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第4四半期スタンダード・チャータード・大湾区経営景況感指数発表 企業の景況感見通し弱まる【大湾区情報レター Vol.29】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。

 

 

 

 

 スタンダードチャータード銀行と香港貿易発展局(HKTDC)が共同で発表した「大湾区経営景況感指数(GBA Business Confidence Index、以下「GBAI」)」によると、大湾区企業の景況感が弱まっていることが反映されました。データ(図1参照)によると、GBAIの企業活動「実績値」は、第3四半期の52.7(中間値50)から第4四半期の50.3へと2.4ポイント低下し、2期連続での減少となりました。

 

 一方、香港については好調で、「実績値」は第3四半期の47.6から第4四半期の50.1へと2.5ポイント上昇し、2020年第2四半期におけるGBAI調査開始以来、初めて中間値の50を上回り、前期比上昇率は各都市で最も高い伸びとなりました。 HKTDCのリサーチ部門副総監のビリー・ウォン(黄醒彪)氏によると、これは香港がコロナ禍の後、ようやく経済成長を取り戻しつつあることを示しています。

 

 ウォン氏は、GBAlの大湾区全体の「実績値」は、電力不足やコスト圧力の影響を反映してゆるやかなプラス傾向にあると指摘しています。 また、非製造業の景況感は、規制強化や各地でのコロナ流行の散発的な発生による影響を受けました。 もし「新規受注」の順調な伸びと企業の最終価格へのコスト転嫁ができていなければ「実績値」は中間値の50を下回っていたかもしれません。 また産業別の細かい数値を見てみると、製造業と小売業がともに不調となりました。

 

 しかし、異なるレベルでの下落を経て、すべての産業においてゆるやかな回復が見られる、とウォン氏は説明しています。 第3四半期に全般的に前期比低下した後、第4四半期には5つの「実績値」産業セクターのサブインデックスのうち3つが回復しています。最も上昇したのは「プロフェッショナルサービス」で、5.6ポイント上昇しました。

 

イノベーションとテクノロジー産業がリード

 

 

 

 各産業のうち、「イノベーションおよびテクノロジー」と「金融サービス」がさらに大きくリードしました(図2参照)。前者は規制に対する粘り強さを示し、後者は特に一部の不動産企業に関連した信用不安の高まりを相殺するために最近強化された政策支援の恩恵を受けていると思われます。 一方、「製造業および貿易業」は3.1ポイント、「小売業および卸売業」は0.8ポイント低下しました。

 

香港が好調

 

 

 都市別に分析すると、香港と仏山のみが前期比で改善しており、その他都市の「実績値」については50を下回りました(図3参照)。 これは、香港がコロナ流行の後、ようやく経済的に回復していることを示しているとウォン氏は考えています。 香港の「ゼロコロナ」政策は、香港内消費の促進に効果的であり、依然として好調な中国本土の対外貿易から恩恵も受けています。 また香港はサービス業や貿易業などのサービス属性の産業がメインであるため、生産コスト上昇や中国の電力制限の影響を受けにくいという特徴もありました。 これらの要因により、香港は緩やかな回復を維持しており、2022年も同じメリットによりこの勢いが続くとウォン氏は期待しています。

 

 2022年の香港経済のパフォーマンスの展望について、スタンダード・チャータード・大湾区シニア・エコノミストであるケルビン・ラウ(劉健恒)氏は、2021年のチャレンジが引き続き継続するとし、GBAIは短期的には52-53の高値まで上昇し、概ね50前後で推移するだろうと述べています。「香港の回復は実際他の地域に比べて遅いが、それは効果がより持続的であることも意味しており、内部経済の改善に伴い、GBAIは引き続き上昇する可能性があります。 しかし、今年は新型コロナウイルス変異株流行の影響が懸念され、今後の推移を引き続ぎ見守る必要がある」ともラウ氏は指摘しています。

 

 

【参考資料】

・第4四半期スタンダード・チャータード・大湾区経営景況感指数発表 企業の景況感見通し弱まる (香港経済日報 2022年1月4日)

 

・GBA Index (Standard Chartered Bank)

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

 

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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