NEWS

ニュース

中国新会社法によりやるべきこと – 第一回 資本金制度の改善により何をする?

 

この数年間、中国で会社運営をしている日系企業の方々は、今月1日から施行された「改正版中華人民共和国会社法(以下、新会社法)」について、耳にされる機会が多かったのではないでしょうか。

 

多くの専門事務所がこのことについて解説するセミナーが開催され、それに参加してみたものの、今一つ理解できていない。という方に向けて、既に施行された法律ではありますが、改めてこの新会社法により、やらなければならなくなった事に重点をおいて解説していきたいと思います。

 

内容が多岐にわたるため、一つ一つのトピックに分けて解説したいと思います。今回は、一番影響が大きいといわれる「資本金制度の改善」についてです。

 

 

 

この記事の要約:

・登録資本金の払込期限が5年以内となった

・2027年6月30日までに出資期限を5年以内に調整し、定款の更新および公示しなければならない

・出資期限は最長で2032年6月30日までとなる

・株主が期日までに出資しない場合、株主および董事は責任を負い、罰則が科せられる

 

 

「資本金制度の改善」は新会社法において、一番注目度が高い内容といえます。

 

ただし、もしもあなたの会社が、

 

・登録資本金が無理のない金額に設定されている、

・もしくは既に登録資本金は全額払い込み済みである

 

ような場合であれな、この改正による影響は特にありません。

 

一方で、親子ローンの限度額を上げるため、投注差(登録資本金と払込資本金の差)のために登録資本金を高く設定してしまった会社などは注意が必要です。

 

 

 

 

一、有限責任会社の登録資本金の払込期限が5年以内となった

まず今後新規で設立される有限責任会社において、全株主が引き受けた出資額は、会社設立日から5年以内に全額払い込まなければならなくなりました。

 

そして、新会社法施行(2024年7月1日)より前にすでに登記・設立された会社については、出資期限が5年を超えている場合は、2027年6月30日までに、2032年6月30日から5年以内に出資期限を設定しなければなりません。(*法律、行政法規または国務院の特別な規定がない限り)

 

 

 

 

そのため、登記資本金があまりにも多額であり払い込みの完了が難しいというような問題がある場合は減資手続きの検討や、あまり会社自体が運営されておらず、払い込みが完了していないような場合であれば、登記抹消などの清算手続きの検討が必要となります。

 

 

 

 

二、株主が期日までに出資の全額を払い込まない場合は?

株主が期限までに有限責任会社へ出資するよう促すため、以下の規定が明文化されました。

 

【第50条】出資を怠った設立株主は、他の設立株主と連帯責任を負う

設立株主が会社定款の規定に従い出資を払い込まない、または非貨幣性財産による出資(現物出資)の評価額が引き受けた出資金額を著しく下回る場合は、当該設立株主とその他の設立株主は、当該出資に関して連帯して責任を負うことになります。

 

 

 

【第51条】責任取締役は、会社が被った損失に対して賠償責任を負う

董事会(取締役会)は株主による出資状況を確認する義務を負うことになります。そのため、もしも株主が出資義務を履行していない場合、まずは当該株主に対して督促状を送付しなければなりません。

 

これを怠り、会社に損害をもたらした場合、責任董事は監督義務履行違反として賠償責任を負わなければなりません。

 

 

【第52条】未払い分の出資持分の権利が喪失

株主への督促状を送付する場合、最低60日の猶予期間を定めることができます。その猶予期間を経過しても、株主が出資義務を履行しない場合、会社が書面通知によって、当該株主の未払出資分に対応する持分の権利を喪失させることができます。

 

権利が喪失した持分については、改めて譲渡するか、または減資のうえ抹消しなければなりません。6ヶ月以内にこれらの処理が行われない場合は、その他の株主が出資比率に応じて、未払い分の出資金を補填しなければなりません。

 

 

 

 

【第54条】債権者の権利便益の強化

会社は期限が到来した債務を弁済することができない場合、会社または債権者が、出資払込期限が到来していなくとも、株主に対して繰り上げて出資を払い込むよう要求することができる。

 

 

 

【第252条】会社の発起人、株主は下記のような行政処罰を受ける

・会社登記機関より是正を命じられ、5万元以上20万元以下の罰金が科される。

・重大な状況の場合、未出資金額の5%以上15%以下の罰金が科される。

・責任者に対して、1人あたり1万元以上10万元以下の罰金が科される。

 

 

 

 

三、やるべきこと

一定期限内に登録資本金を払い込む必要があることになるため、まずは登録資本金を全額すでに払い込まれているかどうかを確認され、もし全額振り込まれていない場合は、定款の内容がどのように規定されているかについて今一度確認されることをお勧めします。

 

もし調整された期限内に、登録資本金全額の払い込みを完了できない恐れのある場合は、資本金を出資できる金額まで減資するなどの手続きを行うといった対応策を考える必要があるといえます。

 

 

 

 

青葉グループでは、中国の会社定款の修正、減資、清算などに必要となる会計、税務、法務に関連した各専門分野の手続きを一手に提供させていただくことが可能ですので、ご検討、ご相談がある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【関連記事リンク先】

新会社法による企業の運営に与える影響について

【中国】新会社法により変化した取締役の職務責任について

【中国】新会社法「資本金の支払い期限」による7つの変化とは(下)

【中国】新会社法に関わる変更点9大項目の解説(上)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本記事の目的:

本記事は、主に香港へ進出されている、またはこれから香港進出を検討されている日系企業の皆様を対象に、香港での経営活動や今後の香港ビジネスに重大な影響を及ぼしうるような最新の法律法規と関連政策の主な内容とその影響、日系企業をはじめとする外資系企業の取るべき主な対策などを紹介することを目的として作成されています。

免責事項:

  1. 本資料はあくまでも参考用として作成されたものであり、法律や財務、税務などに関する詳細な説明事項や提案ではありません。
  2. 青葉コンサルティンググループ及びその傘下の関連会社は、本報告書における法律、法規及び関連政策の変化について追跡報告の義務を有するものではありません。
  3. 法律法規の解釈や特定政策の実務応用及びその影響は、それぞれのケースやその置かれている状況により大きく異なるため、お客様各社の状況に応じたアドバイスは、各種の有償業務にて承っております。

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

Contact Us お問い合わせはこちら