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大湾区でヒューマノイドロボット産業のサプライチェーン統合が加速中【大湾区情報レター Vol.94】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

2025年、広東省のヒューマノイドロボット(人型ロボット)産業は急成長を遂げています。

 

 

人型ロボットの納品台数は年間1,000台の見込み

ENGINEAI(衆擎機器人)の共同創業者でマーケティング責任者である姚淇元氏のもとには、一日に何十件もの顧客からの問い合わせが寄せられ、昼休みの時間でさえ対応に追われるほどの忙しさが続いています。同社では、今年中に小ロット方式で1,000台の人型ロボットを納品する計画を立てており、すでに大量の注文を受け付けています。

 

このような状況は同社に限ったことではなく、Leju Robotics(楽衆機器人)やUBTECH Robotics(優必選)といった多くの広東省内の企業にも同様の動きが見られます。

 

Lejuは2025年の年間納品数が1,000台に達すると見込んでおり、UBTECHのWalker Sも500台以上の意向注文を受けています。Geely(吉利)、BYD(比亜迪)、フォックスコンなどの大手企業の工場でも、すでに導入が進んでいます。

 

 

 

AI技術の急速な進展、政府による強力な支援策、堅調な国内市場により加速

このような爆発的な受注の背景には、AI技術の急速な進展、政府による強力な支援策、そして堅調な国内市場という三つの要因の相乗効果があります。6月6日には、「広東省AI・ロボット産業連盟」の設立が予定されており、サプライチェーンの統合や技術開発が加速すると期待されています。

 

多くの企業責任者は、ヒューマノイドロボット分野における中国と米国の技術格差は急速に縮まっていると述べています。独自開発可能な産業チェーンと強力な国内需要の支えを背景に、広東省は米中関税戦争のなかで顕著な強靭性を示し、世界のAIおよびロボット産業の革新拠点として着実に歩みを進めています。

 

 

 

米国で10万人民元もする触覚センサーの製品を数百〜数千人民元で提供可能

注目すべき技術の一つとして、触覚センサーがあります。

 

Parsini Perception Technology(帕西尼)は創業3年あまりで、高精度で多次元な触覚センサーを独自開発・製造できる企業として頭角を現しています。その製品は米国で10万人民元もするハイエンド性能の製品を数百〜数千人民元で提供可能であり、中国企業が業界標準をリードするポテンシャルを持っていると同社の創業者は延べています。

 

また、深圳にある「ロボットバレー」では、回路基板の開発期間を従来の約3ヶ月からわずか1〜2週間に短縮する体制が整備されており、他の年と比較し、製品開発のスピードが飛躍的に向上しています。こうした体制によって、企業の競争力はより一層強化されています。

 

 

 

国家レベルの製造業イノベーションセンターには最大5,000万人民元の補助金

政策面でも広東省政府は多角的な支援策を打ち出しています。国家レベルの製造業イノベーションセンターには最大5,000万人民元、省レベルには1,000万人民元の補助金が支給されており、AIとロボット分野では、地方自治体の奨励金に対しては省が1対1のマッチング支援を行っています。

 

さらに、広州市では広東省智能産業基金が設立されており、すでに第一期として20億人民元の資金を調達済みです。最終的には100億人民元規模まで拡大することを目標にしており、科学技術開発成果の生産への転換を強力に後押しする仕組みが整いつつあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

大湾区人形机器人产业链整合加速

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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