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大湾区国際消費ハブプロジェクトの推進 広東省の内外循環リンクを構築【大湾区情報レター Vol.37】

「大湾区情報レター」では、今後、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をピックアップしお届けしていきます。


 

 初夏、広州、南沙港。 江西省贛州市産の家具を積んだコンテナが鉄道で港に到着し、そのまま船積みされてマレーシアのペナンまで航海し、「贛州市-南沙-東南アジア」という新しい鉄道+海路経由の輸出ルートが開通となりました。 以来、南沙を 「支点」として、贛州市など内陸地域と「一帯一路」沿線の国との貿易が双方向で実現しています。

 

 過去5年間、広東省は経済循環を制限する重要な阻害要因の排除に尽力し、円滑な流通をより広範囲に促進するために努力してきました。 昨年、広東省の対外貿易輸出入額は初めて8兆人民元を超え、消費財小売総額は4兆4,200億人民元に達し、経済的ダイナミズムは向上を続け、内外貿易の一体化発展のレベルは継続的に上昇しています。


市場の統合 質の高い貿易発展のための10プロジェクトの実施


 先日の「五一」労働節ゴールデンウィーク連休には、広東省各地でキャンプ熱が高まりました。 「今年に入ってから、アウトドアスポーツ製品の総売上高は5倍増となっています。」と広東メスカスポーツ株式会社(Mesuca Sport Guangdong Co., Ltd.)の総経理である葉偉倫氏は述べました。コロナ禍においてアウトドアレジャーなどの新しい成長点が生まれました。「中国国内でブームとなったキャンプ熱に対し「ワンタッチ式」オープンテントが多数販売され、また同時に海外マーケットにおいても、より消費者のニーズに合った商品が販売されています。」と葉氏は語りました。

 

 2021年、広東省はデジタル貿易、広東貿易グローバルブランド、主要貿易プラットフォーム、大湾区の国際消費ハブ、通関円滑化改革などを含めた「質の高い貿易発展のための10大プロジェクト」の実施を計画しました。

 

―広東貿易グローバルブランドプロジェクトを推進し、国内外貿易一体化の発展を促進:

2021年、147の「広東貿易グローバル」(粵貿全球)イベントと102の「広東貿易ナショナル」(粵貿全国)イベントが開催されたことにより、電子、インテリジェント家電、アパレル、照明など、広東省の優位性のある製品が国内外の販路を開拓し、国内外の両マーケットをスムーズにスイッチできるよう支援します。

―主要な貿易プラットフォームプロジェクトを推進し、資源配分能力を強化する:

南沙輸入デモンストレーションゾーンにおいて、自動車貿易、航空機リース、コールドチェーン物流など6大輸入プラットフォームの建設を開始し、国家レベルの対外貿易モデルチェンジ・アップグレード基地は47ヶ所に達しました。
 
―大湾区における国際消費ハブプロジェクトの推進とハブ機能の強化:

広州市は国際消費センター都市として最初に育成される5都市のひとつに選ばれ、珠海、仏山、東莞、汕頭、湛江、韶関などの市は、内需拡大による消費レベルアップをベースに地域消費センター都市として育成・建設が行われることになりました。

 一方では、国内の超大規模マーケットの優位性の活用により国家主要地域発展戦略とのリンク強化を行い、積極的に国内販売ルートを拡大し、統一された大きな国内市場の経済的厚みの拡大を押し広げていきます。またもう一方では、国際マーケットの多様化、バランスのとれた輸出入貿易、新貿易モードの発展を加速させ、貨物貿易における「優進優出(高品質製品の輸出入)」及び「優質優価(高品質製品は高値で販売)」を推進し、この5年で、広東省の国内外貿易は共に発展してきました。 対外貿易の輸出入総額は2017年の6兆8,200億人民元から2021年の8兆2,700億人民元に増加し、36年連続で全国1位、消費財の小売総額は2017年の3兆8,000億人民元から2021年の4兆4,200億人民元に増加し、39年連続で全国1位となりました。


