第1四半期広東省クロスボーダー人民元決済額、前年同期比12%増【大湾区情報レター Vol.103】
- 公開日 2026.06.19 | 大湾区(グレーターベイエリア)情報
「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。
2026第1四半期、広東省におけるクロスボーダー人民元決済額は前年同期比で12%増加し、人民元及び外貨を含めた収支総額に占める割合が55%を超えました。このうち、広東省企業による対外投資および外資企業の広東省への投資資金決済における人民元の使用割合はいずれも70%以上に達しており、これは、ますます多くの企業がクロスボーダー投資・融資において人民元を優先的に選択していることを示しています。
外貨管理サービスの改革とは
広東省人民政府報道事務局が4月23日開催した記者会見にて、中国人民銀行広東省支店の外貨総合所所長、伍輝氏がこの状況を紹介しました。伍氏によると、今年第1四半期において、同行は外貨管理サービスの改革とクロスボーダー人民元利用促進という二つの面を重点的に強化し、企業の「海外進出」と「外資誘致」をサポートしてきたとのことです。
外貨管理サービス改革は「スポット的」な取り組みと「体系的」な改革の両方が進められています。これらの改革には大きな突破口が2つあり、そのうちの1つは「科匯通」業務が正式に実施されたことです。「科匯通」とは、「科学技術」 と 「資金の流れ」 を組み合わせた造語で、主に中国本土の非営利科学研究機関が海外から研究開発資金を受け取る際の越境送金の障壁を取り除くことを目的としています。
そのため、これにより、広東省の研究機関が海外の研究資金を受け入れるルートが確保され、条件を満たす研究機関は銀行で「ワンストップ」で外国為替業務を直接処理できるようになり、研究資金のクロスボーダー流動が円滑になりました。
そしてもう1つの突破口とは、「南沙金融30条」に基づき、初の米ドル建てフォーフェイティング資産のクロスボーダー譲渡業務を成功裏に終えたことです。これは、簡単に言えば、中国本土のクレジット資産を海外の金融機関に譲渡するもので、中国本土銀行の既存資産を有効活用するとともに、海外資金が大湾区の建設により直接参画できるようにするものです。
2026年第1四半期には、広東省(深圳を除く)で新たにパイロット企業が1,505社追加
「体系的」改革の核心は「信用度が高ければ高いほど利便性が高まる」という外国為替政策体系の整備にあります。
報道によると、中国人民銀行広東省支店は、クロスボーダー貿易の高水準開放パイロット事業の拡大と質の向上を継続的に推進しています。
2026年第1四半期には、広東省(深圳を除く)で新たにパイロット企業が1,505社追加され、前年同期比で大幅に増加しました。また、銀行の外国為替業務改革をさらに深め、銀行が業務展開に基づく分類結果と、自国通貨と外貨の各種円滑化政策を組み合わせることを促進しています。
第1四半期末現在、広東省(深圳を除く)における、信用度が最も高い「カテゴリー1」の顧客は約6,000社に達し、これらの企業は取引指示に基づき、約28万件、総額645億米ドルのクロスボーダー収支を処理しました。
海外発行のクレジットカード決済による「タッチ改札」など推進
第139回広州交易会では、多数の海外バイヤーが集まりました。海外から中国を訪れる人々の決済サービスを最適化することは、現在の国際的なビジネス環境を向上させる重要な要素の一つです。中国人民銀行広東省支店の副支店長である張双長氏は、
同行が「飲食・宿泊・交通・観光・ショッピング・エンタメ」という6大主要シーンを中心に、海外発行のクレジットカード決済、モバイル決済、現金決済、外貨両替の利便性向上を全面的に推進しています。
例えば、交通面では、広州地下鉄において海外発行のクレジットカードによる「タッチ改札」をサポートするよう推進し、ビザカードやマスターカードなどの海外カードがあれば改札機に「タッチするだけで通過」でき、切符を購入するために列に並ぶ必要はありません。第1四半期末までに、海外カードによる「タッチ決済」での改札は23万件を超えています。
と述べました。
同時に、同支店は訪中客消費に適した商業エリアでの決済サービス環境の整備を重点的に進め、海外からの渡航者向けの特別な消費促進キャンペーンも実施しています。例えば、広東銀聯に対し「広州交易会に来て、広州の街を巡ろう」という消費促進のスタンプラリーキャンペーンの実施を主導し、市内の2,600店舗以上が参加しています。
第1四半期には、広州を訪れる外国籍の人々による海外クレジットカードやモバイル決済を利用した消費の取引件数と金額は、前年同期比でそれぞれ85%増、69%増となり、決済の利便性が消費の活性化へと確実に結びついています。
【参考資料】
*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。
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本記事の目的:
本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。
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