NEWS

ニュース

過去最高輸出入総額1兆5,800億元の「世界の工場」東莞、業界を超えた新たな道を模索【大湾区情報レター Vol.101】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

「世界の工場」として知られる東莞市。

 

2026年の新春は好調な受注と活発な生産が続くだけでなく、多くの分野で業界の枠を超えた融合の動きが活発化しています。

 

 

 

測量会社から「人工知能」や「低空経済」という二つの新たな事業分野へ

中国では旧正月が明け、仕事始めには伝統的な儀式である爆竹や獅子舞が催されますが、東莞市南城区にある「広量ホールディングスグループ」では、従来のそれとは異なり、ドローンで空から紅包(お年玉)の「雨」を降らせ、新たな年のスタートを切りました。このテクノロジー色あふれる儀式は、企業と従業員の新年への期待と飛躍への決意を象徴しています。

 

地理測量会社としてスタートした同社は、今ではグループの傘下に、資産土地不動産評価、都市再開発、情報技術などの複数の子会社や、教育研修機関および20余りの省内外の支社があり、東莞市で初めて土地計画および全国土地登記代理の資格を有する企業として知られています。

 

総合的な技術サービス企業として、中国の都市農村再開発のトータルソリューションプロバイダーとなることを目指している同社は、「ニーズのラストワンマイル」という課題の解決に着目し、自社が持つデータ資産の強みを活かし「人工知能(AI)プラス」と「低空経済プラス」という二つの新たな事業分野への開拓にも乗り出しました。

 

劉賢慶副総裁は、

 

今年は政府があらゆる応用シーンの商業化を強力に推進しており、まさに当社が本領を発揮する時です

 

と語りました。仕事始めには500人を超える技術者全員が職場に復帰し、一人当たり平均3件のプロジェクトを抱えているとのことです。 

 

 

 

プラスチック周辺機器メーカーのチャンピオンは低空経済や人型ロボットの分野にも参入

東莞市には22万社以上の工業企業が集まり、そのうち一定規模以上工業企業数は14,000社にも上ります。

また、電子情報産業やハイエンド設備製造産業だけではなく、特定の分野に特化した「隠れたチャンピオン企業」も数多く存在しており、自らの生産能力を統合した異業種への挑戦が、供給側に新たな変革の波をもたらそうとしています。

 

東莞信易電熱機械有限公司の工場内では、整然と並んだ自動化生産ラインの射出成形機やダイカストマシンなどの設備がフル稼働しています。このプラスチック周辺機器メーカーは受注が好調で、旧暦正月七日(2月23日)の仕事始めから、納期に間に合わせるため全力で生産に取り組んでいます。

 

電気自動車(EV)やAIサーバーの冷却システム向けの関連新設備の展開に伴い、今年はさらなる成長が見込まれています。今後は、低空経済や人型ロボットの分野にも参入し、新たな消費ニーズに対応した事業をさらに開拓していく計画です。

 

と、東莞信易の呉峻睿総経理は語りました。

 

 

 

 

変革する製造業の成果

世界市場の変動や需要の縮小の影響を受けたものの、2025年の東莞の製造業は、年間の地域総生産(GRP)は1.2兆元の大台を突破し、一定規模以上工業生産額は2.6兆元を超え、力強い回復力を示しました。この背景には、多くの製造企業の変革の成果があります。

 

プラズマ表面技術のソリューションを提供している新鉑科技(東莞)有限公司は、主に東莞の巨大な製造業セクターにサービスを提供しています。

 

旧正月もまだ明けていない旧暦正月六日(2月22日)から、同社の多くの博士課程指導教員、ポスドク、博士号取得者からなるチームは、実験室に集まり、企業から提示された生産上の課題の解決に没頭しています。またその早朝から同社の責任者である田修波氏は顧客からの電話対応をしており、氏は、

 

自分が忙しいということは、それだけ多くの企業、とりわけ中小企業が革新的な応用や画期的な変革によって新たなビジネスチャンスを掴もうと力を入れ始めている証拠です。

 

と語っています。

 

 

 

医療や低空経済といった新分野での成長

自らのイノベーションでさらなる発展のチャンスを掴み続けているのが東莞市協順電子科技有限公司です。

同社は、旧暦正月七日(2月23日)の仕事始め当日に、海外からなんと1,000万元近くにも上るの受注を獲得し、生産スケジュールは早くも6月までびっしりと埋まってしまいました。

 

2025年の当社の業績は過去3年間で最高を記録しました。今年はこの好調なスタートを維持し、医療や低空経済といった新分野での成長が見込まれています。

 

と、同社の国内事業担当総監である朱氏は語りました。

 

現在、各業界のアップデートとイノベーションの速度は加速しており、企業が、新たな消費者のニーズに応じてより高性能な製品を開発していくことが鍵となっています。例えば、低空経済向け製品では、軽量で防水性があり、かつ安定性の高い部品やパーツが要求されます。

 

すべてのエンジニアが既に受注が決まっているプロジェクトに携わっているわけではありません。新技術が新たなコンセプトをもたらす中で、当社は技術的な蓄積をしっかりと行っています。

 

と朱氏は考えています。

 

 

 

東莞市の2025年度対外貿易輸出入総額は、過去最高額の1兆5,800億元・前年比13.8%増

このように、将来を見据えて発展を模索し、業界の枠を超えて革新に挑戦する東莞の企業は、国内外の多くの顧客から高い評価を得ています。

 

2025年、東莞の対外貿易輸出入総額は1兆5,800億元に達し、過去最高額を更新、前年比13.8%増となりました。2025年末までに、東莞は21ヶ月連続でプラス成長を維持し、経済の基盤を安定させただけでなく、規模と質の両面での向上を実現しています。

 

また、2026年春節(旧正月)期間中においても、香港国際空港の東莞エアポートセンターでは航空貨物の積み込み作業が休みなく行われ、合計42の輸出入便が運航され、約800トン、1億5,000万人民元以上相当の貨物が取り扱われました。東莞港産業投資有限公司の莫梅心副総経理によると、

 

空輸サービスへの要求が比較的高いハイエンド製造業や越境ECの占める割合が著しく上昇しており、現在、エアポートセンターを通じて60以上の国・地域と接続しています。特に欧州や「一帯一路」協力国を目的地とする割合が高まっている。

 

2026年、エアポートセンターの貨物量と取扱額は引き続き高い成長を維持しており、越境物流サービスの能力は持続的に向上し、東莞製品の海外展開における重要なルートとなるでしょう。

 

と述べました。エアポートセンターでは、インド、スペイン、ベルギーなどへの専用チャーター便の増便を計画していると同時に、長期的計画として、埠頭整備工事の進捗率は90%超となっており、2027年の全面稼働を目指しています。 

 

供給側の生産現場では業界の枠を超えて産業の壁を打ち破り、消費側では複合的なニーズを見据えて新たな機会を創出する、そんな東莞の製造業各社は、新年において大きな自信と期待を寄せています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考資料】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。
  4. 本文は国際的、業界の通例準則に従って、Aoba Business Consultingは合法チャネルを通じて情報を得ておりますが、すべての記述内容に対して正確性と完全性を保証するものではありません。参考としてご使用いただき、またその責任に関しましても弊社は負いかねますことご了承ください。

  5. 文章内容(図、写真を含む)のリソースはインターネットサイトとなっており、その版権につきましては原作者に帰属致します。もし権利を侵害するようなことがございました際は、弊社までお知らせくださいますようお願いいたします。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら