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クロスボーダー水路交通網が広州市まで延伸 琶洲香港マカオフェリーターミナル正式稼動【大湾区情報レター Vol.59】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

 

 

 5月4日、琶洲香港・マカオフェリーターミナルの開港式が広州で行われました。10時35分、澄んだ笛の音とともに、カーボンファイバー製高速客船「海珠湖号」がゆっくりと出港し、初航海成功にて広州市中心部の唯一の水上クロスボーダー港が正式稼動したことを示しました。

 広東省港航グループの副総経理、羅健氏は「現在、香港との往復便は1日2便だが、運航状況に応じて徐々に便数を増やしていく」と述べました。琶洲香港・マカオフェリーターミナルは、大湾区の交通インフラの相互接続、広東省・香港・マカオ間の交流を促進する上で重要な役割を果たしており、さらに多くのサービスプロジェクトを次々と実行します。



第一段階:香港発着の2路線開設

 琶洲香港・マカオフェリーターミナルは、大湾区の象徴的な直通交通施設の一つであり、広州都心部と香港を結ぶ唯一の旅客フェリーターミナルで、広東省港航グループと広州越秀集団が共同で建設しました。フェリーターミナルは珠江に接する琶洲閲江中路に位置し、中国輸出入商品交易会展覧会場琶洲展館(琶洲国際会展センター)に隣接し、琶洲橋とは600メートルほど離れています。

 第一類(国家級)旅客ターミナルとして、琶洲香港・マカオフェリーターミナルは2段階に分けて建設され、第一段階では、琶洲香港・マカオフェリーターミナルと香港中港城と香港空港スカイピア間の2路線が開通されます。海珠湖号と海珠湾号にカーボンファイバー製高速客船2隻が運行、全行程は約2時間で、大湾区の中核都市へのアクセス時間をさらに短縮させることができ、大湾区の近代的総合交通システムの構築の加速をサポートします。

 「今後、南沙や虎門まで行って香港行きの船に乗る必要はなくなりました」。2階の待合室では、広州市珠江新城在住の何家林氏が、ロサンゼルス行きの飛行機に乗るため香港空港行きフェリーに乗る前に、荷物を預ける準備をしていました。一本のフェリーに乗るだけで香港空港まで直接行けるため、香港に着いてからの乗り換えの手間が省け、「海空複合交通」が気に入っており、さらに便利になり、広州の家のすぐそばで直接チェックインや荷物の預け入れができるので、近年の大湾区の発展の速さを実感しています!と興奮気味に語りました。

 

 琶洲ターミナルでは、現在10社の国際航空会社が香港空港発便のチェックインと荷物預けの手続きを受け付けており、84社の航空会社が香港空港スカイピアでのチェックインと荷物預けの手続きを受け付けています。クロスボーダーで旅行する旅客はワンストップで広州チェックイン・香港搭乗の海空複合交通サービスを利用することができます。

 

 

 

水上交通と観光の複合施設を建設

 

 「4月14日のフェリーターミナルの試験運用開始以来、これまでに50便以上が運航され、メーデーのゴールデンウィーク期間中は満席になる便も出てきており、今後は運航状況や市場の需要に応じて便数を増やしていく」と羅氏は述べました。羅氏の紹介によると、現在、2路線で使用されている客船は260の客席があり、一等席60席、普通席200席となっており、今後は「公共交通モード」*での運行を実現する予定です。
*公共交通と同様な高密度、短い間隔で運行すること。

 琶洲から香港国際空港へフェリーで移動し、飛行機に乗り継ぐ乗客は航空旅客出国税の支払いが免除されます。出国税を支払済の乗客には、スカイピアでのチェックイン時に税還付券が発行され、保安検査後、同日にスカイピアの「出国税還付カウンター」で提示すると、現金で還付を受けられます。

 

 将来的には、琶洲香港・マカオフェリーターミナルは広州都心部より大湾区までの高速水上旅客交通ルートのギャップを埋めるために、琶洲からマカオ、珠海の島嶼部、珠江デルタの一部の港との間の水上交通ルートを追加することも計画されています。大湾区におけるビジネス・貿易交流を加速する、経済・社会統合と相互促進する新しい水路を開拓します。

 

 同時に、広州交易会及び琶洲AIデジタル経済実験エリアに訪れる莫大な旅客数を迎えるため、琶洲香港・マカオフェリーターミナル・プロジェクト第二期が、琶洲国際会展センタービル群において計画されており、多様な運営の促進、クロスボーダー、シティー、島嶼ツアー及び珠江ツアーなど含んだ水上観光交通複合施設の立ち上げ、ヘリコプター、水上飛行機ルートの開設と合わせて、大湾区のランドマークになる新しいクロスボーダーの水上通路と統合的な交通と観光 のハブとなる見込みです。

 

 

大湾区に新たなクロスボーダー水路を建設

 

 現在、大湾区では、何百万人もの住民が毎日、都市間、さらには国境を越えて移動する必要があります。大湾区のインフラの相互接続が加速され、川と海を渡る通路が整い、「軌道上の大湾区」の建設が加速し、水上公共交通ルートがますます増え、より立体的で多様な移動手段がシームレスに接続されており、大湾区の「一時間生活圏」が現実のものとなってきています。

 

 また、水上交通の急速な発展は、広東省の船舶関連産業発展を促進していることも特筆に値します。琶洲香港・マカオフェリーターミナル・プロジェクトの第一期で、運航を開始した2つのカーボンファイバー製高速客船は、珠江船務傘下の広東中威複合材料有限公司が建造したものです。同社はこれまでに世界をリードするカーボンファイバー材料の造船技術の導入に成功し、中国での空白を埋めるために、カーボンファイバー複合材料造船の生産拠点を構築し、広東省の水路交通の新しい経験を切り開きました。

 

 

 

【参考資料】

・クロスボーダー水路交通網が広州市まで延伸 琶洲香港マカオフェリーターミナル正式稼動

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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