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会社を閉じる前に、念のために残しておきたい – 休眠会社

香港に会社を設立したものの、現時点においてビジネス活動がなくなり、しばらくの間新しいビジネスが開始する予定もないので、会社を閉じようかと考えている。ただ、もしかしたら、将来的にビジネス再開の見込みがあるかもしれないので、閉じる前に、会社を残しておきたいのだけれど、売上がないので会社の維持費用を限りなく抑えたい!

 

もしも御社がそんなことをご検討されているのであれば、会社登記所(Company Registry、以下「CR」)で会社を休眠状態にする手続きを行えば、最低限のコストで会社を維持することが可能です。

 

以前、「【香港】ビジネスが行われていない香港会社の税務申告とは」という記事にて、休眠会社の税務申告についてご紹介いたしましたが、今回はその記事の中の“正式休眠会社”の手続きについてご紹介させていただきます。

 

休眠会社というのは?

休眠会社(Dormant Company)とは、その名の通り、ビジネス活動が一切行われていない、休眠状態の会社を指します。今回の記事でいう休眠会社とは、以前の記事でお話しした“正式休眠会社”とします。

 

正式休眠会社がどのような状態かといいますと、その会計年度において、会計取引が一切発生しておらず、また資産や負債を抱えていない会社(別途条件により保持できる資産や負債を除く)が、株主総会の特別決議を行い、CRへその決議書と休眠申請を行った会社のことを指します。

 

そして休眠申請を行った後は、ビジネス活動や取引ができない状態となるため、銀行口座の閉鎖手続きについては、会社法上定められているわけではありませんが、保有している銀行口座から発生する利息収入や手数料についても、取引に含まれるしまうため、結局のところ銀行口座は閉鎖する必要があります。

 

また、「会社条例」第2章によると、免除される取引は、香港の条例に基づき会社が支払うべき費用の支払いによる取引のみとなります。
(例:会社の商業登記証(Business Registration、以下「BR」)の更新費用など)

 

休眠会社にするメリットは?

冒頭でもお伝えしたように、休眠会社にすることで、会社維持コストを最低限に抑え、一般的に香港会社が年次に行わなければならない以下のタスクも免除されます:

 

1)CRへ年次報告書(Annual Return/ AR)の提出

2)年次株主総会(Annual General Meeting)の開催

3)年に一回の法定監査

4)税務申告(税務局より税務申告書が発行されない限り)

 

 

休眠状態であっても順守する必要があること

その代わり、以下のいくつの点において順守する必要があります:

 

a)株主、取締役、会社秘書役を最低一名を維持

b)香港内の登記住所を維持

c)会社の登記事項に変更があれば、CRに通知する必要がある (例:取締役の変更など)

d)BRの更新

e)税務申告(税務局より申告書が発行された場合)

 

 

本当に休眠会社にする必要がありますか?

休眠会社の休眠期限は設けられておりませんので、もしも将来的にビジネス再開の見込みが少しでもある場合、会社の閉鎖ではなく休眠状態にしておけば、CRへ再開の手続きを行うことで、いつでもビジネスは再開することが可能です。(*銀行口座の開設なども必要となりますが。)

 

会社名を残しておきたい、または将来起こるであろうプロジェクトのために備えておきたい、というのはよく耳にする休眠会社の状態にしておく理由です。

 

ただ、上記のような理由が特になく、香港会社の必要性がなくなりましたら、登記抹消の手続きを行い、会社を閉じるといった選択肢もあります。休眠会社にしたものの、結局数年後、ビジネスを再開せずに、登記抹消手続きに進めるケースも少なくありません。

 

もし現在休眠会社にしたほうがよいのか、それとも会社を閉鎖したほうがよいのか、どちらを選択するべきかお悩み中、またはこれらの手続きについて詳しく知りたい方は、いつでもお気軽にお問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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