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香港で厳格化するKYC(Know Your Client)手続き。企業に求められる顧客確認とは

 

以前に比べ、香港の銀行やあらゆる機関から求められる、企業やその株主の法人・個人に関する資料の提出や確認事項が厳しくなったと感じている企業様も多いのではないでしょうか。

 

これは、企業や個人の本人確認手続き「Know Your Client(以下、KYC)」が年々強化されているという背景が、その一因をになっているからです。

 

4年ほど前にも弊社ホームページでKYCの重要性についてご紹介いたしましたが、このところさらに「以前は提出不要だった資料を求められた」 「業務契約時に提出したはずなのに、なぜまた資料が必要なのか」 「会社情報は変わっていないのに確認依頼が来た」といったお話しやご相談をいただきます。そこで今回は、改めてKYCの手続きについてお話ししたいと思います。

 

 

 

KYCのおさらい

KYCとは、「Know Your Client」の略称で、顧客情報を確認するための手続きを指します。

 

香港では銀行をはじめ、会計事務所、監査法人、会社秘書役サービス会社などにおいても広く実施されており、マネーロンダリング防止やテロ資金供与対策の観点から重要なコンプライアンス手続きの一つとなっています。

 

企業の場合、株主・取締役情報、株主構成、実質的支配者に関する情報のほか、パスポートや住所証明書類などの提出を求められます。また、企業の業種や取引内容などによっては、提出資料に基づく補足資料や追加情報を求められるケースもあります。

 

 

 

なぜ要求が厳しくなっているのか

以前は、パスポートや会社登記書類など、基本的な資料の提出によって手続きが完了するケースが多く見られました。しかし近年では、銀行をはじめとする金融機関が顧客管理をより重視するようになり、企業の事業内容や取引実態、実質的支配者に関する情報について、さらに詳細な確認が行われるケースが増えています。

 

その背景には、世界的なコンプライアンス強化の流れに加え、監督機関から金融機関や専門サービス事業者に求められる顧客管理の水準が高まっていることが挙げられます。

 

企業側からすると負担に感じられる部分もあるかと思いますが、このような背景において金融機関や専門サービス事業者にとっては保有している顧客情報が最新かつ正確であることを確認する義務があります。

 

またそのため、業務提供開始時だけでなく、既存顧客に対しても定期的なレビューが行われており、数年前に提出した資料についても、その有効期限が切れてしまっている場合など、改めて更新した資料の提出を求められることも珍しくありません。

 

 

 

どのような確認が行われるのか

KYCにおける確認事項は、依頼元となる金融機関や専門サービス事業者によって異なりますが、一般的には以下のような事項について確認が行われます。

 

  • 株主および取締役情報(身分証や住所証明など含む)
  • 株主構成
  • 実質的支配者情報
  • 会社設立証明書
  • 定款など

 

特に株主構成の変更、取締役変更、事業内容の変更などがあった場合には、追加や補足資料を求められることがあります。

 

また、要求された資料のうち、特に本人確認書類や住所証明書類については、単なるコピーではなく、Certified True Copy(通称CTC:原本証明)の提出を求められるケースも多くあります。依頼元によって要件は異なりますが、もしも香港での原本証明手続きが求められている場合は、会計士や弁護士等の有資格者が各書類、資料原本を確認したうえで、原本証明を発行することが一般的です。

 

ただし、原本証明書類提出後に、金融機関や専門サービス事業者において原本証明書発行者の資格の有効性の確認が行われる場合もあります。そのため、KYCや原本証明に関する要件が特に厳しい案件については、事前に発行者の資格や登録状況等を確認しておくことをお勧めいたします。

 

 

なお、ここ最近、最初に要求された資料の提出が難しい場合、その代替資料を提出するよう依頼されますが、その代替資料の数が多いケースが増加しています。またそのため資料の提出までに時間を要したために一時的に銀行口座が凍結されてしまった事例や、専門サービス事業者から役務提供が難しいと判断された事例も発生しているため、場合によっては早急な対応が求められることに注意が必要です。

 

 

 

おわりに

KYCは以前から存在する手続きですが、近年は求められる情報や資料の範囲が広がり、企業側の負担も大きくなっている印象です。特に、これまでは要求されなかった情報や、提出が難しい資料をどのように準備すべきか、どのように説明すべきか判断に迷われることも少なくないかと思います。

 

KYC手続きがスムーズに進まないことにより、思わぬところでオペレーションに影響が出てします可能性もゼロではございません。弊社でも、KYC手続きのサポート、原本証明発行などを提供しておりますため、ご不安な点がある場合は、弊社へお気軽に弊社へお問い合わせいただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考リンク先:

Anti-Money Laundering and Counter-Financing of Terrorism

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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