2021年6月22日発行【大湾区情報レター Vol.14】より
【恵州市政府、実体経済の発展促進に向け「製造業10か条」を公布 】   

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

【恵州市政府、実体経済の発展促進に向け「製造業10か条」を公布 】   

 2021年5月、恵州市政府は「恵州市における製造業の発展促進のための措置」(以下「製造業10か条」)を公布しました。「 製造業10か条」には、10分野における39項目の政策が盛り込まれており、製造業企業の規模拡大、製造プロジェクトの実施におけるインフラ安全保障、工業園区の建設、産業チェーンの強化および補完、技術革新、デジタルトランスフォーメーション、グリーン開発、国内外マーケットの拡大、人材の確保、サービスの最適化の10分野において政府からのサポートが提供されることになります。

製造業のアップグレードを支援

 現地の代表的な企業としては、スマートフォンのEMSで知られている深圳A株上場の香港系企業、光弘科技(DBG)が挙げられます。同社の他にも新興企業や中小企業が進出しており、2020年「広東省“専精特新”中小企業リスト*」には133社の恵州市の製造業企業が含まれており、その企業数は深圳市に次いで広東省で2位となっています。

 *“専精特新”中小企業リスト: 専精特新は発展戦略の専一化、製造管理の精巧化、製品サービスの特色化、技術の革新化を意味し、これらの実行・強化により、競争力を高め、長期的発展を実現することを目的として政府から選出された中小企業のリストを指す。

 「 製造業十か条」では製造企業のアップグレードを3つのパターンに分けて奨励しています。一つ目は、製造企業の量と質の向上のために、付加価値成長率、付加価値率と総生産額を一定の基準値へと押し上げるもので、 二つ目は、ハイテク技術の導入などを行うことで認定される「新アップグレード」を達成したとみなされる企業への支援を提供するものになります。これらの企業に対して下記に記載している奨励金が支給されます。三つ目は、在恵州の企業体を支店から独立法人への転換の奨励、支援となります。

 「製造業十か条」に基づき、恵州市は、工業付加価値の年間成長率が20%以上、付加価値率がその年の同業種の平均値を超えており、創業からの工業総生産額が初めて10億人民元、50億人民元、100億人民元に達した製造業の企業に対し、それぞれ100万人民元、200万人民元、300万人民元の奨励金を支給します。 また、初めて「新アップグレード」を達成した企業に対し20万人民元の奨励金を支給し、年間生産額が1億人民元以上で、翌年の工業付加価値がプラス成長した「新アップグレード」企業には更に10万人民元を追加で支給します。

 

3+7」で高レベルの工業園区を構築

 昨年5月「恵州市工業園区品質改善及び効率化行動計画」(以下「本計画」)が発表されました。 本計画では、恵州市工業園区を産業転換、アップグレード、およびイノベーション開発のための先駆的なエリアとし、「2+1」*の近代的な産業クラスタの構築へ支援提供をするために、製造業イノベーション、グリーン開発、ビジネスサービスのための施設を設けるとされてます。

 恵東県の恵州新材料産業園では、中国トップレベルの新材料産業基地、大湾区における新材料科学技術革新基地になることを目指しており、また、恵陽区の恵陽(象嶺)智能科学技術園では、「産・市・村・人の融合」をコンセプトに、多くの都市機能を充実させることにより、生活、生産、エコロジーが調和し、1,000億人民元レベルを投資するスマートシティを目指しています。 「1,000億人民元の園区、1兆人民元の産業」を目標とし、恵州市は「3+7」**工業園区の構築を進めています。

*「2+1」:石油化学エネルギー 新素材・電子情報・生命健康産業を指す。

**「3+7」:恵州市内の3つの国家レベル工業園区及び各7県(区)における1,000億人民元レベルを投資する工業園区を指す。  

 また、「製造業十か条」では、土地利用計画の70%以上を工業プロジェクトに割り当て、優秀な製造業企業の資本増強、生産拡大を支援し、各管轄区ごとに土地需要を優先的に解決し、解決できない際には、恵州市が解決することを提案しています。 同時に、10億人民元以上投資の工業プロジェクト及び、「3+7」工業園区のインフラプロジェクトについては、市内の国有企業から砂や石、コンクリートなどの資材を購入する際に、すべて当日のマーケット価格から5%割引の優遇価格が適用されます。

 

産業及びサプライ・チェーンの安定性の向上

 5月、小米(シャオミ)のサプライチェーン協力マッチングイベントが恵州にて行われ、伯恩光学 (BIEL Crystal)、徳賽電池(Desay Battery)、碩貝徳(Speed Wireless Technology)、比亜迪(BYD)、光弘科技(DBG)、龍旗電子、華顯光電、三華工業(SANHUA)、高盛達、奥士康精密(ASKPCB)など150社以上の企業から180人が参加しました。当イベントは恵州市で開催される4回目のビジネス協力交流会であり、2020年以降、恵州では、華為(ファーウェイ)、TCL電子、海康威視(HIKVISION)、小米(シャオミ)の4つの中国トップ企業がビジネスマッチングイベントを開催しており、中小企業がトップ企業のサプライチェーンに参画する多くの機会を生み出しています。

 産業チェーン及びサプライチェーンの近代化は、新たな経済システムを構築し、競争力を高めるための重要な手段となっています。「製造業十か条」では、産業プロジェクトの誘致と既存産業の強化により、産業・サプライチェーンの安定性と競争力の向上を図っています。 恵州市は、「恵州市大企業による中小企業の共同発展促進措置」を実施し、産業・サプライチェーンのオンライン・オフラインのマッチングプラットフォームを構築し、恵州市の企業が大手企業のサプライシステムに参加することを支援し、産業・サプライチェーンの安定性を高めるよう進めています。

 また、製造業企業のイノベーションを促進するために、「製造業十か条」では、基準を満たす製造業重点実験室には100万人民元の支援経費を支給し、また同じく基準を満たす新しい研究開発機関には100万人民元の奨励金を一度のみ支給することを定めています。

 

製造業の 「デジタル・インテリジェンス化」の推進

 恵州市では、より多くの製造企業がスマート製造への転換に目を向けるようになっています。工業生産のスマート化、デジタル化の実現を加速させるため、恵州市は各企業の生産効率の改善やエネルギー消費削減を促すべく、「製造業十か条」にて製造業のインターネット、ビッグデータ並びにAIの活用や年間の総合エネルギー消費量の減少に対する奨励金制度を改善し、受給条件の幅を従来より広げることを定めました。

 上記以外にも、「製造業十か条」では、国内外市場の拡大、産業人材の開発環境の最適化、および企業サービスの最適化において企業を支援するための一連の支援政策も策定されています。

 

【参考資料】

恵州市政府、実体経済の発展促進に向け「製造業10か条」を公布

 

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*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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