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香港への訪問者数が100万人を突破!しかし香港が観光地としての地位が失われる調査結果も。

  • 公開日 2023.03.27 最終更新日 2023.04.3 | 香港

香港政府観光局が発表した速報値によると、2023年2月の香港への訪問者数は146万人にまで達し、コロナ流行以来初めての訪問者数が単月で100万人突破となりました。ただ、それでもまだコロナ流行前の2019年同期比の26%相当までの回復にとどまっているようです。

 

 

訪問者の数は前月比2倍で急増している

この速報値によると、訪問者全体の数は前月の1月に比べ1.9倍増加しました。また146万人のうち、中国本土からの入国者は110万8,700人で全体の7割を占め、前月比で2.95倍まで増加しました。本土以外の訪問者では、香港近隣エリアの国・地域(主に東南アジア)からの訪問者は前月比97.21%増の165,800人、遠距離の国・地域からの訪問者は前月比39.77%増の75,600人、訪問数が少ない新興国からの訪問者が前月比1.09倍増の13,300人となりました。

 

 

 

中国本土からの訪問者数

今年2月6日に香港・本土間の完全通関が実施されてから3月18日までの間に合計約216万人の旅行者が本土から香港に訪れ、出入国管理局によると、3月18日土曜日には、1日で10万2000人の到着を記録し、完全通関以来初めて1日で10万人を超える結果となりました。

 

 

現在、本土からの旅行者が最も多く利用しているイミグレーションは、羅湖口岸、福田口岸、西九龍駅の3箇所で、4月1日より香港を含めた高速鉄道の長距離路線が全面的に再開されることで、より多くの観光客が香港に到着するようになると予想されています。

 

 

 

1,500のショップが数百万枚の観光客向けクーポンの配布

政府は「ハロー香港」と題した香港へ観光客を呼び戻すキャンペーンを実施しており、3月から海外および本土からの観光客に50万枚の無料航空券を配布していることが話題となっています。またそのキャンペーンの一環として、香港政府観光局(HKTB)とその加盟店は、香港を訪れる観光客に向けた1枚100ドル以上の「Hong Kong Delights」ビジタークーポンを100万枚以上配布しており、香港空港、西九龍駅、香港珠海・マカオ大橋の施設などや、世界中の様々な旅行サイトや旅行代理店を通じて配布されています。

 

 

このクーポンは、一部のバーやレストラン、ホテルでウェルカムドリンクを楽しめるほか、3月15日より、さまざまなアトラクションや小売店、飲食店の1,500以上のショップで利用することができます。詳しくは、HKTBウェブサイトをご覧ください。

 

 

 

B2Bプラットフォーム「トラベルタオ」で、企業のマッチングを支援

旅行業界団体である香港旅遊業議会(以下、TIC)は、ビジネスマッチングを促進することを目的としたB2Bオンラインプラットフォーム「トラベルタオ」の立ち上げを発表しました。

 

 

TICは今年に入ってからすでに200以上の団体にコンタクトを取り、そのうちの約50%の会員がすでに登録をしているという。 このプラットフォームは、旅行代理店、レストラン、観光局など、旅行業界間の協力を促進することを期待しており、例えば、香港で宝飾関連の展示会を開催したい海外の旅行会社は、提携するのに適した旅行会社を探すことができるそうです。

 

 

 

香港企業は観光客の回復について楽観視

飲食業界や観光業界からは、この中国-香港間の通関回復により業界全体に良い影響を与えており、旅行者の数は今後さらに増加し、5月のゴールデンウィークにはより多くの本土からの観光客が香港にやってくるだろうと楽観視している。また、ビジネス全体がコロナ前のような景気まで回復するのは今年の後半になるのではとのこと。

 

 

ただ、一方でかつてはショッピングや食事を目的に多くの本土客が香港を訪れたが、近年はブームが去り、香港は他の本土の都市と競争しなければならなくなっているという。

 

 

 

向こう3年で、香港はショッピング、金融サービス、医療の中心地としての地位を失う

世界的コンサルタント会社マッキンゼー社は2月に、グレーターベイエリア(大湾区:広東省の9つの都市+香港+マカオを指す)在住で、今後12ヶ月以内に香港を訪れることに興味があり、月々の世帯収入が約15,000人民元である本土の旅行者1,155人に対しインタビューによる調査を行いました。

 

 

回答者の85%は、香港へ訪れる理由は主にショッピングや観光のために来ると答え、その消費額は平均36,400人民元(内:高級品購入約17,800人民元)を使う見込みだと答えました。 しかし、約10-15%の回答者は、今後3年間で香港での消費額を15%減らし、ブランド品などの高級品の購入であれば、観光対策が目覚ましい海南省やマカオで購入し、化粧品や健康食品であれば並行輸入品を購入するとの回答に。

