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人材の流出が進む香港における各種ビザの紹介

ここ数年での香港の情勢やコロナ規制を受けて、直近2年間で14万人ほどの労働人口が海外移住をするなど、香港の人材流出への注目が高まっています。なお、その内、約60%が管理職経験や専門資格を有する高度人材であると言われています。

 

企業からも香港は人材の誘致、確保に向けて、より積極的に動くべきだという声が多く挙がっており、香港政府は今後給与所得が一定金額を超える高収入人材や、世界ランキングトップ100に入る大学を卒業した外国人のビザ申請条件の緩和や、中国本土の専門人材の雇用をより簡便化する方針を発表しました。

 

その様な背景の中、改めて香港で活動を行うためのビザの紹介をさせて頂きます。

 

 

就労ビザ (Employment Visa)

就労ビザは香港会社の従業員として働く個人のためのビザとなり、香港での駐在が決まった方や現地採用者 (永久居民権などを有していない場合)の多くが申請するものとなります。

 

就労ビザではスポンサーとなる雇用先の会社と申請者の両者が審査対象となり、香港政府が発表している一般就業政策に記載されている、審査を優位に進めることが出来る主な条件を以下に記載します。

 

  • 大学卒業以上、または優れた技術資格、専門能力、関連する経験や実績がある
  • 勤務先で過去の経験を活かすことが出来る
  • 香港ローカル人材では代わりが見つかりにくい仕事である
  • 報酬 (給与、ボーナス、福利厚生など)が専門職の水準に達している

 

 

 

投資ビザ (Investment Visa)

投資ビザは香港会社の株主として香港で事業を行うためのビザとなります。

就労ビザの項目にて記載している学歴、職歴およびその他の資格などに加えて、会社の事業内容、事業計画、投資額なども審査の対象になります。一般的に、投資ビザの方が就労ビザに比べて審査が厳しく、また申請に関わる所要期間も長くなる傾向にあります。

 

また、申請者がスポンサー会社の株主になっている場合は、就労ビザとして申請をしていても、投資ビザの対象とみなされ、就労ビザの申請が否認される可能性があります。

 

 

 

短期就労ビザ (Short-term Employment Visa)

短期就労ビザは展示会や講演など短期間に行われるイベントにおいて、一定以上のビジネスを行う場合に推奨されるビザとなります。香港政府の発表では以下に記載されている活動のみを行う場合は事前申請の必要がない訪問者ビザ (Visitor Visa)での入境で問題がないとされています。

 

  • 契約の締結、入札への参加
  • 商品および設備の設置ならびに梱包に関わる検査や監督
  • 展示会や見本市への参加 (一般大衆への商品販売やサービス提供、ブース設置作業を除く)
  • 賠償履行およびその他民事訴訟の手続
  • 商品説明会への参加
  • 短期のセミナーやビジネス会議への出席

 

一方で、ここに記載がされていない活動や、講演会に登壇する、新規事業の立ち上げを行うなどの活動を行った場合は就労ビザもしくは短期就労ビザが必要となるため、事前に弊社のような専門事務所へご相談されることが推奨されます。

 

 

 

扶養ビザ (Dependent Visa)

扶養ビザは香港で働いている方や、永久居民権を有している方がスポンサーとなり、その配偶者、未成年の子供、60歳以上の両親が申請することが出来るビザとなります。香港では扶養ビザ保有者への制限は少なく、 会社の従業員として働くことが出来、株主や役員としての活動を行うことも可能です。また、勤務先はスポンサーと同じ会社である必要もありません。

 

 

 

研修ビザ (Training Visa)

研修ビザは香港会社のもとで、香港でしか得ることの出来ない技術や知識を習得するための研修を目的としたビザとなります。研修という点での条件を満たしていれば、就労ビザと異なり、経験が浅い人材でも取得をすることは可能ですが、他のビザと比べてスポンサーとなる香港会社への審査が厳しく、また就労が疑われる場合などは申請が否認されます。

 

また、研修ビザはその他のビザと異なり、延長の申請が出来ません(最長で12月有効)。研修終了後に就労ビザなどのビザに変更をする場合は、ビザの切り替えではなく、新規申請となるため、最初から就労ビザの申請をされるケースも少なくありません。

 

 

 

 

ビザ申請の注意点

香港における各種ビザの申請は他国・地域と比べ、比較的容易であり、また冒頭に記載した通り、今後香港政府は人材の誘致、確保を目的にビザ申請条件の緩和を推し進める可能性があります。

一方で、申請をした際に何らかの理由で取得に失敗をしてしまうと、再申請の際の審査がより厳しくなるため、一度の申請でビザの取得をすることが重要となります。

 

また、適切なビザを取得せずに香港内で活動を行うと、罰金や禁固刑に処せられる可能性があります。こういったケースは過去に日系企業の間でも発生しております。

 

 

 

弊社では今までに数多くのビザ申請サポートを提供してきた経験と実績がございます。ビザに関するお悩みや申請のご依頼などございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
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