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前海、2024年「一号文」通達発行、深圳香港の人工知能産業集積区構築のための取り組み強化【大湾区情報レター Vol.75】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

  

   

 

 

  2024年の第一営業日、前海管理局は「一号文」(深圳市前海・香港現代サービス業協力区管理局の人工知能の高品質発展及び高度な応用支援に関する措置)(以下、本措置)を公布しました。

 

 本措置は、前海が人工知能の発展に真剣に取り組む姿勢を示しています。国際競争力を備えたオープンイノベーションのエコシステムを築くため、国内外のイノベーション・リソースを集め、人工知能産業の応用拡大を推進することを目指しています。また、サービス業と製造業のトランスフォーメーションとアップグレードにも積極的に取り組みます。


前海における人工知能の高品質な開発と高度な応用を包括的にサポート

 

 本措置は、人工知能開発における重要なポイントや困難な点に焦点を当て、計16の具体的な施策を提供しています。まず1つめは「前海方案」と「前海総計画」に基づき、現代サービス産業のイノベーション発展を促進し、深圳香港人工知能産業集積区を形成し、前海に人工知能企業を集結させることを目指します。さらに、家賃補助、所得税優遇措置、成長奨励、投融資支援など、多角的な政策支援とリソース保障を提供することで、優れた人工知能企業の進出と集積を後押しします。

 

 2つめは、人工知能産業の発展に重点を置き、コンピューティング・パワー、アルゴリズム、データの3大要素に着目し、重要なリソース供給能力を強化します。社会の力を結集し、制度的なイノベーションの優位性を生かし、ファクター・バリューの潜在能力を最大限に引き出します。人工知能の応用デモシーンの構築を支援し、「大規模モデル+産業」の応用イノベーションを推進し、スマートカーや低高度空域インテリジェント交通などの新たな産業分野の展開を促進し、人工知能企業のビジネス領域を拡大します。

 

 3つめには、対外開放と制度上のイノベーションにも注力し、前海深圳香港の協力関係と国際化の優位性を活かし、国内外の人工知能イノベーション・リソースの導入を支援します。オープンで包括的な産業交流と産業監督環境を整備し、人工知能イノベーションチェーン、産業チェーン、資金チェーン、人材チェーンの深い融合と発展を促進します。


インテリジェント・コンピューティング・プラットフォーム建設 最大2,000万人民元の支援

 

 人工知能産業のエコシステムの発展に向けて、前海は世界トップ500企業や国家レベルのイノベーション・キャリアに対し人工知能イノベーション・センターの建設をサポートし、最大500万人民元の支援を提供します。また、前海人工知能集積区に進出する人工知能企業には、年間最大300万人民元の家賃補助が支給されます。さらに、国家レベルの人工知能産業組織が前海に進出する際には、50万人民元の奨励金が支給されます。

 

 人工知能のキーファクター供給の強化においては、コンピューティング・パワーの面では、インテリジェント・コンピューティング・センターやコンピューティング・パワー・スケジューリング・プラットフォームの構築を支援します。単一のプラットフォームに対し最大2,000万人民元の支援が可能です。アルゴリズムの面では、科学技術研究分野の人材スキーム“オープン競争メカニズム”にて、人工知能のコア・アルゴリズムなどの領域における科学技術的研究を推進します。単一プロジェクトにはに対し最大500万人民元の支援が可能です。データ面では、深圳-香港間のクロスボーダーデータの流通と取引を先行させるため、積極的にデータサービス企業を誘致し、データの価値を最大限に引き出します。

 人工知能の応用デモンストレーションに関しては、前海は企業の自主研究開発・公開発表する人工知能産業の大規模モデルを支援し、最大100万人民元の奨励金を提供します。また、前海人工知能応用デモンストレーション・プロジェクトに認定された場合、最大200万人民元の支援を受けることができます。前海企業がスマートカーの商業化パイロット・プロジェクトを展開する場合、最大1,000万人民元の支援が可能です。さらに、低高度空域インテリジェント交通のパイロット・プロジェクトや電動垂直離着陸機(eVTOL)商業航路の開設に取り組む場合、最大200万人民元の奨励金が与えられます。

 

 

前海、世界の人工知能パイオニア地域構築に全力

 

 近年、前海は主に汎用大型モデル、コンテンツ生成、コンピューティング・パワー・チップ、スマートカーなどの細分領域に注力し、産業大型モデル、知的エージェント、ロボットなどの新たな分野を展開し、センスタイム、思謀科技(SmartMore)、小馬智行(Pony.ai)、粤十科技、影石創新(Insta360)など、優れた人工知能企業を育成しました。更なるインテリジェント・コンピューティング・パワーの基盤整備を進め、センスタイム、ファーウェイを始めとする大手企業と連携し、深圳香港人工知能コンピューティング・センターを創設し、大湾区における一体化コンピューティング・サービス・プラットフォームを立ち上げました。こちらのプラットフォームでは、コンピューティング・パワーの調整、取引、応用、セキュリティなどのサービスを、一括して提供します。

 

 また、人工知能の革新的な応用シーンの構築を加速させていきます。SmartMoreによる業界初の産業向けマルチモード大型モデル「IndustryGPT」のリリースや、Pony.aiが深圳市で初めての「スマートカーの無人自動運転テスト」許可を取得したことなどが挙げられます。また、前海粤十傘下の粤立ロボットは、全世界で初めての人工知能による冷蔵チェーン全体をカバーするロボットを開発しました。また、Insta360は、独自に開発した人工知能画像処理技術を活用し、衛星を利用した「衛星第一視点」の没入型体験を実現しました。前海合作区では、2023年第3四半期までにソフトウェアおよび情報技術サービス業の売上高が65.5%増加しており、人工知能産業の発展に堅固な基盤を築きました。

 

 

 

 

・前海、2024年「一号文」通達発行、深圳香港の人工知能産業集積区構築のための取り組み強化

 






 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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