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香港で働く – 香港就労ビザ編 –

 

一度は新型コロナウイルスにより、日本人を含む外国人が減り、静かになった時期もあった香港ですが、このところ街中を歩いていると、以前のような活気が戻ってきたことを感じます。これは観光客や出張者のほか、新規就労者が再び増えつつあるからなのかなという印象を受けます。

 

新規で香港で働くにはもちろん就労ビザが必要となりますが、必要条件を満たしていれば、香港の就労ビザは諸外国の中でも比較的取得しやすいといわれています。ただし申請すれば必ず承認されるというほど容易でもありません。

 

今回は香港就労ビザ申請の条件と関連事項についてお話ししたいと思います。

 

 

 

 

香港就労ビザ取得の基本条件とは

香港就労ビザを取得するには、申請者またスポンサーとなる企業が下記要件を満たしていることが前提となります。

 

 

  1. 申請者に安全保障上の問題がなく、また犯罪歴がないこと
  2. 申請者が大卒以上である、または就任予定の役職に関連のある職歴がある、または専門技術や資格があること
  3. スポンサー企業が人材不足の状態にあること
  4. 就任予定の役職に対し、申請者が、香港人が有していない職歴もしくは学歴があること(=香港人ではない外国人雇用の必要性・正当性を証明できること)
  5. 申請者の役職に対して用意されている、給与や福利厚生などが香港において一般水準であること

 

 

必ずしもこの基本条件が全て揃っていなければ、就労ビザの取得ができないというわけではなく、例えばDの条件において、職歴のない新卒者であったとしても、雇用の必要性や正当性が別の理由で証明できることが出来れば、就労ビザが発行される可能性はあります。

 

ただこれらの条件が揃っておらず、また代替で証明できる正当性がなければ、承認されない可能性もあることに注意が必要です。

 

 

 

 

日系企業の駐在員パターン別取得難易度

日系企業が香港の関連会社に人員を出向させる場合、就労ビザ取得において下記3つがよくあるパターンかと思います。

 

 

1.前任と交代する場合:難易度★☆☆

香港での駐在員としての任期は3~5年で交代になるケースが多く、就労ビザの管轄機関である移民局は、対象の役職に就いている現駐在員が帰任のためいなくなった場合、スポンサー企業の業務が回らなくなってしまうと考える傾向にあるため、交代人員の就労ビザの必要性は高いと判断する可能性が高いです。そのため、基本条件を満たしていれば、就労ビザは承認されやすいといえます。

 

 

 

2. 外国籍従業員を増員する場合:難易度★★☆

駐在員や日本国籍の現地採用者など外国製の従業員を増員する場合、駐在員などの交代よりも少し難易度は上がります。それは、移民局は本当に申請者が必要なほどスポンサー企業が人員不足なのか、また香港人ではない外国人ではならないのかというポイントについて審査が行われるためです。

 

 

 

3.スポンサー企業が新設の場合:難易度★★★

新設企業は香港でのビジネス実績がないため、移民局はスポンサー企業の香港でのビジネス展開に対する本気度や将来性が審査の対象となり、申請書類を通して判断されることになります。また、当然のことながら就労ビザ申請者のバックグラウンドの審査や、それに加えて申請人数が新設企業に見合ったものであるかについてなども審査されることになります。そのため、多数の申請に対し移民局が必要性を納得しなかった場合は、必要と判断された人員のみに承認が降りることもあります。

 

 

 

 

就労ビザ取得の所要期間

移民局のウェブサイトでは、大体4-6週間としています。しかしながら、実際の結果が通知されるまでにかかる所要期間は、弊社の経験上、4週間以下で通知を受領したケースもあれば、6週間以上かかったケースもあるため、あくまで目安の期間となります。

 

 

 

 

注意点

1.追加情報・資料の要求

香港就労ビザ申請時に必要書類をきちんと揃えて提出したとしても、あとは承認連絡を待つだけ、とならない場合もあります。移民局は、申請者の情報に関し、さらに詳細な情報や状況、背景などを確認するため、追加でその情報や関連資料の提出を要求することがあります。

 

その場合、承認の可否を左右する可能性もあるため、指定された期限内に必要情報もしくは資料を提出しなければならないことに注意してください。

 

 

 

2.就労ビザ発行不承認からの再申請

一度税務局が審査の結果、就労ビザ発行不承認と通知を発行し、その履歴が残ると、それ以降の再申請における就労ビザ発行承認のハードルは急激に上がります。再申請をしても、必ずしも承認が二度と降りないというわけではありませんが、審査基準が格段に厳しくなるため、最初の申請を慎重に行い、一回で承認されることが望ましいといえます。

 

 

 

 

終わりに

冒頭でも述べた通り、香港の就労ビザの取得は比較的容易ではありますが、承認されるためには多くの要件を満たす必要があります。必要な人員がスムーズに香港で就労できるよう、また万が一の不承認により企業のオペレーションに支障が起こらないよう、一度での承認が非常に重要かと思います。

 

 

弊社でも香港就労ビザ取得のサポートをしており、またたくさんの承認実績がございますので、サポートが必要な際はお気軽にご連絡ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考URL】

Immigration Department

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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