NEWS

ニュース

広州で開幕した2026年越境EC交易会!1,000社超が出展、越境ECの新たなチャンスつかむ【大湾区情報レター Vol.105】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

2026年6月16日、中国の広州市にて「中国(広東)-RCEP加盟国越境EC交流イベント」及び「中国(広州)越境EC交易会」の開幕式が開催されました。

 

今年の中国(広州)越境EC交易会(以下、越境EC交易会)は、「対外貿易の新たな原動力・デジタルの新たな未来」をテーマに、50社超の越境ECプラットフォーム企業、全国約40の産業クラスタ、200社超の越境ECサービス事業者、および1,000社超のサプライチェーン企業が一同に広州・琶洲へ集結し、延べ5万平方メートル超に及ぶ会場で越境EC産業チェーン全体を網羅する一大展示会が3日間にわたり繰り広げられました。

 

期間中には30回超のフォーラムイベント、ライブ配信、バイヤー向けビジネスマッチング会などが開催され、企業に対し最前線の実践的ノウハウや知識アップデートの機会を提供し、企業の海外展開能力を総合的に向上させることを目指しています。

 

関係者によりますと、広東省の越境EC輸出入規模は、2015年には113億人民元だったのが、2025年には6,230億人民元まで拡大し、この10年間で55倍、年平均成長率49.3%という伸びを示しています。また、全国に占める割合は3分の1を超え、その規模は引き続き全国首位を誇っています。

 

 

10以上の新興市場プラットフォームが初めて集結

今回の展示会には、Amazon、Temu、SHEIN、TikTok Shopといった大手プラットフォームが軒並み出展したほか、Hainago、Wayfairなど10以上の新興市場プラットフォームも初めて一堂に会し、その事業範囲を合わせると、欧米、東南アジア、ラテンアメリカなどの地域にまで及ぶ世界のプラットフォームリソースが集結したことになります。

 

 

 

大きな注目を集めた「中東拠点の出店者募集」の看板

初出展となるTrendyolプラットフォームは、トルコ、中東、北アフリカ地域をカバーしており、今回の越境EC交易会では「中東拠点の出店者募集」という看板を掲げ、大きな注目を集めています。これに関連し、亦邦(深圳)国際物流有限公司の王哲輝ビジネスディレクターは次のように述べています。

 

最近、中東向けの物流が回復傾向にあることに注目しています。ホルムズ海峡での航行が妨げられた時期もありましたが、海運会社はフジャイラ港などの港で積み替えを行い、迂回ルートを通じて高価値貨物の輸送を確保することができました。物流の所要時間とコストは大幅に上昇しましたが、中東は依然として中国製製品のサプライチェーンに大きく依存しています。

 

 

 

AIを活用した企業の生産・物流・商流の”エンパワー”プロセスも話題に

AIエンパワーメントは、今回の越境EC交易会におけるホットな話題となっており、多くの業界関係者が、このテクノロジーが越境ECにもたらす変革に期待を寄せています。

 

アリババのAliExpress(速売通)ブランド海外展開マーケティング担当者の楊逸氏は、次のように述べています。

 

AIは、今後10年間において越境EC業界の主要なテーマの一つになる可能性があります。越境ECは高い運営コストや人件費に直面しており、海外人材の確保も中国企業にとって大きな課題となっています。しかし、AIとプラットフォームの活用により、ECの各運営段階におけるコストを大幅に削減することが可能となっています。

 

かつて、トップレベルの越境EC企業でも、多くても7~8か国の主要市場しか運営できませんでした。しかし、AIを活用して従来の業務プロセスを体系化することで、より多くの国に迅速に展開し、コスト削減を実現しています。

 

 

このような業界のAI応用に対する高い関心を受け、今回の越境EC交易会では6月17日に「AIデー」が設けられ、AIツールの活用、スマートな商品選定、デジタル運営などのテーマに関するセッションが行われ、海外進出企業に実践的な参考となる情報が提供されました。

 

商務省次長の姚林氏は、広東省の越境ECの発展の展望について次のように述べています。

 

広東省は、対外貿易、外資、アウトソーシング、対外経済、海外人材の『五外連動』を強化し、世界各国、特にRCEP加盟国との越境EC協力を積極的に拡大し、高水準の対外開放を着実に推進し、良好な成果を上げています。広東省は、越境ECの発展をより一層強力に支援し、世界の越境EC企業にさらなる発展の機会をもたらします。

 

 

 

「越境EC+産業ベルト」が 対外貿易の新たな原動力を強化

現在、広東省は貿易・製造・イノベーションの規模が大きな省としての優位性を最大限に発揮し「越境EC+産業ベルト」モデルの発展を加速させています。品質の向上、ブランドの強化、産業チェーンの拡充に引き続き注力し、売上1兆元規模の輸出産業クラスタをより多く育成するとともに、広く知られ評価される「粤字号(広東ブランド)」をより多く創出し、越境ECの発展のためのより強固な産業基盤を提供していきます。

 

 

各地の得意分野を集結させる「連盟館」形式

今回の越境EC交易会の大きな特徴の一つは、全国20以上の省(自治区・直轄市)が各地の特色ある産業クラスタを「連盟館」形式で一堂に集結させたことです。例えば、潮州であれば衛生陶器、中山であれば照明器具、陽江であれば金物・刃物類など、各地の強みを持つ産業が1つのパビリオン(地名館)として団結し出展しました。

 

広東貝科智能厨衛有限公司のマーケティングディレクターである陳洽冲氏は、潮州産業クラスタの出展企業代表として、次のように感慨深げに語りました。

 

今年で2回目の出展になります。潮州館での出展は、地元政府による地元企業への支援を象徴しており、この展示会を通じて多くの優良顧客と接点を持つことができました。越境EC交易会を訪れる顧客は、非常にターゲットが明確です。

 

 

中山市の特産品でもある衛生陶器製品の海外展開における競争力については、同氏は次のように述べています。

 

現在、市場には製品があふれています。海外市場を開拓するには、まず品質が確かでなければならず、同時にサービスも充実させる必要があります。当社は輸出に必要な認証をすべて備えており、自社独自開発による差別化された製品にこだわり、クロスボーダーのパートナー企業により多くの選択肢を提供しています。

 

 

 

海外市場における新たな突破口となった交易会のマッチング

越境EC交易会が構築したマッチングの架け橋を活用し、多くの製造元も海外市場における新たな突破口を積極的に模索しています。

 

珠海征途打印耗材有限公司もその一社で、2020年より越境EC事業に本格的に進出しました。同社の営業マネージャーである方玉婵氏は次のように説明しています。

 

現在、当社のクロスボーダー事業は米国を中心としていながらも、同時に欧州市場も徐々に開拓しており、年間売上高は約8,000万人民元にも達しています。当社は製造元として、この展示会を通じてより多くのバイヤーと接触したいと考えています。また、会場で開催される高品質フォーラムにも参加し、新たな海外展開のチャンスを発掘したいと考えています。

 

 

 

現在、越境EC業界は従来の低価格競争モデルから脱却し、必然的にブランド化、コンプライアンス対応、スマート化へと転換しようという流れになっています。

 

今回の越境EC交易会は、プラットフォーム、産業クラスタ、サービス事業者、実体企業を結びつけることにより、生産と販売を円滑にマッチングさせるとともに、業界のアップグレードを導く役割を担いました。各地の産業クラスタが持続的に力を発揮し、AI技術が本格的に浸透していくにつれ、中国の越境ECは新たな成長の原動力を持ち続け、世界の貿易という舞台においてより質の高い発展を遂げていくに違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
  4. 本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。

  5. 文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら