資金を投入し、大湾区の漢方薬資源をもとに、独自の知的財産権のある薬品、バイオ医薬品を研究開発するなどの活用方法が考えられます。同時に、医療医薬業界も高齢者介護サービス、観光業と共に総合的な発展を遂げる可能性にも期待できます。

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 【参考資料】

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*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
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