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「港車北上」スキーム正式スタート 一方向あたり一日1万台以上の車輌通行可能【大湾区情報レター Vol.63】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

 「港車北上」スキームが7月1日よりスタートしました。条件を満たした香港の乗用車所有者は、事前に認可と予約の手続きをすることで香港ナンバープレートを付けた自家用車で、香港・珠海・マカオ大橋(以下「港珠澳大橋」)の珠海高速道路ボーダー経由で、広東省に入ることができるようになりました。

 港車北上スキームは、大湾区の発展を促進し、香港が中国全体の発展のためのよりよい統合を支援するために、中央政府が取った重要な政策の一つです。 以前は、香港居住者が車で中国本土に乗り入れたい場合は、広東省と香港の両方のナンバープレートを申請、取得する必要があり、申請の壁は比較的高いものでした。スキーム実施後、香港居民は、18歳以上で香港居民が中国に出入境のために使用する「回郷証」(正式名称「港澳居民来往内地通行証」)を所持していれば、香港で本人名義の乗用車の臨時入境用のナンバープレートを申請することができます。香港の約45万人の自動車所有者がこのスキームの恩恵を受けることが可能になります。 

 

 本スキームでは、香港の乗用車は一時入境用のナンバーの有効期間内であれば中国本土に入境する毎に最大連続30日間滞在することができ、年間の累積滞在日数は最大180日となっています。

 

 本スキームは、香港市民が短期間の親族訪問、ビジネス、観光のために広東省に行くための新しいチャンネルを提供します。香港の運輸物流局局長(Transport and Logistics Bureau)である林世雄氏は、このスキームは香港人の中国本土に対する理解と知識を高めるだけでなく、大湾区全体への香港市民の統合を促進すると述べました。

ボーダー処理能力の向上 一日の一方向あたりの処理能力は1万台を超える


 これに先立ち、今年1月1日にはマカオの「澳車北上」スキームがスタートし、現時点で港珠澳大橋の珠海高速道路ボーダー経由して、中国出入境するマカオナンバープレートを付けた乗用車数は延べ40万台を超えました。

 

 一国二制度の枠組みの下、広東省、香港、マカオが共同で建設した初のメガ越境インフラ施設として、港珠澳大橋は大湾区の相互接続のための重要なチャンネルとなっていました。港珠澳大橋の珠海高速道路ボーダーは、港車北上と澳車北上スキームに指定された唯一のボーダーです。現在、当ボーダーにて出入境する旅客数は3,000万人を超え、今年5月時点で、当ボーダー経由の輸出入総額は6,390億人民元に達しました。

 港珠澳大橋の珠海高速道路ボーダーは、出境・入境のために各22の乗用車レーンを備えており、設計上の1日のボーダー処理能力は一方向あたり8,700台となっています。昨年より珠海市はワンストップシステムに多くの改良を実施し、ボーダー手続き能力を強化しています。最新の推計データによると、現在のボーダーの一方向あたりの処理能力は1時間あたり約550台となっており、1日平均のボーダー処理能力は約13,000台に増加しています。

交通サービス最適化 駐車システムのアップグレード

 

 交通業務サービスの面では、珠海市は交通警察支隊車両管理事務所に「香港・マカオ車両業務オンラインセンター」と、港珠澳大橋交通警察大隊にサービス窓口を開設し、香港・マカオ居民が一時入境ナンバープレートの申請、中国本土運転許可証の申請および更新、交通事故・交通違反処理などの相談サービスを提供しています。

 珠海市は、高速道路に乗り入れる香港・マカオのみのナンバー車両の需要を考慮し、管轄する高速道路の有人料金所レーンに香港・マカオのナンバープレート情報をマニュアルで入力する機能をすでに導入しており、自動識別装置のアップグレードを積極的に実施しています。さらに、交通部道路ネットワーク検査センターもETC普及プログラムの検討・策定に向けた取り組みを急いでいます。

 

 また、車の所有者にとって、いかに便利に駐車が行えるかは大きな関心事になります。珠海市は駐車施設建設のための特別プロジェクトを計画し、香港とマカオのみのナンバープレートの番号を識別する機能の普及を促進し、景勝地、学校、病院、ホテル、公共の文化施設やスポーツの施設におけるスマート駐車システムを推進しています。

 

 同時に珠海市は、公共駐車場の建設計画、道路の全面的改良、駐車などの静的交通資源の活用、路上駐車スペースの設置などを通じて、都市部の駐車スペース供給不足を補う努力を進めています。これまでに、約9,600台分の公共駐車スペースが新たに整備されました。

 

 

 

【参考資料】

・「港車北上」スキーム正式スタート 一方向あたり一日1万台以上の車輌通行可能

 

 

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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