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恵州市の高品質な発展を支えるイノベーション【大湾区情報レター Vol.47】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


  

 

 

 近年、恵州市はイノベーション主導の発展戦略を継続的に実施し、科学技術イノベーションシステムの構築を加速させ、基礎科学、研究成果の実用化、ハイテク企業の育成に力を注ぎ、恵州産業の発展とグレードアップを進めています。

 

 昨年時点で、恵州には2,091社のハイテク企業と1,862社の技術系中小企業が存在しています。この過去最高の数字の背景には、恵州市の科学技術企業クラスタが継続的に成長していることがあります。今年1〜8月、恵州市の先進的製造業の付加価値は11.2%増で、市の一定規模以上工業付加価値の66.6%を占め、ハイテク製造業の付加価値は8.2%増と、市の一定規模以上工業付加価値の38.9%を占めました。

 

大型科学設備と東江研究室で人材結集

 

 近年、恵州市は基礎科学の分野で2つ大型科学装置の建設を精力的に推進しています。また、恵州市の科学研究基盤を強化し、恵州市のイノベーション発展の原動力と「貯水池」を形成するため、先進エネルギー科学広東省技術研究室(以下「東江研究室」)のような産業応用を目的とした科学研究機関の建設を加速しています。

 

 CiADS(China Initiative Accelerator Driven System)とHIAF(Heavy Ion Research Facility at Lanzhou) という二大科学装置の建設が着々と進んでいます。紹介によると、これら2つの装置の建設は着実に進んでおり、投資額は68億人民元と推定され、国内外から約1,500人の科学者が恵州に集まり科学研究に従事し、エネルギーなどの分野で多くの独自の科学研究成果を生み出すことになると予想されます。

 

 一方、東江研究室の建設も進んでいます。恵州市にコア実験室を建設し本部も併設、仏山、陽江、雲浮、汕尾に分室を設置する予定です。二大科学装置と恵州で優勢の石油化学工業を頼りに、先進的な原子力エネルギーと化石エネルギーに焦点を当て、エネルギー分野の主要な科学的問題を解決することに力を注いでいます。

 

 二大科学装置と東江研究室の人材チームに対し、恵州市は優遇策を講じています。恵州市は中国科学院恵州の二大科学装置と東江研究室のハイエンド科学研究人材の導入を支援するために、科学研究資金一括投入制度の実施を模索し、定員制の管理チャネルを開放し、人材の住宅購入の優遇政策を実施することによりハイエンド人材の仕事や起業の悩みを取り除いていく、と市科学技術局の黄輝局長は、紹介しています。



企業の研究開発投資を誘導する「オープン競争メカニズム」プロジェクト

 

 大型科学装置や研究プラットフォームの構築はイノベーションの原動力となりますが、この力を、より多くの産学研究協力を通じて、企業生産のための応用技術に転換することが必要です。

 

 したがって、市科学技術局は、昨年より科学技術研究 “オープン競争メカニズム”プロジェクト(以下、「公募型重要プロジェクト」)のうち主要分野の2つのラウンドのプロジェクト申請を開始しました。このスキームでは恵州市の主要産業分野の企業(技術を求める側)の解決が難しい大きなニーズを重点に、リストを一般公開し、有能者(技術提供側)から解決策提案の応募者を募り、審査を通った優れたプロジェクトには資金援助が行われました。昨年、恵州市は最初の8つの公募型重要プロジェクトを発表、最終的に11の提案が選ばれ、1億8千万人民元の企業の研究開発への投資を呼び込みました。


 公募型重要プロジェクトは、産学研究連携の新しい有効な手段を提供するものであり、産業界からも好評を得ています。今年の計画では、広東省の20の戦略的産業クラスターと恵州の「2+1」重点産業発展方向に属する11の適格プロジェクトを募集しており、多くのプロジェクトが研究開発に最大3,000万人民元を投資しています。

 

 近年、恵州市は科学技術の成果を移転・転換するためのメカニズムやモデルを積極的に模索しています。例えば「恵州市科学技術局の科学技術成果の転換と実用化の奨励に関する暫定措置」を導入し、科学技術資源の効率的な配分と総合的な統合を促進しています。9月末現在、恵州市は今年388件の認定技術契約を登録し、技術契約の売上高は10億3,000万人民元に達しています。同時に、インキュベーション・育成システムの構築も加速され、仲愷ハイテク区、大亜湾区、恵城区にそれぞれ電子情報、精密化学、インターネットを特徴とする3大インキュベーションチェーンを形成し、合計1,783社の企業がインキュベートされました。

 

2025年までにハイテク企業5,000社の目標

 

 近年、恵州市は「恵州市ハイテク企業高品質発展実施計画」、「恵州市ハイテク企業育成発展行動計画」など、ハイテク企業の育成を促進する政策を相次いで導入しています。また、市長を第一招集者とし、市の各部・県(区)の主要担当者をメンバーとする合同会議システムを構築し、恵州市の科学技術系企業の量と質を高水準で推進しています。

 

 2021年、恵州市のハイテク企業の数は2,091社に達し、過去5年間の恵州市のハイテク企業の数の年平均成長率は36.7%に達し、省の平均成長率より8.4ポイント高くなっています。2022年、恵州市のハイテク企業認定を申請した企業は1,406社ありました。計画によると、2025年までに恵州市のハイテク企業の目標を5,000社にするとしています。

 

ハイエンド人材誘致・育成プログラムを実施                   優秀な若手科学技術人材の恵州でのイノベーションと起業を支援

 

 近頃、恵州市は記者会見を開き、最近導入の「恵州3.0人材政策」、すなわち「新時代の人材強都市の建設を加速する意見」を紹介し、「恵州市ハイレベル人材の特定、評価、推薦のための措置(試行実施)」を導入しました。

 

 市科学技術局の黄輝局長は、イノベーションプラットフォームとそのキャリアの建設を強化し、人材の活力を活性化する制度メカニズムを改善し、人材を刺激し支援する政策システムを最適化することにより、恵州は科学技術とイノベーションの人材を強力に誘致していくと紹介しました。2025年までに、100人の新しい科学技術リーダー人材、50のイノベーションと起業チームを誘致し、育成するのが目標です。

 

 

 

【参考資料】

 

・恵州市の高品質な発展を支えるイノベーション

 

 

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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