2021年8月31日発行:深圳前海の対外貿易、上半期の輸出入額が前年同期比57.4%増に【大湾区情報レター Vol.19】

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深圳前海の対外貿易、上半期の輸出入額が前年同期比57.4%増に  

 

 中国税関の統計によると、2021年上半期における広東自由貿易区前海蛇口地区港での輸出入額は、前年同期比57.4%増の7,235億人民元に達し、近年急成長を続けています。

 

越境ECの発展のための新たなポジションを築く

 新型コロナによる「巣ごもり需要」が加熱し、輸出入量が増え続ける中、越境ECは対外貿易の新しい風となっています。 昨年5月、深圳税関傘下の蛇口税関は、政治、建設、文化、社会、並びにエコロジーの建設の一体化を目標とした「五位一体」モデルを試験的に導入し、同じ倉庫で複数のビジネスを運営することができるメリットを最大限に活かして、中国免税グループ(中免集団)がコロナ禍によってボーダーの免税店が閉店となったため、オンラインビジネスと越境EC輸入ビジネスを展開し、コロナ禍という不利な状況においてビジネスを積極的に対応するための後押しをしました。

 この「五位一体」モデルは企業から好評を得たことから、より多くの企業が政策の恩恵を受けられるよう、蛇口税関は全国の数十の免税店に対しこのモデルを踏襲するよう同グループを積極的に指導しました。業界トップ企業に牽引され、他の企業を誘致し、産業クラスタの競争力の拡大へと繋がりました。 今年4月には、同じく免税店運営大手の深圳免税品グループ(深圳国有免税商品(集団) )が正式に前海総合保税区に進出し、ここを拠点にグローバルな調達・集荷を行います。

 

 また、蛇口税関は、同地区における越境EC事業のアップグレードを継続的に推進しており、越境EC事業の全面的な上陸、中国・欧州間EC特別列車の運行、免税品保管のための配送センターの構築など、越境ECの「購入-展示-販売-返品」の全てのステップの発展を実現しました。 様々な電子商取引がワンストップで完結することで、相互補完的なメリットが得られ、ビジネスの選択がより柔軟的になります。Tmall Global(天猫国際)、Shopee(蝦皮)、AUKEY(傲基)などの業界リーダーを園区に誘致することに成功し、商流に関与する何千もの電子商取引、物流、貨物輸送などの企業の着実な発展を促しています。 統計上、今年の上半期には、園区の越境EC取引関連管理カテゴリー(1210、9610、9710等)における輸出入貨物の数値は、前年同期比161.3%の成長となりました。

ハイエンド産業クラスタの発展の加速化

 

 蛇口税関はシステム統合を出発点として、園区内の5G通信大手企業の資本増強と生産拡大、品質と効率の向上をサポートし、スケールメリットにより産業クラスタの競争力を拡大し、ZTE(中興)やシャオミ(小米)などの業界をリードする企業を前海に集めることに成功し、前海ICT(情報通信技術)材料サプライチェーンセンターがここに誕生しました。

 

 ICT材料の通関の過程で、価格帯が低く、数量が多いネジなどの小さな補助材料においては、手作業によるカウント数と税関申告数量との差が発生した場合、企業の信用へ影響を与える可能性があり、また、一部が真空パックされたチップの中には、開封検査に適していないものがあるため、解決策について企業は税関へ助けを求めていました。 蛇口税関は積極的にサービスを提供し、ICT資材の13項目の通関問題を解決するために「ワンパッケージ」政策を導入し、企業に「東西の港湾エリアの統合」、「園区に入ってからの通関」、「ディストリビューション&コレクション(運送は別々でも申告はまとめて行う)」及び「クロスボーダーの高速通関モデル」などの政策を運用するよう積極的に促しました。同時に、カスタマイズされた税還付サービスを提供し、「ビジネスファースト、資料不足は後付けでも可能」という柔軟な処理方法を採用し、企業の資金還元の効率を高めています。

 

 ファーウェイ(華為)傘下でその後独立したスマートフォン製造、荣耀終端(Honor Device Co., Ltd. )は、昨年12月前海総合保税区に進出し、主に集積回路などのICTデバイスの輸出入事業を行っています。 事業開始以来、急速に事業を拡大しており、前海総合保税区の同社の輸入金額は、今年上半期において60億人民元を超えています。

 

港湾における特徴的ビジネスを強化

 

 前海総合保税区には保税業務と非保税業務が共存しており、倉庫の商品はそのステータスに応じて分類、監督されているため、倉庫の資源を効率的に活用でき、食料品貨物の共同管理を容易に実現することができます。 蛇口港は中国最大の食料品輸入港の一つであり、食料品取引に適した条件を備えています。 蛇口税関は、地域と港の連携の特性を生かし、「食料品倉庫」「食料品港」双方の利点を結びつけ、前海総合保税区のグローバルセントラル倉庫を「需要に応じてカスタマイズできる」セントラル倉庫にアップグレードすることを継続的に推進しています。

 

 深圳企業の龍洋興(Shenzhen Dragon Ocean Hing Logistics Ltd.)は、この政策の恩恵を享受した最初の食料品物流企業です。 昨年12月に園区に入居し、保税食料品倉庫業務を開始、蛇口税関の協力を得て、7ヶ月余りの間に「倉庫でマーケットを調整し、輸入で倉庫を充実させる」という商品の輸入移転保管の一連の仕組みを構築しました。園区内にある同社の2万平方メートルの「保税食料品倉庫」には、総重量6万2千トン以上の輸入保税米を保管しており、食料品の販売、仕入のローテーションにより、常に新しい商品を保管しています。

 

【参考資料】

・【深圳前海の対外貿易、上半期の輸出入額が前年同期比57.4%増に】

 

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*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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