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「老いて養われる」から「老いて楽しむ」へ~広州のシルバー経済、新ステージへ【大湾区情報レター Vol.96】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

第九回中国(広州)国際高齢者健康産業博覧会(以下「広州老博会」)のスマートロボット展示ブースで、女性が介護用付き添いロボットに「広東語は話せますか?」と尋ねると、ロボットは即座に返答しただけでなく、彼女の息子の声まねまで披露しました。女性は「本物みたい!」と驚きの声をあげました。

 

 

 

広州老博会のテーマは「シルバーエコノミー:新分野、新科技、新消費」

8月22日に開幕した広州老博会のテーマは「シルバーエコノミー:新分野、新科技、新消費」でした。展示面積は50,000平方メートルに及び、国内外から331社が出展し、スマート介護、リハビリ補助器具、高齢者向け住宅リノベーションなど7つの主要分野をカバーしていました。

 

2017年に初開催以来、広州老博会は、単なる介護用品展示会から、スマート介護、リハビリ医療、健康管理など多様な分野を網羅する総合博覧会へと発展しました。

 

 

高齢者のニーズが「老いて養われる」から「老いて楽しむ」へ

近年は「週末は両親と広州老博会」といった活動を強化したことで、業界向け(BtoB)から一般消費者向け(BtoC)へと移行し、高齢者のニーズが「老いて養われる」から「老いて楽しむ」への進化をまさに映し出す場となっています。

 

「今年は子供に車椅子を押されて来場する高齢者の方々が大変多く、彼らは、真の体験者、消費者になっています」

 

と、ある出展者は語りました。

 

広州昂宝電子有限公司のブースでは「スマート付き添いロボット」が多くの来場者の注目を集めていました。

 

同社康養事業部の高蕾総経理は、この製品は広東語や武漢語などの方言認識に対応しているほか、子供の声のクローン再生機能や、高齢者大学の講座、娯楽コンテンツを搭載しており、高齢者の「サイバー家族」としての役割が期待できると説明しました。

 

 

 

広州は「スマート介護」エコシステムの構築を加速させている

広州市民政局の関係者は、

 

広州は「スマート介護」エコシステムの構築を加速しており、現在までに約500世帯の特別な支援が必要な高齢者世帯にAI介護支援センサーを設置し、24時間体制の安全モニタリングを実現している、

 

と述べました。

 

 

広州の製造業とサービス業における強みはシルバー経済を強力に支えています。

製造業は35の工業分野をカバーし、6つの一千億人民元規模の産業クラスタを形成しています。また、サービス業の付加価値額はGDPの73.66%にを占め、医療衛生分野の実力も全国をリードしています。政策のパイロット事業である長期介護保険制度も「介護+健康」などの新たなビジネスモデルの発展を推進しています。

 

 

広東老林康養家具有限公司のブースでは、簡単に移動でき、自動固定される高齢者向け椅子が注目を集めていました。

張浩富董事長は「高齢者対応は、単なる手すりの取り付けだけではない」と強調し、安全性、機能性、環境配慮など六つの基本理念に基づいて設計されていることを説明しました。また同氏は、現在市販されている多くのスマート製品は操作が複雑すぎると指摘し、高齢者にはシンプルで信頼性の高い設計が何よりも重要だと述べました。

 

 

広州越秀康養産業投資控股有限公司は、地場国有企業として、8年半で21のプロジェクト、延べ8,000床のベッドを整備してきました。

張博総経理は、「都市部における介護」モデルにこだわり、海外の介護技術を導入するとともに、一人ひとりに寄り添った個別サービスを重視していると説明しています。

 

 

徳倫口腔のブースでは、ロボット支援による歯科インプラント治療や4D顔面スキャンなどの技術が多くの高齢者の関心を集め、相談が相次ぎました。

黄維通董事長は、「一括調達の導入後、インプラント治療の価格はより手頃な水準となり、技術とサービスの質はむしろ向上を続けています」と述べています。

 

 

 

広州市には現在、シルバーエコノミー関連企業が18,000社以上

現在、広州市では、介護施設のベッドの82.7%、及びすべての在宅福祉サービス複合施設及び高齢者食堂が民間組織によって運営されています。

 

統計によると、2021年以降、広州老博会における意向契約金額は累計で約17億3,000万人民元に達しており、また今年4月から開始された高齢者向け住宅リノベーションキャンペーンの売上高は約3億5,600万人民元となりました。

 

さらに、広州市には現在、シルバーエコノミー関連企業が18,000社以上あり、産業規模は3,000億元を突破しています。「9073」モデル(在宅90%、地域7%、介護施設3%による高齢者ケア)が、業界による新たなライフスタイル構築を推し進めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

从“老有所养”到“老有颐养”——广州银发经济驶入新赛道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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