スムーズな物流、立体的国際物流ネットワークが本格推進


 4月27日、家電製品や皮革、アパレル製品など1,147トン以上を積んだ3便の中国-ヨーロッパ列車が広州大朗国際貨運駅を出発し、それぞれ内モンゴル自治区のエレンホト、新疆ウイグル自治区のコルガス、雲南省シーサンバンナのモーハン税関経由でロシアのモスクワとラオスのビエンチャンに運送されました。 3つの路線で同日に出荷されたのは広州の中国-ヨーロッパ列車が開通以来初めてであり、「広東産製品が広東省から輸出」の国際物流ルートの往来はますます盛んになっていきます。

 広東省での中国-ヨーロッパ列車の発送量は2017年の200便から2021年には426便に増え、出発地は6カ所に拡大し、貨物貿易の形態は一般貿易から越境EC、国際郵便小包、マーケット購買貿易などに拡大しました。 現在、大湾区からは、1日平均1本以上の便が発車しています。

 広州白雲空港T2ターミナル使用開始、韶関丹霞空港開港、湛江呉川空港使用開始、恵州空港拡張工事、揭陽潮汕空港拡張工事完了、白雲空港三期拡張工事、深圳空港張工事、珠海空港改装拡張工事実施等々、空港の建設も本格的に推進されています。広東「5+4」基幹空港計画は、キャパシティ拡大と質の向上を急激に進めており、民間輸送空港の旅客・貨物・郵便処理能力は、それぞれ1億5,000万人/年、500万トン/年に達しています。

 海港の拡張についても、ますます加速しています。 深圳塩田港は、2021年には処理能力1,416万TEU、週単位の航路数106に拡大し、毎日20隻以上の大型船が停泊、10万トン以上、48億人民元以上の貨物がここを経由して世界に届くことになります。 広州南沙港は、2021年にはコンテナ処理能力1,768万TEUを有し、世界100以上の国・地域の400以上の港と貿易往来関係を結んでおり、対外貿易ルートは138にも達しています。

 ネットワークシステムの形成も拡張しています。大湾区空港共用国際貨物センター、南沙港臨港鉄道、広州鉄道コンテナセンター、広州南沙国際物流センター北・南区などの物流ハブが稼働し、水陸、水上+鉄道、水空、空陸などの複合輸送モードはますます豊富になりつつあります。2021年には、深圳の塩田港の海陸複合一貫輸送の処理量が28万6千TEUに達し、今年4月時点では、広州南沙港の鉄道海陸複合一貫輸送の総量が1万TEUを超えました。


国内外ルールのリンクが加速 広東省の新たな経済ダイナミクスを活性化


 貨物貿易の効率化が図られています。ここ5年間で、広東省では「2ステップ申告」「船側での直接引き取り、港での直接積み込み」などの通関改革を総合的に進め、貨物の通関プロセス全体を「ペーパーレス化」し、国際貿易の主要業務の「シングル・ウィンドウ」適用率は100%に達しました。 最新の税関データによると、今年の広東省の輸出入全体の通関時間は、2017年に比べてそれぞれ64.02%(輸入)、92.97%(輸出)短縮されたことが明らかになりました。

 海外からの投資も引き続き急速に増加しています。 ここ5年間で、広東省は省のリーダーが多国籍企業と連絡するためのスルートレイン(直通車)の仕組みを開設し、「外商投資法」を徹底的に実施、「広東省多国籍企業本部型企業設立奨励弁法」を実施、中国における外国投資家の権益保護に関する初の地方条例が導入されました。 外資の実際の使用額は2017年の1,383億人民元から2021年には1,840億人民元に増加し、年平均増加率は7.4%、外資系企業は累計で19万社近く設立され、約5,350億米ドルの外資呼び込み、総額は中国国内で1位となっています。

 

 

 

【参考資料】

 

・大湾区国際消費ハブプロジェクトの推進 広東省の内外循環リンクを構築

 

 

 

*本記事が記載されている大湾区レターは、以下のリンク先からダウンロードしていただけます。

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本記事の目的:

本記事は、主に中国へ進出されている、またはこれから中国進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、中国国内での経営活動や今後の中国ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような国家・地方レベルの最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

 

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