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知的財産権侵害民事事件の審理における懲罰的賠償の適用に関する最高人民法院の解釈【ニューズレター Vol.84】

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として、青葉グループの広東省広州市天河区に拠点を構える弁護士事務所より作成しております。

 

 

 

【背景】

2021年3月3日、最高人民法院は「知的財産権侵害民事事件の審理における懲罰的賠償の適用に関する最高人民法院の解釈」(以下「解釈」と略す)を公布した。 「解釈」は、知的財産権民事事件における懲罰的賠償の適用範囲、故意犯の成否及び情状深刻さに対する認定、計算基数・倍数の確定等について具体的に規定しており、公布日から施行される。

 

 

 

【影響】

「解釈」は裁判基準の明確化を通じて、各級裁判所が懲罰的賠償を正確に適用し、知的財産権の重大な侵害行為を処罰するよう指導しており、懲罰的賠償制度を実施する重要な措置であり、人民法院が知的財産権の司法保護を全面的に強化する決意を示しており、科学技術革新の法治環境をさらに最適化する上で重要な意義がある。

 

 

 

【主要内容】

今回延長執行の税収政策は以下の通りである。

 

「解釈」の7つの条文は、知的財産権民事事件における懲罰的賠償の適用範囲、請求内容及び時期、故意犯の成否及び情状深刻さに対する認定、計算基数及び倍数の確定、発効時期等について具体的に規定している。主要なポイントは以下の通り。

 

1、「故意」と「悪意」の関係を明確にすること。

「民法典」の規定によると、懲罰的賠償の主観的要件は「故意」である。 しかし、「商標法」と「不正競争防止法」では、いずれも「悪意」と規定されている。 したがって、「解釈」第二条では、本解釈でいう故意には、商標法第六十三条第六十三項及び反不正競争法第十七条第三項に規定する悪意を含むと規定している。

 

 

2、情状深刻さの認定基準を明確にすること。

「解釈」第四条の規定によると、知的財産権侵害の情状深刻さに対する認定について、人民法院は、権利侵害の手段、回数、権利侵害行為の持続期間、地域範囲、規模と結果、および権利侵害者の訴訟における行為等の要素を総合的に考慮しなければならない。 情状が深刻であることは懲罰的賠償の構成要件の一つであり、主に行為者の手段方式及びそのもたらした結果などの客観的な面を対象としており、一般的に行為者の主観的状態には係わらない。

 

 

3、懲罰的賠償基数の計算方式を明確にするすること。

「解釈」第五条の規定によると、人民法院は懲罰的賠償金額を確定する際に、それぞれ関連法律に基づき、原告の実際の損失金額、被告の違法所得金額又は権利侵害により取得した利益を計算基数としなければならない。 当該基数には,侵害行為を阻止するために原告が支払った合理的な支出は含まれない。 法律に別途規定がある場合は、その規定に従う。

 

懲罰的賠償基数の計算方式について、特許法第七十一条、著作権法第五十四条、商標法第六十三条、反不正競争法第十七条、シード法第七十三条はいずれも明確に規定している。 著作権法及び特許法は基数計算の優先順位を規定しておらず、商標法、反不正競争法及びシード法は優先順位を規定している。

 

また、懲罰的賠償に合理的な支出が含まれるかどうかについての異なる法律の規定にも矛盾がある。 このため、「解釈」第五条に規定されている「法律に別段の規定がある場合には、その規定に従う」とは、異なる事件の類型にそれぞれ対応する部門法を適用することをいう。

 

 

 

【法規リンク】

知的財産権侵害民事事件の審理における懲罰的賠償の適用に関する最高人民法院の解釈

 

 

 

 

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
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