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「大湾区航空」が誕生、香港を起点とした航路104路線を申請&南海日本工業園について【大湾区情報レター Vol.5】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

「大湾区航空」が誕生、香港を起点とした航路104路線を申請

 

  深圳東海航空の董事長黃楚標(ビル・ウォン)氏が率いる大湾区航空*が、先月(1月)香港政府当局(空運牌照局:AIR TRANSPORT LICENSING AUTHORITY)へ香港を起点とした、北京、上海など中国本土48空港、日本の13空港(東京、大阪、沖縄、福岡、札幌、名古屋、鹿児島、石垣、高松、広島、長崎、岡山、米子)、他にはタイ、シンガポール、台湾、韓国など東アジア、東南アジア、南アジアを網羅する、あわせて104の旅客、貨物、郵便路線を申請していることが判明しました。使用機種はボーイングB737-800です。

 

 

 会社登記所(Company Registry)の情報によると、取締役には、黃氏以外に、キャセイドラゴン航空の元最高経営責任者(CEO)丘応樺氏、元香港政府保安局局長李少光氏、元香港空港管理局CEOの許漢忠氏及び中国最大手の物流業者SF(順豊)エクスプレス創業者であり董事長の王偉氏など錚々たるメンバーが就任しています。

 

 

 正式な許認可を取得した暁には、大湾区航空は、キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific Airways)、キャセイパシフィック航空の子会社となったLCC、香港エクスプレス航空(HK Express)、及び香港航空(Hong Kong Airline)に続く、第四の香港拠点の航空会社となります。

 

 新型コロナウイルスの蔓延により、経営危機を迎えている航空会社が多い中、「コロナ後」を見据え、今年後半の就航を目指してすでに人材募集なども進められています。 

 

*大湾区航空の前身である「東海航空有限公司」は2010年5月24日に香港で設立されており、複数回の社名変更を経て、昨年(2020年)7月8日に「大湾区航空有限公司(Greater Bay Airline Company Limited) 」に変更された。

 

 

 

 【参照元リンク】

大湾区航空104フライトルートを申請、約半分は中国国内ルート(東方日報)

【大湾区航空】大湾区航空が104の路線を申請 キャセイパシフィックは現在残り92の客運路線のみ(香港経済日報)

【大湾区航空】SF(順豊)エクスプレス王衛氏、李國章氏、梁君彥氏が大湾区航空取締役に(香港経済日報)

大湾区航空が香港にフライトルートを申請 (新華ネット)

南海区が東京で中日産業交流会を開催(佛山ニュースネット)

 

 

 

 

【南海日本工業園】

 

■南海区とは

南海区は広東省仏山市に属する市区で、広州市に隣接しており、面積 1073.82 km2、定住人口は約303万人、行政区としては古くから南海県と呼ばれていましたが、1992年に南海市に昇格、2002年に仏山市に組み込まれ、仏山市南海区となりました。

 

1980年代、南海区は、経済発展の速さで順徳、東莞、中山とともに、「広東4小虎」とも呼ばれていました。また、毎年の中国の「全国総合実力トップ100地区」において、2014~2019年の連続6年で2位を獲得しています。これから述べる日系製造各企業の他、多くの外資、香港系金融機関(銀行、保険)などが南山区の金融パークにアウトソーシング拠点を設けているのも大きな特色の一つとなっています。

 

 

南海区は日系企業が中国華南地区に投資する際に最も人気のある地域の一つです。1994年に最初の日系企業が南海に進出して以来、トヨタ、ホンダ、東レ、旭化成などの世界的に有名な企業をはじめ、コア技術を持ち、大企業をサポートしている企業も多く進出しています。

 

2020年9月時点で、仏山市に投資した日系企業220社のうち118社が南海区を選択し、その総投資額は30億米ドルを超えており、その金額は仏山市全体の日系企業投資の60%以上を占めています。産業は新素材、自動車、機械、スマート製造等の分野となります。特に自動車産業については、地理的にも自動車セットメーカーの集中する広州市に近く、交通の利便性もよいことから、多くの自動車部品メーカーが南海に進出しています。

 

 

日系企業を重視

日本は南海区の最も重要な貿易相手国の一つであり、2018年の南海区-日本間の輸出入取引は1,550億日本円に達しました。南海区は日系企業の誘致に力を入れていて、積極的な活動を行っています。例えば、ビジネスマッチングのものづくり商談会(FBC)は日系企業を呼び込む重要なプラットフォームの一つであり、5年連続で南海にて開催されています。

 

 

  また、南海は2007年にすでに日系企業を対象とした日本中小企業工業園の第1期を開発しており、2010年には第2期を開発し、2期合わせて33万m2の規模で、日本貿易振興機構(ジェトロ)広州事務所と協力し、合計35社の日系企業を誘致しています。

 

 

 

■丹灶(Danzao)

南海区の西部に位置し、清末民初の思想家、政治家、書家として有名な康有為の生誕地として知られる南海区丹灶鎮。

 