 

 

 

香港のサービス品質に遅れ。小売業へデジタルサービスの向上を提唱

この調査で、香港の主要な強みとして、多くの国際的ブランドがあり、商品のトレンド・安全性・品質などがであるとされています。そのため、グレーターベイエリアに同じブランドのショップがあれば、本土の顧客にとっても知名度のあるブランドとなるため、消費者の45%が、香港に旅行する際に在住地と同じブランドが香港にあれば、香港で購入する可能性が高いと回答しています。

 

 

しかし、中国本土では、タオバオや京東などの電子商取引プラットフォームの発展、免税店の台頭、為替レートの差の縮小により、香港で電子製品や化粧品を購入する価格的な優位性が徐々に失われつつあります。

 

 

タオバオや京東などの電子商取引プラットフォームでは、国内外の多くのブランドが公式旗艦店を開設し、商品のラインナップは充実しており、また 「ダブル11(独身の日)」などのセールのイベントも開催することで、多くの高級品が香港より本土の方が安くなることもあり、その結果、香港で買い物をする人が少なくなっています。

 

 

 

深センから香港を頻繁に訪れる張さんは、香港でのショッピングは「平凡で、価格の優位性は明らかでない」と語っています。 例えば、彼女が目をつけていたアメリカブランドのスキンケア用品は、シティゲートのショッピングモールの販売価格は、タオバオの旗艦店より24ドルしか安くなく、タオバオでは購入すると無料ギフトがもらえたという。

 

 

また本土では香港ほど現金取引が少なく、本土からの旅行者はシームレスな「ショッピング体験」に慣れているため、香港での買い物をする不利な点として挙げられた、最も多い回答が「デジタル体験の良さ」で、42%の回答者がこれを理由としています。

 

 

 

 

マッキンゼー社は、このようなデジタル体験やサービス品質などの主要分野で香港が遅れをとっていると指摘し、香港の小売業者はデジタルチャネルを通じて旅行者と交流し、サービスの質を向上させるべきだと提案しています。

 

 

 

香港で人気の医療サービスは美容、健康診断そして予防接種

また、中国本土からの旅行者の多くは医療サービスを受けるために香港を訪れます。今回の調査では、香港で医療サービスを受けることを選択する理由のトップは、中国本土では受けられない医療を受けられることです(78%)。グレーターベイエリアの女性の23%が香港で医療美容サービスを受ける予定であり、その中で最も人気な美容サービスは注射(79%)となっています。

 

 

ヘルスケアに関しては、健康診断と予防接種がまず挙げられ、歯科、産婦人科、眼科も人気の選択肢となっています。

 

 

 

香港の金融サービスは手数料の安さと金利の高さが魅力

金融サービスに関しては、金融センターとしての香港の役割に対する回答者の見解は分かれており、社会の安定と香港の金融機関の評判は大きく向上しているが、規制体制、顧客のプライバシー、安全な投資ビジネス環境は3年前と比べてあまり改善していないとの意見もあったといいます。

 

 

一方で、78%の回答者が「本土よりも高いリターンを得るために香港に投資した」と回答しており、香港の金融機関を選ぶ理由としては、魅力的な預金金利(61%)がトップで、次いで管理・取引手数料の安さ(59%)となっています。

 

 

 

 

 

 

本調査では、香港の企業はグレーターベイエリアからの観光客の回復について楽観視すべきとしながらも、当社は、近隣の都市が急速に発展し追いつくにつれ、香港はショッピング、金融サービス、医療の中心地としての優位性を失うかもしれないと指摘し、企業が引き続き香港で消費をする魅力を発揮するためには、サービスの質を高め、より良いデジタル体験を提供するとともにグレーターベイエリアの他の都市とより密接な関係を築く必要があるとしています。

 

 

 

 

【参照元リンク先】

2月訪港旅客 疫後首破百萬 業界看好前景 「香港有禮」優惠加碼

2月訪港客通關後首破百萬 回復疫前同期26% 內地客佔七成

通關後訪港內地客單日首破10萬

電商折扣戰搶攻 港失價格優勢

麥肯錫調查:未來3年一成大灣區客減在港消費

調查憂香港失去購物中心等優勢 料15%大灣區旅客減少來港消費

大灣區遊客來港 人均消費逾3.6萬人民幣 其中一樣佔近半開支

通關|1月訪港旅客50萬人次回復疫前一成 旅發局派100萬份優惠劵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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