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個人所得税の優遇措置延長及び計算方法について

中国本土では年間一括賞与の個人所得税課税時に優遇措置があります。

今回、年間一括賞与についての紹介と、その優遇政策内容・延長、また計算方式について、ご紹介させて頂きます。

 

 

年間一括賞与とは

   《年間一括賞与等を受け取る個人に対する個人所得税の計算・賦課方法の調整に関する国家税務総局の通知》(国税発「2005」9号)の第一条に、従業員に対して、年間の経済業績と従業員の年間を通じた勤務成績を総合的に判断して支給する一時金と規定。いわゆるボーナスのことを指します。

 

 

優遇政策内容

   国税発「2005」9号より、年度一括賞与を、12 ヶ月で割った金額と対応する適用税率に基づき、個人所得税を単独で計算できる(適用する税率が低くなる)との規定がありましたが、2019年1月1日より実施される新しい個人所得税制度の関連規定によると、中国での個人所得税は月ベースで計算するのではなく、年度の総合所得で計算することになり、年度一括賞与も、当年度の総合所得に合算した上で個人所得税を計算するようになりました。ただし、過渡期の政策として、2018年12月に財税[2018]第164号の規定により、前述の単独計算の優遇政策は2021 年 12 月末まで延長することになりました。また、移行期間中において、納税者は当年度の総合所得との合算を選択することも出来ます。

 

 

優遇政策の再延長:

   財政部・税務総局は2021年12月31日に、2021年財政部税務総局告示第42号にて、納税者の負担をさらに軽減するため、「財政部 税務総局による個人所得税法改訂後の関連優遇政策の経過措置に関する通知(財税〔2018〕164号)」に規定している、年間一括賞与の優遇政策の実施期間を2023年12月31日まで延長すると発表されました。つまり、本優遇政策は引き続き適用されます。

 

 

 では、ケーススタディを交えて、年間一括賞与(以下ボーナス)の単独及び合算それぞれの計算方法をご案内いたします。単独と合算では計算過程が異なるため、納税額も異なります。

 

 

 

単独計算方式  : ボーナスと給与を分けて計算する方法

 

納税額 =(ボーナス× 適用税率 - 速算控除数値) + (課税対象所得 × 適用税率 - 速算控除数値) 

 

*注記:

課税対象所得=  給与から給与所得控除額(基本控除、保険控除、賃貸控除等)を差し引いた課税対象となる金額。

速算控除数値 =  段階毎に累進課税の計算する煩雑さを簡略化するための数値。後述のケーススタディ参照。

適用税率 =  以下の税率表を用いる。

 

 

<ボーナス累進課税表>: 課税対象所得 = 年間一括賞与(ボーナス)÷ 12 ヶ月

 累進課税対象所得 / 月額 税率 速算控除数値
1 3,000人民元までの部分 3% 0
2 3,001人民元~12,000人民元までの部分 10% 210
3 12,001人民元~25,000人民元までの部分 20% 1,410
4 25,001人民元~35,000人民元までの部分 25% 2,660
5 35,001人民元~55,000人民元までの部分 30% 4,410
6 55,001人民元~80,000人民元までの部分 35% 7,160
7 80,001人民元以上の部分 45% 15,160

 

<給与の累進課税表>:課税対象所得 = 給与 — 給与所得控除

 累進課税対象所得 / 年額 税率 速算控除数値
1 36,000人民元までの部分 3% 0
2 36,001人民元~144,000人民元までの部分 10% 2,520
3 144,001人民元~300,000人民元までの部分 20% 16,920
4 300,001人民元~420,000人民元までの部分 25% 31,920
5 420,001人民元~660,000人民元までの部分 30% 52,920
6 660,001人民元~960,000人民元までの部分 35% 85,920
7 960,001人民元以上の部分 45% 181,920

 

 

合算方式:ボーナスと基本給与を合算して計算する方法

 

納税額  =  課税対象所得合計(ボーナス+ 給与 — 控除) × 適用税率 — 速算控除数値 

 

< 給与 の累進課税表 > 課税対象所得=ボーナス + 給与 – 給与所得控除

 累進課税対象所得 / 年額 税率 速算控除数値
1 36,000人民元までの部分 3% 0
2 36,001人民元~144,000人民元までの部分 10% 2,520
3 144,001人民元~300,000人民元までの部分 20% 16,920
4 300,001人民元~420,000人民元までの部分 25% 31,920
5 420,001人民元~660,000人民元までの部分 30% 52,920
6 660,001人民元~960,000人民元までの部分 35% 85,920
7 960,001人民元以上の部分 45% 181,920

 

 

ケーススタディ

 上記のどちらの方法で計算した方が、納税額が安くなるのか?損益分岐点となる金額を基に、以下ケーススタディをご参照ください。

 

ケーススタディ①:給与が96,000元/年、基本控除60,000元/年、保険控除12,000元/年、賃貸控除12,000元/年、ボーナスが36,000元/年の場合。

単独計算方式: 

納税額 =(ボーナス× 適用税率 - 速算控除数値) + (給与 × 適用税率 - 速算控除数値) 

ボーナスの納税額: 36,000元 × 3%  = 1,080元

給与の納税額: 課税対象所得 = 96,000 – 60,000 – 12,000 – 12,000 = 12,000元/年 × 3%  = 360元

 

合計納税額: 1,080 + 360 = 1,440元

 

合算方式: 

納税額 =  課税対象所得合計(ボーナス+ 給与 — 控除) × 適用税率 — 速算控除数値 

課税対象所得合計: 36,000 + 96,000 – 60,000 – 12,000 – 12,000  = 48,000元 

適用税率:  36,000元 までの部分は 3% 、 12,000元 の部分は 10% 

 

納税額: 36,000元 × 3% + 12,000元 × 10% =  2,280元

*速算控除数値を使用した計算式は、 48,000元 × 10% — 2,520元 = 2,280元 のように、簡略化できる。

 

となり、単独計算方式の方が、納税額が840元安くなります。

 

しかしながら、このケースのボーナスが、”1元”多い36,001元になった場合、

単独では3,750.1元、合算では2,280.1元となり、合算方式の納税額の方が1,470元安くなります。

 

 

ケーススタディ②例:高級管理職給与46万/年、基本控除6万/年(5,000/月)、ボーナス12万/年、の場合。

単独計算方式の納税額=79,870元、合算計算方式の納税額=103,080元となり、単独計算の納税額が、23,210元安くなります。

 

 

ケーススタディ③(例:ワーカー)給与5000元/月、基本控除5,000/月、保険控除1000元/月、賃貸控除1000元/月、ボーナス30,000/年の場合。

給与の課税所得額が、-2,000/月(-24,000/年)となるため、合算計算方式であれば、このマイナス分がボーナスから差し引かれ、合計の課税対象所得は6,000元となり、納税額は×3%の180元となる。

 

単独計算方式は、ボーナスと給与は別々の計算式となるため、給与の納税額は0だが、ボーナスの納税額は、30,000元×3%で900元となるため、合算方式の納税額の方が720元安くなる。

 

 

結論:

 結局、単独計算方式および合算方式のどちらで計算した方が納税額を抑えることができるかは、給与、控除額、ボーナスの各金額によりケースバイケースとなるため、確定前に弊社のような専門家にご相談することをオススメいたします。

 

 

 

 

 

【参照元】

关于个人所得税法修改后有关优惠政策衔接问题的通知财税〔2018〕164号

《国家税务总局关于调整个人取得全年一次性奖金等计算征收个人所得税方法问题的通知》(国税发〔2005〕9号)

 

 

 

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