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2023年12月27日から何がどうなる?~UBI番号、香港法人固有識別コード導入~

 

2023年も残すところあと少しとなり、仕事納めまであとわずか…ですが、香港法人にとって大きな変更が最後に一つだけあります。

 

既に会社登記所より通知を受領されご存知の方も多いかと思いますが、2023年12月27日より香港法人固有識別コード(通称UBI)の導入開始となります。

 

現在、各香港法人に振り当てられている2つの番号、BR番号(税務局発行)とCR番号(会社登記所発行)が統一されることで、今後各法人への番号はUBIの1つのみとなります。このUBI番号は登記、税務など政府関連の書類に幅広く使用されることになります。

 

大きな変更とはいえ、特に法人が何か対応しなければならないというわけではありませんのでご安心ください。現在お持ちのBR番号がUBI番号として引き継がれるため、登記変更などの必要がないためです。

 

UBI番号=BR番号=新CR番号になると認識していただいてもいいかもしれません。

 

 

UBI導入の概要およびBR番号・CR番号は、以下関連記事をご覧ください。

【関連記事】

 

 

 

では、今後BR番号を引き継ぐのならば、現在CR番号を使用している会社登記関係の書類はどうなるのか、と疑問に思った方は大正解。

 

各法人による対応は必要なくとも、UBI番号の導入に伴い会社登記所のフォームにいくつかの変更点がありました。今回はその主な変更点についてお話いたします。

 

 

 

変更1:従来のCR番号に代わりUBI番号(BR番号)を記入(様々な会社登記関係書類)

香港法人にとって特に身近な会社登記関係の書類といえば、年次報告書(Annual Return)、取締役変更(ND2A)、取締役情報の変更届(ND2B)などがあります。

現時点では書類の右上にCR番号を記入する”Company Number” 欄がありますが、UBI番号導入後は、右上の欄が、”Business Registration Number” に変更され、UBI番号(BR番号)を記入します。

 

今回のUBI番号の導入に直接かかわる変更点で、今後CR番号が必要な書類は下記のように変更されます。

 

 

例:年次報告書(Annual Return)右上部分

 

【現在】

 

 

【2023年12月27日以降】

 

 

 

変更2:住所欄の書式変更(様々な会社登記関係書類)

次に住所の記載方法に変更があります。大規模な変更ではなく、微調整といったところです。

現在は、”Address of Registered Office”という一つの枠内に全ての住所情報を記載する書式でしたが、新フォーマットでは地域・区・ストリート名と番号・建物名・部屋番号と欄が細分化されています。

 

 

例:年次報告書(Annual Return)

【現在】

 

 

【2023年12月27日以降】

 

 

 

変更3:株主情報欄の書式変更(Annual Return)

こちらも変更2に少し似ており、現在は”Particulars of Members of a Non-listed Company”および”Particulars of Members of a Listed Company”がざっくりと分けられているのに対し、今後はより詳細な枠に変更されています。追加で記入しなければならない情報はなく、より見やすい書式になったといったところです。

 

 

 【現在】

【2023年12月27日以降】

 

 

 

変更4:事業内容記入欄の追加(Annual Return, NNC1)

*NNC1とは会社設立フォームのことです。

 

こちらは変更ではなく、追加になります。現在は会社形態にチェックマークを入れるだけですが、2023年12月27日以降、Type of Companyの項目内に、“Business Nature”欄が追加されます。欄が小さいため事業内容を簡潔に記入します。

 

また”Code”という欄も追加されており、会社登記所の発行する事業性質リスト(List of Code and Description of Business Nature)に従って記入します。

 

 

例:年次報告書(Annual Return)

【現在】

 

 

【2023年12月27日以降】

 

 

 

変更5:会社秘書役ライセンス(TCSP)番号記入欄、ライセンス未取得の場合の理由欄の追加

2018年3月の“マネーロンダリング防止及びテロ資金対策条例” の施行に伴い、香港法人は会社秘書役の設置を義務付けられており、また会社秘書役業務を提供する弊社のような専門会社は、TCSPと呼ばれるライセンスの取得が必須となっています(会社秘書役に関する詳細は、香港進出をお考えの方へ:会社設立時に任命する会社秘書役とはをご覧ください)。

 

現在のフォーマットではCR番号を記入しますが、今後はTCSPのライセンス番号の記入が必要となります。

 

また、未取得の場合の理由欄が追加されましたが、エージェントなどの法人が会社秘書役業務を提供する場合、通常TCSPを取得していないということは考えにくいことであるため、使用されるとしたらよほどの理由になるかと思います(ただし、会社登記所が例外を認めている専門会社がごく僅かにあります)。

 

 

例:年次報告書(Annual Return)

【現在】

 

 

 

【2023年12月27日以降】

 

 

 

 

終わりに

UBI番号の導入により基本的に会社秘書役員よる対応が変更となり、もしもエージェントに会社秘書役員を任命している場合は、企業の対応は特に必要ないため、心配には及ばないかと思います。

 

また、2023年12月27日以降、現在のフォームが全く使用できるわけではなく、6ヵ月の移行期間が設けられているので、直近で年次報告書の提出があっても、今のところは現在のフォームで対応することも可能です。

 

 

ただし、新フォームになってからの記入方法が不安、という場合は、TSCPライセンスを取得済みの青葉へぜひお問い合わせ下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<参考リンク先一覧>>

Form NAR1” , Company Registry (Current)

Form NAR1”Company Registry (New)

List of Code and Description of Business Nature” , Company Registry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

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  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
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