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企業合併・組織再編の注意点

  • 公開日 2021.11.25 最終更新日 2021.12.29 | 中国

今や、企業のM&Aやリストラクチャリングは、企業を変革するための一般的な手段となっています。資本、商品、サービスなどの資源を再統合し、資源の合理的な流れと法的な最適配分を実現できますし、企業のモデルチェンジとアップグレードを促進することができます。企業のM&A計画の設計に際して、また交渉及び実施期間において、想定される法的リスクを正しく評価し、事前に予防策を講じておくことがまずは重要だと思います。

 

 

一)M&A対象企業の事業が「外商投資参入ネガティブリスト」において投資禁止分野に係わっているかどうか?
   M&Aに先立ち、買収者は国家規範性文書におけるM&Aに対するいわゆる「制限性又は禁止性規定」、そしてM&A対象企業が所在地域の政策規定を把握しておく必要があります。

 

外商投資にとっては、M&A方案を設計・決定する前にM&A対象企業が「外商投資参入ネガティブリスト」に掲載されている投資禁止分野に係わらないかどうかを確認することが特に重要だと考えられます。外商投資特別管理措置の関連規定に係わってしまうものであれば、外国企業の投資行為は当該措置の要件を遵守することが義務付けられますし、あわせてその管轄の商務部門に審査認可を得る必要があります。

 

また、外商投資の禁止分野に係わるものである場合には外国企業はそもそも該当分野の投資は行うことができません。加えて、企業は投資対象が投資奨励分野に属しているかどうかも注目すべきです。国の投資奨励産業に属していれば、企業は資金、税収、土地使用権などの面で地方政府の支援政策を享受できる可能性があります。

 

二)M&A対象企業に潜在的なリスクがあるか否か?
    M&Aを実行する際には、その対象会社や事業の状況を的確に把握していないと、M&A後に税務リスクや潜在的な訴訟紛争リスクなどに直面する恐れがあり、結果的に将来の再編失敗に伏線を張ってしまうことになると考えられます。
 
したがって、M&A計画を実施する前に、デュー・ディリジェンス(DD)と実行可能性調査を全面的に行い、法的、財務的、税務的な面でM&A対象企業に対して全面的そして多角的な評価を行うべきです。法的の面では、未決の訴訟、潜在的な訴訟リスク、対外担保状況、企業の経営管理などが合法的にコンプライアンス準拠できているか否か、あるいは重大な労働・労務管理リスクが存在しているか否かなどを考慮して決定すべきです。
 
また、財務・税務面では、M&A対象企業が未回収の売掛金、近い将来に責任を問われる可能性のあるような潜在的な訴訟リスクの有無、あるいはそこから発生する賠償責任や対外保証による連帯責任などの潜在的偶発債務のリスクなどが存在するかどうかなどを審査しておくことが重要だと思われます。M&A対象企業には、資産の品質が劣化し、不良資産及び、多額の潜在的負債を抱えてしまっている恐れがあります。
 
したがって、M&A計画を実行する前に、M&A対象企業の資産、負債、運営効率などの状況をよく理解しておくことが重要です。特に企業の資産の稼動性とソルベンシーについては、企業の資産負債比率、棚卸資産回転率、売掛金回転率、ストック資産状況などの指標を総合的に分析・判断を行うことが不可欠です。また、主要な営業務収入や純利益の成長率などの指標からその成長性に対して分析・判断を行い、キャッシュフローの健全性については、各種キャッシュフロー、キャッシュ・セールス・レシオ、純利益のキャッシュ・コンテンツなどの各指標への総合的な分析・判断をすることが非常に重要といえます。

 

また、M&A対象企業の企業文化や経営方針と相互的に融和でき、共同体となりうるかどうかも特に注意すべきであるといえます。多くのM&A行為の失敗事例は、企業文化や経営方針での衝突が要因となっていることにも留意が必要です。このようなM&A対象者の文化的変革の難易度を十分に考慮に入れて、戦略的な調整、組織構造、ビジネスプロセスのリエンジニアリング化、合理的な資源配分などを素早くに進められるように、適切に計画・手配することがことが肝要です。

 

三)企業合併実施後の手続及び手続について
一方、M&Aによる合併契約が締結された後に留意しなければならない点として、両当事者が合併後の企業に対して、財務、人事、資産、企業文化等などで、それぞれを統合すること(インテグレーション)があります。

 

主に重大契約の処理、進行中の訴訟、仲裁、調停、交渉などの項目の処理や、社内の統治構造の調整、労働関係の引き継ぎと処理等などです。同時に、合併後の企業もその主体と投資家情報変更の状況についても、政府の関係部門への報告、「備案」登記、審査、認可等の手続も忘れてはなりません。

 

 

参照リンク:
http://www.64365.com/zs/732367.aspx
https://www.fx361.com/page/2018/0423/3429335.shtml

 

 

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