2004年に最初の日系企業「捷貝汽車配件有限公司」(日本ブレーキ工業出資)が進出してから、16年後の2020年には38社の日系企業が進出、南海区進出日系企業の三分の一をも占めており、大湾区の中で最も日系企業が集まる地区となっています。

 

統計によると、2019年丹灶鎮の日系企業の総工業生産額は46億2500万人民元と前年度から14.09%増加し、丹灶鎮全体の13.39%を占めることとなりました。その中で、エフ・シー・シー傘下の富士離合器、マレリ傘下の馬瑞利汽車照明が生産額5億人民元以上、ケーヒン(現:日立アステモ)傘下の京浜大洋冷熱工業と捷貝汽車配件がそれぞれ生産額1億人民元以上と突出しています。

 

これらの企業は日産、トヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲン、その他の国内外の大手自動車メーカーへ部品供給を行っています。

 

 

■日本中小企業工業園

2007年、南海区は、在中国の自動車セットメーカーへの部品供給企業の投資と発展を促進するため、南海国家生体工業園区内に12万m2の「南海日本中小企業工業園」を開設しました。標準化された工場、企業の要求に応じて個別化された工場、土地を借りた上での自社工場、という3つのパターンにより、日系自動車部品企業のためにカスタマイズされた高品質の工場を建設しました。

 

日本企業8社が第1期に誘致され、総投資額は1億8000万米ドル、フル稼働後の年間生産額は20億人民元にまで達しました。

 

 

南海日本中小企業工業園の開発モデル及び投資モデルが日系企業に十分に受け入れられたことから、2010年、南海区政府は丹灶鎮において工業園の第2期を開発しました。工業園の開発にはジェトロ広州事務所による提案も組み入れられており、南海区政府が外国政府機関と協力して工業園を建設したのはこれが初めててあり、南海と日本との間における経済協力の新たなステージを示しています。また、ジェトロが現地政府と協力協定を締結するのもこれが初めてでした。

 

 

工業園の第1期、第2期の成功を踏まえて、丹灶鎮は第3期の建設を進めています。第3期は丹灶鎮の南に位置し、園区はゾーンAとBに分かれています。AとB、2つのゾーンの総建設面積は21万m2となっています。工業園第3期は標準化された工場と個別化された工場のリースを提供し、スタッフの寮エリアや運動場などのサポート施設に加え、高級人材向けの住まいも整備される予定です。

 

将来的には、より多くの日系優良企業による開発と生産を誘致するために、自動車部品、ハイテク機器製造、電子デジタル、エネルギー及び環境保護分野等の先進製造企業が集まる産業区を構築する予定です。第3期のゾーンAは2021年末までに引き渡しを予定しています。

 

 

■南海に新たに進出の日系企業

  • 武漢総和汽車零部件有限公司(仏山分公司:工業園3期に入居)

自動車部品の鉄・鋼成形部品や複合製品を中心に生産している会社で、TISグレープ、東風ホンダ、広州ホンダなどの自動車メーカーに提供している。仏山への進出は、大湾区における同社の発展の布石としての重点的プロジェクトの一環であり、総投資額は3,000万人民元を予定していると報じられている。

 

 

  • 米思米(中国)精密機械貿易有限公司

日本の著名精密部品メーカーであるミスミの中国における営業本部(本部:上海)。

 

 株式会社ミスミはプレス金型用標準部品、FA標準部品、プラスチック金型用標準部品、加工工具の設計・製造・販売を主に行っており、業界では工業製品のワンストップ購入プラットフォームとしても知られている。南海での新規プロジェクトは約3万m2の近代的な工場を建設する計画で、主に工場の自動化精密機械部品を開発し、自動化生産、プレス、金型製造、電子配線、工場用工具などをカバーし、華南地区の顧客に専門的で多様なサービスを提供。

 

 米思米(中国)の総投資額は2億米ドルになり、丹灶鎮で巨額の資産投資を選択した理由を米思米(中国)の総経理、徐少淳氏は「江蘇省南通市にすでに生産工場を持っているが、中国華南地区もミスミグループの重要なマーケットであり、広東省の顧客は中国国内顧客の3分の1を占めている。また、丹灶は華南地区における「日系企業の故郷(日企之郷)」であり、立地面での優位性と政府の強力な支援を受けて、丹灶で製造プロジェクトを立ち上げることになりました。」と述べている。

 

 

 

 

 【参照元リンク】

南海区が東京で中日産業交流会を開催(佛山ニュースネット)

日本の大手2社が進出!丹灶に3,000ムーの日中協同テクノロジー産業園を建設 

(南方都市報)

日系企業2社が南海日本中小企業工業園第3期の入居契約を締結(佛山ニュースネット)

南海区丹灶、日中協同テクノロジー産業園の建設を提案(佛山ニュースネット)

実力あり!南海が日本資本1.96億を誘致、140社企業が現場にマッチング(佛山ニュースネット)

総投資百億超え、丹灶の産業発展は爆発的な時代に!ペプシ、匯芯、ミスミが開業に注力(佛山ニュースネット)

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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