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【香港】ビジネスが行われていない香港会社の税務申告とは

香港で会社を設立して、「ビジネス活動」を開始した場合は、財務諸表を作成し、会計監査を受け、そして法人税の申告を行わなければなりません。

 

しかし、もしも会社を設立した後に、何らかの理由で一切のビジネス活動を開始していない、または、一旦活動したものの、その後ビジネス活動を停止した会社(清算もせず)であれば手続きが変わってきます。

 

自然休眠会社と正式休眠会社:

ビジネス活動を一切行っていない会社のことを、「休眠会社」と呼びます。この休眠会社は、会社登記所および香港税務局に対して正式な休眠手続きを行った”正式休眠会社”と、その手続きを行っていない、つまり、ただほったらかしにしている、”自然休眠会社”の2種類になるかと思います。

 

香港会社は毎年度、財務諸表を作成し、そして法定監査を受けなければなりませんが、正式な休眠会社は、その監査を受ける必要がありません。一方で、ただほったらかしにしてしまっているだけの自然休眠会社は、将来的に税務局の判断により法定監査を受ける必要があると通知される可能性があります。

 

 

 

休眠会社の税務手続きについて:

どういうことかというと、正式休眠会社であったとしても、自然休眠会社であったとしても、香港税務局から法人税申告書が発行されることがあります。発行された場合は、休眠会社であったとしても申告しなければならず、またビジネス活動を行っていない状態のため、申告方法は、利益、損失を申告しない“ゼロ申告”の形式で行うことになります。

 

自然休眠会社の場合、正式な手続きを踏んでいないため、この申告後に、休眠会社であるかどうかを判断するために質問状が発行されたり、最終的に監査を受けた財務諸表を提出するよう要求されることになるかもしれません。(可能性は低いですが。)

 

 

 

あなたの会社は本当に休眠会社?:

ビジネス活動を行っていないので、自分の香港法人が休眠会社だと判断していたとしても、香港税務局が同じ判断を下すとは限りません。

 

香港税務局の休眠会社と判断する傾向として、会社秘書役員、商業登記証の更新費用などの法定費用や、香港法人を維持することに最低限必要な費用のみが発生している会社を休眠会社とする傾向にあるようです。

 

休眠会社とは、あらゆる商活動(貿易、製造、投資、サービス、その他を含む)が停止している状態であるため、収益が全くなかったとしても、売買に掛かる費用はもちろんのこと、法定費用以外の費用が発生している場合や、投資、株式譲渡、配当金の支払・受取等が発生している場合は、ビジネス活動としてみなされる可能性があることに気をつけてください。

 

 

 

 

 

休眠会社の注意点:

休眠状態期間においても、会社秘書役の任命および商業登記証の年次更新手続きは引続き必要となります。また、年次報告書(Annual Return)の提出や年次株主総会(Annual General Shareholder’s Meeting)の開催については、正式休眠会社は免除されますが、自然休眠会社は手続きを踏んでいないため、引き続き毎年の手続きが必要となります。

 

それから、休眠会社の間に発生した費用は、税務上損金として計上し、繰越損失として来期に持ち越すことはできず、また株式譲渡や増資なども実施できません。

 

また銀行口座の閉鎖は強制ではなく、会社維持のための最低必要経費の支払目的以外での口座の出入りがない前提であれば、口座維持において大きな問題がないとは思いますが、口座を保有することで発生する利息収入などを考慮すると閉鎖されることをお勧めいたします。

 

自然休眠の状態であれば、特に手続きを踏むことなくビジネスをすぐに再開することができますが、正式な休眠手続きを踏んでいる場合は、ビジネス再開の手続きが必要となります。

 

 

 

 

もしも香港に会社を設立しているけれど、ほったらかしにしてしまっている状態で、何がどうなっているか分からない!というようなご状況でお困りであれば、一度お問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
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