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【香港】もうすぐ香港個人所得税申告期限!個人所得税申告書(フォームBIR60)はもうお手元にありますか?

 

日本の個人所得税の申告は、会社が源泉徴収し年末調整または確定申告を行うという流れかと思います。香港では毎年5月初旬に香港税務局が個人所得税申告書を各個人へ発行するため、基本的に各個人が申告書を税務局へ提出します。

 

そのため個人所得税申告書を受領し、すでに申告を終えている方、もしくはバタバタしていたのでこれから申告されるという方が、多いかと思います。個人所得税申告書の申告期限は、申告書発行日から1カ月以内(6月前半が一般的)となりますので、まだお済みでない場合はお早めにご対応いただく必要があることにご注意ください。

 

*個人所得税申告書サンプル

 

*昨年度までは新型コロナウイルスの影響で申告期限の延長がありましたが、今年度はそういった対応はないため十分ご注意ください。また正しく申告が行われなかった場合、罰則金などが課されてしまう可能性があることにもご注意ください。

 

 

ただ、当記事をご覧いただいている方の中には、「そんな書類聞いたことないし、自分のところには届いてない…」、「昨年届いたのに、そういえば今年はまだ来てない…」と心配になった方や、「今年は届いていないから申告しなくてもいいのでは…?」とお考えの方がいらっしゃるかもしれません。

 

今回は、個人所得税申告書をまだ受領できていない場合、どのような対応をしなければならないかについてお話しさせていただきます。

 

 

個人所得税の申告の流れについて

個人所得税申告書(フォームBIR60)が5月初旬に発行される前、実はまず4月初旬に香港税務局が各企業へ、各従業員へ支払った報酬金額を申告するための、「雇用主支払申告書(BIR56AおよびIR56B)」を発行します。そのため、まず最初に雇用主が各従業員の報酬の申告を税務局へ行います。

(*詳細は香港4月の税務季語”Employer’s Return”(雇用主支払い申告書)”をご覧ください。)

 

 

そして次に、税務局は各従業員など個人宛に個人所得税申告書を発行します。1つの会社のみに勤めている方は、先に雇用主が申告した内容を、この 個人所得税申告書に記載して申告することになるかと思います。

 

そのため、恐らくここ1カ月くらいの間にIR56Bというフォームのコピーを雇用主から受け取っているのではないかと思います。こちらに当税務年度(2022年4月1日~2023年3月31日)にご自身が雇用主から受け取った総支給額などが記載されているので確認してみてください。

 

 

そして、この個人所得税の申告手続きを終えてから数か月後(8~11月頃)に、税務局より納税通知書が各個人へ発行されます。この納税通知書に納税しなければならない金額と、納税期限が記載されておりますので、よく内容をご確認の上、期限内に納税するようにお気を付けください。

 

 

 

どうして自分のもとに個人所得税申告書が届かない? ~ケース別対処法~

さて、冒頭で話した個人所得税申告書が届いていないという方、届いていないと考えられる理由は5つあります。

 

 

1. 就労開始から日が浅い

従業員を新しく雇用し始めた際、企業は3か月以内に税務局へ雇用開始通知書(フォームIR56E)を提出する義務があります。

 

通常この申告により税務局は新規就労者(納税者)を認識しますが、特に香港赴任1年以下の場合、税務局はこれをきちんと把握するまでに時間を要するため、個人所得税申告書の発行が遅れている場合があります。

 

 

 香港赴任1年以内だとしても、個人所得において納税金額が発生しており、個人所得税申告書を受領していない場合は、税務局へその旨を申告対象年度終了日となる3月末より4か月以内の7月31日までに通知する必要があります。その通知後、5カ月以内に税務局より申告書が発行されます。

 

 

 

2. 個人所得税が発生しない場合

先に会社が申告した従業員の申告内容において、毎年政府が設定する個人所得税控除額より総所得の金額が少なかった場合は、税務局が個人所得税申告書をそもそも発行しない場合があります。

 

 

 上記1とは異なり、税務局への依頼・通知などは不要です。ただし、納税金額が発生しなくても申告書を受領した場合は、申告の手続きは必須です。

 

 

 

3. 過去に納税金額が発生しなかった

上述2のケースのように、過年度の総所得金額が控除金額を下回っていた場合、当年度の雇用主の申告内容において総所得金額が控除金額を上回り納税金額が発生する場合であったとしても、申告書が発行されていないケースがあります。

 

 

 この場合も申告対象年度終了日となる3月末より4か月以内の7月31日までに、その旨を税務局へ通知して個人所得税申告書を発行してもらう必要があります。

 

 

 

4. 最近引っ越した

1年以内に引っ越しをしている場合、申告書が手元に届かない場合があります。

たとえ4月の雇用主支払申告の際に、引っ越し先の新しい住所を記載して申告したとしても、その住所が税務局のシステムに反映されておらず、旧住所に送付されてしまう可能性があります。

 

 

 税務局へ新しい住所の届け出を行い、かつ当年度の申告書を再発行してもらうよう依頼をしなければなりません。尚、再発行されても申告期限は延長されません。

 

 

 

5. eTaxでオンライン申告に設定している

本来、税務局は紙ベースの個人所得税申告書を発行しますが、eTax(オンライン申告システム)に登録をされ、紙ではなくオンラインでの申告されることを設定している場合、税務局から紙の申告書が送られてくることはありません。

 

 

 オンラインで申告を行われるのであれば、税務局への通知や依頼は不要となります。

 

 

 

 

最後に

個人所得税申告は、その個人に責任が問われることになります。そのため申告書が届いてない場合は、ご自身のご状況をまずきちんと把握され、対象する必要があることにご注意ください。

 

また必ずしも申告書が届いていない=申告の必要がないということではありません。

冒頭でも述べたように、正しく申告が行われなかった場合、罰則金を課される可能性があることにもご注意いただきたいと思います。

 

個人所得税申告書が手元に届いていなかったり、ご自身で申告することが難しいという方は、弊社にて個人所得税申告のサポートも行っておりますので、一度弊社へお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

【参考リンク先】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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