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クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクトがフェーズ2.0へ移行【大湾区情報レター Vol.77】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

  

    

 2月26日より、改訂版「大湾区における『クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクト(跨境理財通)』パイロットスキーム実施規則」が施行され、クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクトが正式にフェーズ2.0へ移行されました。フェーズ1.0と比べ、以下の5つの面でスキームがより最適化され、アップグレードされています。

  1. 投資家の参加要件の緩和

 投資家が参加する利便性を更に高めるために、参加要件緩和策として、「南向通」(以下「サウスバウンド」)を利用する中国本土投資家の参入制限である社会保険または個人所得税の継続納税期間が「5年」から「2年」に引き下げられた。同時に、家庭の金融資産の資格基準の一つとして「直近3年間の本人の平均年収が40万人民元を下回らないこと」が追加された。

 

  1. 個人投資家の投資限度額の引き上げ

 個人投資家の投資限度額は、100万人民元から300万人民元に引き上げられた。個人が同時に銀行と証券会社の両方を通じて参加する場合は、それぞれ150万人民元の投資限度額が与えられる。

 

  1. 参加機関の範囲を拡大

 フェーズ2.0では、パイロットスキームの範囲が様々な角度から拡大され、中でも証券会社のスキーム参加が追加され、その参加方法や関連業務に関する取り決めも明確化された。

 

  1. 投資商品の範囲の拡大

 「北向通」(以下「ノースバウンド」)の投資商品の範囲に、中国本土で取り扱っている銀行の人民元預金商品が追加された。また公募証券投資ファンドの対象範囲も本来の「R1からR3のリスクレベル」から「R1からR4のリスクレベル」に拡大された。(商品先物ファンドを除く)

 

  1. 広報・販売体制の最適化

 クロスボーダー広告・販売に関するガイドラインの整備を含むクロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクトの業務処理プロセスの最適化・明確化。

 

 2024年1月末時点で、クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクトに参加している大湾区の個人投資家は7.1万人で、そのうち香港、マカオの個人投資家は4.6万人、中国本土の個人投資家は2.5万人です。クロスボーダー資金移動額は138億人民元であり、その内訳は「サウスバウンド」130.13億人民元、「ノースバウンド」7.87億人民元となっています。

 銀行はかねてよりクロスボーダー・ウェルス・マネジメントの主力参加者となってきました。フェーズ2.0の正式スタートにより、銀行にとっても継続的なチャンスがもたらされています。

 

 恒生(ハンセン)銀行ウェルス・マネジメント&パーソナル・バンキング部門責任者である李樺倫氏は「『クロスボーダー・ウェルス・マネジメント』は、特に(コロナ禍後の」ボーダー開通後のウェルス・マネジメント業界に新たな発展の機会をもたらしました。2023年には、恒生『サウスバウンド』の口座開設人数は前年比3倍以上に増加しました。投資家の需要に応えるだけでなく、新たな最適化措置は香港のオフショア人民元市場の構築にも貢献し、国際金融センター、オフショア人民元金融センターとしての香港の地位をさらに強化するものです。」と述べています。

 

 

 

 

・クロスボーダー・ウェルスマネジメント・コネクトがフェーズ2.0へ移行

 

 






 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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