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中国-香港間の往来全面再開 香港から80人の大型視察団が早速南沙を訪問【大湾区情報レター Vol.54】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

 

 2月6日午前0時より、中国大陸、香港、マカオ間の人の往来が全面的に再開となり、中国大陸、香港、マカオ間の出入国イミグレーションも全面的に再開されました。広州南沙広東香港協力諮問委員会のメンバーと香港の34の組織の代表を含む80人の視察団が早速広州南沙を訪問しました。また、視察期間中に開催された香港広州商工会との協同による交流イベントにおいては、3組計8つの商工会代表が提携の調印を行いました。

 

「中国本土の発展の速さを感じるため ぜひもっと現地に」

 

 2月6日午前8時30分、香港西九龍駅発の高速鉄道列車G6582号は55分かけて高速鉄道の慶盛駅に到着し、視察ツアーが正式にスタートされました。

 

 ツアーの最初の訪問先は、南沙自由貿易区の慶盛交通ターミナルハブ複合施設プロジェクト(以下「慶盛中樞」)にある香港・広東省初の協力プロジェクトで、香港のスタンダードをベンチマークにしてターミナル駅が建設されます。このプロジェクトの第1期は2023年に稼働する予定で、主にバスやタクシー用の公共ステーションが建設され、香港科学技術大学(広州)と民心香港人子弟学校及び高速鉄道駅間の接続がより便利となります。その後、順次「サンフンカイ(新鴻基)・コンプレックス」の商業施設及びオフィス部分も完成の予定です。

 

 「広州南沙が広東省・香港・マカオと世界に向けての包括的協力を深めるための全体計画(南沙計画)」において決定した3つの先行エリアの1つである慶盛中樞は、香港科技大学(広州)などの主要機関を拠点に「香港・マカオ成果+南沙転換+大湾区応用」という科学技術イノベーションモデルを構築しています。南沙産業園区管理局党組書記兼局長の張楽春氏は、慶盛中樞は、3つの先行エリアの加速に資源を集中させ、広東省・香港の科学技術イノベーション協力先行実証エリアの構築を計画する、「最も香港的」なエリアであると述べました。

「南沙計画」の政策優遇のいち早い享受に期待

 

 陳志育氏は香港高齢者サービス協会の会長で、20年以上高齢者介護産業に携わっており、大湾区の高齢者介護産業の状況をよく理解しています。コロナ禍前においては広東省に長期滞在していた香港の高齢者は約89,000人で、ボーダー往来が再開し、南沙に香港スタイルのコミュニティが形成されれば、ますます多くの香港人が南沙で起業し、生活するようになり、南沙に香港式高齢者介護サービスのモデルを持ち込めば、更なる発展が見込まれます。

 

 陳志育氏は、「「南沙計画」の要素の多くは、高齢者サービス分野に関連している」と述べました。広州は高齢者介護のハードウェア面では非常に優れているが、ソフトウェア面ではまだ改善の余地があると陳氏は考えています。「今回、私は香港の高水準の高齢者介護サービスモデルを南沙に試験的に導入し、将来的にはより広い範囲で普及させるという使命を持ってやってきました」 と陳志雄は語りました。

 

 広州香港間の医療協力が加速しており、高齢者介護産業分野での協力の基礎が出来つつあります。視察先の一つである香港式金牌総合診療クリニックは、南沙で初めての完全香港資本の医療機関で、患者は遠隔診察サービスを通じて香港の医師と直接つながり、香港の薬を処方され、国際保険直接支払サービスを利用することができます。

 

 「南沙計画」では、香港特別行政区政府と協力し、医療機関の「ホワイトリスト」制度を構築し、香港の「高齢者医療券」の利用範囲を拡大し、「ホワイトリスト」に掲載されている南沙医療機関が香港医療費用のオフサイト決済を推し進め、さらに支払対象の範囲を一般診療から入院にまで段階的に拡大することを提案しました。

 香港式金牌総合診療クリニックは、香港最大の総合診療クリニックネットワークを持つ香港連合医務グループが運営し、総合診療をはじめ様々な専門分野の医療サービスを提供しています。昨年12月には、南沙区広州・香港協力医療共同体構築プロジェクト*がスタート、これは香港の高齢者が遠隔リモート接続診察の際に南沙で高齢者医療券を利用できるようになることを意味し、香港医療モデルの南沙での定着が加速しました。


*南沙区広州・香港協力医療共同体構築プロジェクト:香港・マカオ居民向けの健康サービスセンターの建築、高齢者医療券の利用可能範囲拡大などを含めたクロスボーダー医療共同体プロジェクト

南沙で大湾区商協本部ビル建設計画

 また、香港物流商会の鐘鴻興会長も、とあるミッションにおいて南沙にやってきました。広州と香港間のクロスボーダー物流はここ数年大きな影響を受けており、今後どのようにサプライチェーンの粘り強さを強化していくかを考える価値があると述べました。

 2月6日、香港と広州商工会の責任者と代表者、合計120人以上が交流イベントを開催し、鐘鴻興氏のミッションを進めることが叶いました。このイベントは、本土と香港の往来が再開された後、香港と広州の商工会が初めて共同で行った交流イベントでもあります。

 

 鐘鴻興氏によると、広州と香港物流協会間による事前のコミュニケーションを通じて、広州-香港物流交流連盟の設立を発起し、新しいサプライチェーンのモデルを模索しています。従来は南沙にある多くの商品は深圳を通して香港から輸出されていましたが、我々は南沙から直接香港へ、大湾区において共同で小口貨物の集荷を行い海外に運びたい、と述べました。

 

 イベント期間中、商工会及び企業は、初期段階における南沙との実務的な協力や投資の経験を共有し、両地の商工会間の協力を緊密にし、ビジネスマッチングや交流を強化する方法について深く話し合いしました。また、イベントにおいて、3組計8つの友好的な商工会代表が提携の調印を行う場面も見られました。

 

 

 

 

【参考資料】

 

・【中国-香港間の往来全面再開 香港から80人の大型視察団が早速南沙を訪問】

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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