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広州中級人民裁判所、大湾区に司法改革・革新のリーディングゾーン構築のための意見を発表【大湾区情報レター Vol.15】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

6月16日、広州裁判所によるビジネス環境の構築の保護について特別会議が開催され、5分野にわたる50の作業計画を含む「大湾区における司法改革と革新を牽引し、よりグローバルなビジネス環境の構築に対する司法サービスの提供および保護を行い、広州の更なる発展に関する広州中級人民裁判所の意見」(以下、「意見」)を発表しました。

 

今回の「意見」の発表により、広州市中級人民裁判所はビジネス環境における法の支配の強化を推進し、より競争力のある国際的なビジネス環境の構築を考えています。

 

 

司法改革イノベーションの最先端地区構築について初の言及

広州市中級人民裁判所党組書記兼院長の王勇氏は発表会見において、今回初めて言及された広州での最先端地区構築に至った主な理由について、広州市の裁判所の、裁判執行、司法改革、インテリジェント裁判所建設、チームビルディングなどの様々な面での優位性、   および、 中国初の「司法改革イノベーション研究実践(広州)基地」、および「5Gスマートコート」が広州中級裁判所でスタートした事など、イノベーションゾーンの建設に向けて、しっかりとした基盤を築き、豊富な経験を蓄積してきているという2点にあると述べています。

 

「意見」は、「4つの新」(新技術、新業態、新産業、新方式)経済の司法保護を推進し、競争とイノベーションの相互作用、知的財産権の厳格な保護と金融市場の法的ガバナンスの推進、土地、労働、資本、技術の各要素の司法保護を強化し、広州が中国全国、そしてさらに世界中のリソースを誘致できるようになるために全面的に取り組んでいます。

 

 

広州、スマート化、効率化により大湾区の破産再編センターを目指す

「意見」では、広州を大湾区における破産再編センターとして推進することを提案しています。広州中級裁判所では、システム化による破産手続きのサイクルの短縮、コストの削減を実現しており、それら破産更生手続きを積極的に推進し、債権回収率を高めており、今後もさらなる「スマート化」を進め処理レベルを向上させていくとされています。

 

また、裁判所、検察官、司法局、仲裁委員会などが、司法ブロックチェーンアライアンスを形成し、データの相互承認による司法の全体的な効率向上を目指します。司法の分野にてより多くの「広州スタンダード」の導入に焦点を当て、知る権利、参加権、監督権の保護の強化、司法開示の標準化と情報化を進め、開示システムの従来の一方通行から多方向への情報相互変換を促進し、司法活動と訴訟結果をより公正、透明、予測可能にします。

 

 

大湾区における司法協力のためのプラットフォームの構築を推進

「意見」では、海外関連案件にふさわしい管轄制度を構築し、中国の法律を厳格に遵守し、司法権を維持すると同時に、中国と海外のマーケット関係者に普遍的で平等な司法サービスを提供することに重点を置いています。

 

国境を越えた司法サービス支援を実現させるため、広東、香港、マカオの弁護士事務所と協力をし外国法とその適用方法の調査を行い、国家トップレベルの「外国法調査プラットフォーム」構築を推進しています。また、国際訴訟への影響力と信頼性を高めることに重点を置き、中国の民事訴訟の基本原則に基づき「一帯一路」建設関連案件における専門の合議制裁判所の設置を目指し、「専門家証人」や「陳述の真実性」等の国境を越えた訴訟ルールのコンバージェンスの調査、推進を行います。

 

また、広州市南沙での国境を越えた商業紛争解決センターの設立、香港、マカオ、台湾が関与する国際訴訟の窓口の開設、大湾区における司法協力のための公共プラットフォームの設立、深圳との訴訟サービスのメカニズムの共同構築推進、香港・マカオの司法関係者、弁護士、専門家、学者との交流・セミナー実施、「広州司法シンクタンク」における国際ビジネスに対応する司法人材の招致、育成などについても述べられています。

 

 

 

【参考資料】

広州中級人民裁判所 大湾区に司法改革・革新のリーディングゾーン構築の意見を発表

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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