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第2回世界航商フォーラム、第12回アジア物流海運及び空輸会議 香港で開催【大湾区情報レター Vol.49】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


  

  

 

 

 

 第2回世界航商フォーラム(World Maritime Merchants Forum)が11月15日から16日にかけて香港で開催され、「Together For A Brighter Future」(共に明るい未来を)をテーマに、世界のゲストと業界のエリートが新しい世界の海運エコシステムを構築する方法についてオンラインとオフラインで議論を行いました。

 

 香港には堅実な海運の伝統があり、港湾、海運、海事サービス産業は常に香港の貿易と物流産業の発展を支えてきました。香港の港湾は、世界で最も交通量の多いコンテナ港の一つであり、アジア太平洋地域の重要なハブ港となっています。

 

 「香港は活気に満ち溢れた海事クラスタを擁しています。」香港特区政府の交通・物流局長官である林世雄氏は、サブフォーラムで、香港には900社近くの海事関連企業があり、船舶所有、船舶代理店・管理、船舶仲介など、質の高い海事サービスを幅広く提供していると述べました。

 

 「国家第14次5ヵ年計画」と「粤港澳大湾区計画綱要」(大湾区発展計画)は、香港の国際海運センターとしての地位を明確に支持しています。現在までに、海運業は香港の対外商品貿易量の90%近くを担っており、貿易と物流は香港のGDPの5分の1を占めています。

 

  世界経済の回復の弱さなど複数の要因が重なり、プロセスの透明性や輸送の定時性などにおける、業界の問題点が次々と露呈し、新しい海運業界のエコシステムの創出が業界共通の関心事となっています。

 

 招商局集団有限公司の董事長である繆建民氏は、今後の発展において、科学技術の進歩とコンセプトのアップグレードが海運発展の新しいモデルを再構築する、と述べています。デジタル化、ネットワーク化、インテリジェント技術の包括的な応用と、エコロジーシェア、グリーン低炭素開発コンセプトの加速的推進は、海運の発展モデルを根本的に変えることとなります。

 

 シンガポール・パシフィック・インターナショナル・ラインズ・グループCEOである張松声氏は、未来の海運は船会社やターミナルだけでなく、デジタル化やサプライチェーンなど、多方面における統合と発展が必要であり、これには香港の地理的、産業的、人材的な優位性が重要な役割を果たすであろう、と述べました。

 

 近年、香港では、海運サービス産業の振興と企業誘致のため、より活気のある海運サービス・クラスタを構築するための一連の施策が実施されています。「今年、香港では船舶代理店、船舶管理会社、船舶仲介会社に対する企業所得税の優遇措置がさらに強化されることになりました。」と林世雄氏は述べました。

 

 また、香港特別行政区政府と香港貿易発展局(HKTDC)共催の「アジア物流海運及び空輸会議」が11月22日香港で開幕し、世界各国からの参加者がオンライン・オフラインの方法で参加し、業界の最新動向を話し合ったり、共にビジネスチャンスを探りました。

 

 会議では、香港政府財務長官ポール・チャン氏は、香港の海運や航空輸送の分野において多くの利点があり、良い成績を収めており、コロナ前、香港の航空ネットワークは世界に200以上の目的地に及んでおり、そのうち約50が中国本土であり、香港からアジアの主要都市はすべて4時間以内のフライトによる到着が可能でとなっていました。香港国際空港の第三滑走路の完成により、旅客・貨物輸送能力が大幅に向上し、国際航空ハブとしての香港の競争力・地位が高まってきていると述べました。

 

 データによると、香港の港は、世界で最も繁忙であるコンテナ港のトップ10の1つとなっています。2021年、香港の港において約1,800万TEUのコンテナが取り扱われました。現在、香港の港は週約270便の国際コンテナライナーサービスを提供ており、香港港と世界の約600の目的地を結んでいます。

 

 ポール・チャン氏はまた「国家第14次5カ年計画」と「大湾区発展計画」において、香港が国際海運の中心地、国際航空の主要ハブとしての将来的な発展が改めて肯定されたと述べました。香港は、今後も中国の経済発展に溶け込み、物流業界を含む幅広い分野で、これらの政策がもたらす無限のチャンスを掴んでいくことでしょう。

 

 世界貿易機関(WTO)副事務局長の張向晨氏もビデオでスピーチを行いました。会議は、2日間にわたり香港コンベンション&エキシビションセンターとオンラインで同時開催され、今年は90以上の国際機関の代表者が集まり、国際・地域協力、大湾区発展、イノベーションとテクノロジー、持続可能な開発などのテーマで意見交換を行います。主催者は、50以上の国や地域から14,000人以上の参加者を見込んでいます。

 

 

 

 

【参考資料】

 

・第2回世界航商フォーラム


・第12回アジア物流海運及び空輸会議 香港で開催

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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